今から遡ること二千数百年前、紀元前の時代に、古代ポリネシア人はなぜ、死の危険を冒してまで、カヌーで、数千キロにも及ぶ太平洋の大航海へと出かけていったのか。
また、海図も磁石もない時代に、なぜこのような大航海が可能だったのでしょうか。
ナショナルジオグラフィックの6月号に興味深い記事があったので紹介します。
記者は最初、『南太平洋に浮かぶ、このような美しすぎるさんご礁に囲まれた島々が、古代ポリネシア人をも深く魅了し、同時に水平線の遥か彼方に存在するであろう道の島々への強い憧れを抱かせ、そして実際に彼らは危険を冒してまで、数千キロ単位の大航海へと旅立っていったのだと確信した。』と書いていますが、実際に人々が命がけの危険を犯すのは好奇心や憧れといった曖昧な理由ではなく、止むに止まれぬ理由があったようです。
古代ポリネシアの人々が命がけの大航海を行なった理由に興味をもたれた方は、
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古代ポリネシア人の航海史に詳しい「タヒチ博物館」の保存修復研究員 ヴェロニック・ム・リップマン氏は、紀元前の時代に古代ポリネシア人が広大な太平洋の海を渡っていった理由について、「人口の増加や台風の直撃などによって、食糧が足りなくなった、あるいは村同士の争いに負け、島にいられなくなった、といった理由で、新たな島をめざし、カヌーで航海に旅立っていったと考えられています。。そして、紀元前700年頃に、サモアやトンガからタヒチの島々に辿り着いた古代ポリネシア人は、色とりどりのサンゴ礁が群生する海を無数の魚が悠々と泳ぎ、島に足を踏み入れればココナッツなどが生い茂るこの地を、楽園だと思い、住み着いたのでしょう」と語る。
当時の航海の実態について、推測の部分が多いがと断ったうえで、リップマン氏は「星座や風、海鳥などを参考にして、最終的に航海を決断していたのではないでしょうか。また、当時の人々はとても目が良かったらしく、遥か彼方に浮かぶ白い雲にサンゴ礁が微かに反射しているのを見つけ、あそこにサンゴ礁の島が存在すると判断することもあったようです。
命がけの大航海を支えたのは、現代人が失った自然と同化する優れた身体能力と洞察力だったのですね。