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霊長類の群れ社会の進化(2)~霊長類を見る視点<後編>

『霊長類を見る視点<前編>』 [1]に続いて、後編をお届けします。
前編では、
   ◆置かれた外圧状況を把握する を紹介しました。
後編では、
   ◆群れ社会の進化を塗り重ね構造として捉える を紹介します。
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[2]


【群れ社会の進化を塗り重ね構造として捉える】

生きとし生けるものは、全て外圧(外部世界)に対する適応態として存在している。

  (中略)
 
歴史的に形成されてきた存在は(=進化を重ねてきた存在は)、生物集団であれ人間集団であれ、全て始原実現体の上に次々と新実現体が積み重ねられた、進化積層体(or 塗り重ね構造体)である。



るいネット『実現論』 [3]イ.可能性への収束=統合 [4]より引用

この認識は、人類、霊長類に限らず、あらゆる生物の進化を考える上で、なくてはならない認識だと思います。
新しい群れの成立構造は、それまでの群れの成立構造を内包する。あるいは、ある段階の群れには次代の群れの成立構造の萌芽が存在する、とも言えます。原猿から真猿の各段階の群れの成り立ち・仕組み・統合原理などを比較検討することで、どのように群れ社会が進化してきたか?何が塗り重ねられてきたのか?を追求できるのではないかと思っています。
次に霊長類の分類と概略の進化系統樹を紹介します。
 <現生の霊長類の分類>

























































亜目 下目 上科
霊長目 原猿亜目 キツネザル下目 キツネザル上科 キツネザル科 キツネザル、ハイイロキツネザルなど
インドリ科
インドリ、シフアカなど
アイアイ上科 アイアイ科
アイアイ
ロリス下目 ロリス上科 ロリス科
ロリス、ポットー、ガラゴなど
メガネザル下目 メガネザル上科 メガネザル科 メガネザル
真猿亜目 広鼻下目
 (中南米)
オマキザル上科 オマキザル科
オマキザル、リスザル、クモザル、ホエザルなど
キヌザル科
(マーモセット科)
マーモセット、タマリンなど
狭鼻下目
 (アフリカ)
 (アジア)
オナガザル上科 オナガザル科
マカカ、ヒヒ、ゲラダヒヒ、コロブスなど
ヒト上科 テナガザル科
テナガザル、フクロテナガザル     (類人猿)
オランウータン科
オランウータン、チンパンジー、ゴリラ (類人猿)
ヒト科 ヒト




【人類の学名】脊椎動物門・哺乳綱・霊長目・ヒト科・ヒト属・サピエンス種・サピエンス
上記表は、『理解する世界史』 [5]さん:理解する世界史/霊長類の誕生 [6]からお借りしました

 <霊長類の進化系統樹>
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この系統樹では表現されていませんが、実際には絶滅した多くの種が存在しています。より詳しい霊長類の系統樹を知りたい方はこちら⇒霊長類研究所「霊長類の進化とその系統樹」 [7]
進化系統樹の“赤のライン”は、「原猿→真猿→人類・チンパンジー共通祖先→人類へと至る進化の系統」を示しています。各段階でそれまでの本能や機能を下敷きにし、それに新たな機能が先端的に塗り重ねられる形で進化してきました。
注意が必要なのは、進化系統樹の“グレーのライン”は「人類と異なる別の系統(別の種)」だということです。この系統上の進化は人類進化には直結しなません。
例えば、人類はチンパンジーとの共通祖先と枝分かれ後、共認機能を発達させ観念機能(言葉や道具など)を獲得しました。同様にチンパンジーも人類との共通祖先から枝分かれ後、さまざまな機能を獲得したはずですが、それらは人類進化とは直結しません。また、ゴリラ、テナガザルやオランウータンは更にその前に枝分かれした別の種なので、現生するゴリラ、テナガザル、オランウータン等の集団から直接初期人類を繋げて考えてしまうのは誤りです。
では、共通祖先はすでに存在しない現在、現生の霊長類からどうやって進化の過程を追求するのか?
ここで活きてくるのが「進化の塗り重ね構造」という認識です。
例えば、人類と現生するチンパンジーとの間で共通の群れ社会の統合原理があれば、それは共通祖先段階で獲得したものだと推測することが出来ます。進化の隣人と言われるチンパンジーや、その他の現生霊長類の群れ社会の成り立ち・仕組み・統合原理などを考えることは、原猿、真猿一般や人類・チンパンジーの共通祖先の姿を類推する上で有効だと思います。
『霊長類を見る視点<前編>』 [1]、『霊長類を見る視点<後編>』では、
  ◆置かれた外圧状況を把握する
  ◆群れ社会の進化を塗り重ね構造として捉える
という視点・認識を紹介しました。この視点・認識をうまく活かして、霊長類の群れ社会がどのように形成されてきたのか?その仕組みは何か?などを考えてみたいと思っています。(さいこう)

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