- 共同体社会と人類婚姻史 - http://bbs.jinruisi.net/blog -

「主婦」と言う言葉が、中流サラリーマンの「奥さん」と言う憧れを感じる語感だった時代があった。

Posted By koukei On 2007年6月27日 @ 10:29 PM In E 8 日本 | 8 Comments

「主婦」と言う言葉は憧れの語感がある時代があった。
その歴史を調べてみると…。

「戦前の都市中間層の世帯には、夏目漱石のように手もと不如意をつねにこぼすような家庭にも、下女の一人や二人はいたことが知られている。・・・・・「主婦」という言葉は、語源的には、ヨーロッパ語でも日本語でも「家の女あるじ」を意味していた。「主婦」であるための資格は、家長の妻であることとともに、下働きの「女子衆(おなごし)」や親族の女性を配下に従え、それに采配をふるう家政の指揮監督権を握っていることであった。しかし、都市化と核家族化の進展の過程で、「主婦」の大衆化(と地位の低下)が起きる。核家族の中の「主婦」は、下女を失うだけでなく、拡大家族の中にいた他の成人女性メンバーをも失った。今や家族中の唯一の成人女性メンバーとなった主婦の肩に、すべての家事労働がかかってくる。こうして世帯内の家事専従者としての「主婦」が成立する。アン・オークレー流に言うなら、「主婦」とは「家事使用人を失った家長の妻」のことである。」(上野[1991:138-139])


まずは、ポチットお願いします。



「主婦という言葉が雑誌などに登場し始めたのは明治四〇年代であるが、・・・・・主婦がいるのが「普通の家庭」の姿になったのは、高度成長期の終わりである。主婦が大衆化する前、「サラリーマン」は都市の限られた層であり、「主婦でること」は中流階級のサラリーマン家庭の「奥さん」として女性の憧れだった。」(国広[1993:75-76])
※「家族・性・市場」 立岩 直也 2005-2006 「近代思想」2005 「現代思想」2006 より


「主婦」と言う言葉は、今や輝く感じがしないが遍歴を見てみると、近代の女性の足跡 そのものです。
戦後は性役割分業が広がり、夫は工場などの家庭の外で労働を分担して、女性は家庭にこもり(しかし、まだ地域交流が機能していた)家事育児で多忙だった時代です。
高度成長時代からは、夫の給料だけで生活していける時代の突入で実現しました。
「主婦」は、「労働からの開放」(=貧困からの開放)で、憧れだった時代です。「三食昼寝付き」などと言われて、機械化とともに軽微となった家事を済まして、趣味に生きていける「身分」に成ったのだと思います。
%E5%AE%B6%E9%9B%BB%E3%81%AE%E7%8E%8B%E6%A7%98.jpg
「三種の神機」と言われて、家事労働は激減した
しかし、地域コミュニティーが崩壊した後の、消費だけの「家庭」に閉じ込められた主婦と、子供がどんどんおかしくなって来たのだと思います。
現代は、結婚しない男女か、殆んどが共働きの時代。「主婦」の語感は色あせて、女性は消費だけの空間である「家庭」閉じ込められる事を拒否して、役割充足を求め出した時代です。
しかし、仕事(家庭の外)と、育児・性的役割(家庭)と分離されている現代社会の仕組みでは、家庭、子育て、男女関係が、上手く行かないのが現状です。
つまり、鳥瞰してみると
家の主だった主婦 →大変だった家事を家庭内で分担した主婦 →家庭内に役割が無くなった主婦 →社会に出て「家庭」と「仕事」の両立を目指して無理をしている主婦
→これからは?
女性が役割充足を求めて動き出したと言うことは、新たな可能性のある男女関係、子育て空間、と言う社会システムが求められている事だと言うことです。


Article printed from 共同体社会と人類婚姻史: http://bbs.jinruisi.net/blog

URL to article: http://bbs.jinruisi.net/blog/2007/06/199.html

Copyright © 2013 共同体社会と人類婚姻史. All rights reserved.