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パプアニューギニアのトロブリアンド諸島:娘は嫁いでいく。しかし、母系社会?

Posted By koukei On 2007年6月12日 @ 10:36 PM In E 7 東南アジア | 5 Comments

以前にも取り上げられましたが、パプアニューギニアのトロブリアンド諸島は、興味深い母系社会です。

「母親は自分の血液から子供を作る」「兄弟姉妹は同じ肉体から出来ている。何故なら同じ母から生まれた物であるから。」こういった一連の表現が,この島の親族の基本的原理に関する住民の態度である。:「未開人の性生活」マリノウスキー著


と言う意識から、トロブリアンドの母系社会では、母方の血縁が自分たちの拠り所です。が、娘は嫁いで行くのです。


この部族では性は開かれた環境で、少年少女時代から子供同士で体験することがあたりまでのようです。生活のうえでの大きな楽しみのひとつのようです。(註:当然に一定の規範は有るようです) しかし婚礼時期が近づくと少しづつ相手を限定して付き合い(もちろん婚前交渉)、母方のオジ達に了解を得られると結婚に至る。
しかし、その結婚は昔の日本の「家」 の意識と同じように、非常に社会的位置付けが強いと感じられます。
つまり娘からすると母方の一族の繁栄、自らの親族の子供をつくる為に夫の部族の村に嫁入りに行きます。生まれた子供たちは、父親に養育される間、父親の部族に内に仮住まいしているという位置付けです。そして、大人になり結婚すると母方一族の資産を維持する為にオジ(母の兄弟)の元に戻ります。
夫はいずれ母方の一族の元に去っていく子供たちを養育するのが責務のようです。

「この社会では、子供を一人前にするのは、母親や母系一族の人々ではなく、育ての父親の責任とされる。だから父親は子供を抱いてあやしたり、食べ物を口に運んでやったり細かな愛情をもって子育てに励む。」須藤健一著『母系社会の構造 サンゴ礁の島々の民族誌』

比較的に自由な性を子供時代から楽しみながらも、大人になると集団の子孫確保と言う課題を担っての子作りとして性を定義している。さらには、部族間の緊張緩和(≒関係維持)の為でしょうが、母系でありながら嫁入りと言う面白い婚姻制です。
外圧状況でどのように、集団をまとめていくかと言う最大のシステム課題が「婚姻制」と思います。一般の動物は殆んど固定的な婚姻制でなのに、人類の「婚姻制」は本当に多彩で驚いてしまいます。それだけ様々な外圧に適応する為に、皆でその内容を合意しながら婚姻ルールを構築して言ったと思うとすごいことだと思います。


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