今回は人類進化の“系統”について考えたいと思います。
まずは、現在妥当とされている進化系統図と作者コメントをいくつか紹介します。
↓人類進化の地域と年代を4つの進化段階に対応させた図
↓現状で妥当と思われる人類の進化系統図
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「大きな適応放散にあわせて3群にまとめた。~中略~第1群は複数の属,第2群は複数の種,第3群は1種によって構成されているのは,昔のことはよくわからないので大くくりになっているということもあるが,時代が進むにつれて人類の環境適応力が高まり,少ない属や種で多様なニッチを占めてしまうと解釈するべきだろう。」
(以上、別冊日経サイエンス151『人間性の進化 700万年の軌跡をたどる』馬場悠男まえがきより引用)
↓頭蓋骨系統図 NHK「地球大進化プロジェクト2004」より転載
「私たち現代人(新人,ホモ・サピエンス)の起源を巡っては,1980年代後半から1990年代にかけて,旧来の「多地域進化説」と新しい「アフリカ起源説」が対立し激しい議論を重ねていた。2000年代になると,人骨化石,考古遺物,DNAなど多くの証拠からアフリカ起源説が圧倒的に優勢になった。現在では,数万年ほど前にアフリカから旅だって世界中に広がったホモ・サピエンスが,ユーラシアに住んでいた原人や旧人とわずかでも混血したかどうかが焦点となっている。」
↑別冊日経サイエンス151『人間性の進化 700万年の軌跡をたどる』馬場悠男まえがきより引用
論争の元になった「ミッシングリンク」の意味は、猿人~旧人~新人が繋がっていない=「サルから別々に進化した違う種がいる」ということではなく、アウストラロピテクス(猿人)から枝分かれ進化した種の大半が途中で死に絶え、その中で奇跡的に生き延びたホモ・ハビリス(旧人)から枝分かれ進化した種の大半も絶滅し、さらに奇跡的に生き延びたホモ・サピエンスという人種だけが現在まで生き延びてきたということ。
前回、紹介した『ヒトは食べられて進化した』のとおり、外敵に食べるという極限的な淘汰圧力の中で、(可能性適応)枝分かれ進化し、さらに地球規模の環境変化に絶滅の危機に晒されながら、まさに【奇跡的】に進化してきたことの物言わぬ証拠が「ミッシングリンク」なのではないでしょうか?
以下るいネットから参考になる投稿を引用します。
『ヒトは何種類いたのか?「異種同時共存説」による人類進化』 [2]阪本剛さん
>アフリカのサバンナにはライオンをはじめネコ科動物が6種もいる。
さらに霊長目は、分類法にもよるが180-200種いる。その中でヒト科は、ホモ・サピエンスたった1種だ。この孤独な現状は、明らかに異常だ。
未探査の中央アフリカ、全く探査されたことのない西アフリカ、そして東アフリカの大地溝帯のはずれから南アフリカの角礫岩分布地帯までに開いた空白部まで、広大な処女地が手つかずで残されているが、ここにも猿人と初期ホモが棲んでいて、幾種類にも分岐しながら、他の初期人類同様に、子孫を残さず絶滅したという推定は決して空想ではないだろう。
ヒト上科(類人猿)のほとんどの種族は、長い歴史の間に姿を消していった。直立二足歩行を発展させなければ、わずかに歯だけを残して子孫を残さなかったデンタル・ホミノイドのように、ヒトの祖先もまた絶滅していたのかもしれない。<