- 共同体社会と人類婚姻史 - http://bbs.jinruisi.net/blog -

インドネシア、ミナンカバウ族の社会

Posted By yama33 On 2007年1月16日 @ 8:52 PM In 未分類 | 5 Comments

インドネシアの西スマトラ山岳部のミナン地方という所に、現在でも母系社会を継続させているミナンカバウという部族があります。19世紀にイギリス人によって発見された時点では完全な母系社会を維持していたそうです。
インドネシアの大学に留学し、実際にミナンカバウ族一緒に生活をした方が、彼らの生活や婚姻様式について綴った興味深いサイトがありますので、紹介したいと思います。
谷口愛さんの「インドネシア留学記~ミナンバカウ族と暮らして~  [1]」より・・・
%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%B0%E3%81%8B%E3%81%86.jpg [2]
(ミナンバカウ族の姉妹合同の結婚式の模様)


母系制であるミナンカバウ族社会では、子どもと財産は母親のものである。財産とはお金だけでなく、ミナンカバウ族にとって重要な土地や家畜、家や木なども含まれる。母親がもつ財産は、母親の死後、女の子どものみで分けられる。今では状況が変わってきているが、男性には、基本的に財産の所有権がないというのがミナンカバウ族の伝統である。
ミナンカバウ族は「スク」と呼ばれる氏族のようなものに必ず属している。母親と子どもは同じ氏族に属すが、父親である夫は、彼の母親の氏族に属し結婚したからといって妻の氏族に変わることはない。
ミナンカバウ族の結婚では、男性が女性の家に嫁ぐ。ある地域では、結婚する際に女性は、相手の男性に見合った額のお金を男性側に支払うという習慣もある。今では結婚した男女が両親と離れて自分たちの新しい家に住むことは普通になったが、それでも、男性が女性の実家に住むことはよくある。昔は、夫が夜の間だけ妻のもとへ行く「通い婚」であったという。
母系社会であるミナンカバウ族の社会では、男性は肩身の狭い思いをしているような印象を受ける。実際、ミナンカバウ族の間で男性は「切り株の上の灰」(=風が吹くとあっという間に飛ばされてしまう存在)と言われている。しかし、男性にまったく権限がないわけではない。男性はそれぞれの家族や親族内で何かを決める際の決定権をもっている。親族の中のまとめ役で長的な存在であるプンフルーは男性が担う。ミナンカバウ社会では、女性が経済を、男性が政治をそれぞれ担っているのである。
以上、引用終わり。
興味深いのは、女性が経済、男性が政治という様に集団内での男女の役割が鮮明である点です。
「父系制」「母系制」を近代観念のフィルターを通して見てしまうと、「男優位」「女優位」「男女不平等!」というような価値観念で捉えてしまいがちです。
しかし実際にはそんな事では無い。充全な婚姻様式の中では、男女それぞれの役割がしっかり機能している。
世界には、歴史的、地理的に様々な婚姻形態が有りますが、大切なのはその制度の元で男女の役割や意識がしっかり統合されていることなのだと思います。
(やまこう)


Article printed from 共同体社会と人類婚姻史: http://bbs.jinruisi.net/blog

URL to article: http://bbs.jinruisi.net/blog/2007/01/99.html

URLs in this post:

[1] インドネシア留学記~ミナンバカウ族と暮らして~ : http://www.faminet.net/padang_indonesia/cerita_ketiga.htm#00

[2] Image: http://www.jinruisi.net/blog/%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%B0%E3%81%8B%E3%81%86.jpg

Copyright © 2013 共同体社会と人類婚姻史. All rights reserved.