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「お盆の墓参り」は日本独自の習慣

 お盆ネタをもう一つ…


 お盆といえばお墓参りですが、一年のうち決まった時期に先祖の墓に参ると言うのは日本独自の風習のようです。(他の国の仏教や儒教などは命日に訪れるのが一般的。)



なむ~

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お仏壇のはせがわよりお借りしました(リンク [1]


 インドから中国、朝鮮半島を経て日本に伝わった仏教ですが、日本にだけあって外国にはない習慣がいくつかあります。そのひとつがお彼岸の行事です。
 お彼岸という言葉は「彼方の岸」と書かれているように、向こう岸をあらわしています。つまり、仏様が住んでいるあちらの世界のこと。インドではサンスクリット語で「パーラミータ」と呼ばれていました。
 反対に迷いや煩悩にあふれたこちらの世界を此岸(しがん)といいますが、なぜ特定の時期を「お彼岸」と称して特別な法要をしたりお墓参りをするようになったのでしょうか。(リンク [2]


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 お彼岸という言葉は仏教用語ですが、日本各地のお彼岸の行事を見てみると、仏教とは関係がなさそうなお祭りやお祈りが数多く存在しています。
 そもそも、四季がはっきりしている日本は「暑さ寒さも彼岸まで」というように、お彼岸は季節の変化を感じる時期でもあります。大昔の人には、春にはその年の豊作を願い、秋には収穫を感謝するという自然信仰がありました。自然の神々に対する信仰と仏教の教えとが結びつき、千年以上にわたって日本人の生活の中にお彼岸が定着しているのです。
 ですから神道の場合も、お彼岸の過ごし方は仏教と同じ。祖霊舎(仏教でいう仏壇)をキレイにお掃除して、お墓参りをします。氏神様にお願いすれば、祝詞をあげていただくこともできます。神社でもお彼岸の中日(ちゅうにち)には神事が行われていることが多いですよ。(リンク [4]



 
 そういえば靖国神社では毎年お盆の迎え火にあわせて「御霊祭り」を開催しています。夜ともなれば盆踊りが開催され、参道は夜店で賑わい、日頃マスコミがセンセーショナルに煽る姿とは全く異なる場が存在します。



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靖国神社HPより(リンク [5]




 日本人には脈々と受け継がれてきた、自然や祖先に対する感謝の気持ちをがあり、農耕のサイクルに合わせて豊作の願いや、収穫の喜びを祖霊や精霊とともに祝う習慣があった。それがたまたま仏教の行事に結びついたということなのでしょうか。

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