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2008年12月12日

騎馬民族は来たのか?(番外編)その後の渡来人

「騎馬民族は来たのか?」解明の途中ですが、「氏姓制度における二元性」にあるとおり、古墳時代を通じて(ヤマト中央集権国家成立以前に)、天皇家以外にも夫余系騎馬民族出自の人々が多数渡来していたと考えられます。

その傍証として上げられるのが、平安初期815年に成立した『新撰姓氏録』です。
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↑『新撰姓氏録・抄』画像は早稲田大学図書館よりお借りしました。

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以下、その取り上げかたについて「日本人の起源」より抜粋する。

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これまで縄文末期以来、基層人と渡来人という区分で渡来人を捉えてきたが、ここで言う渡来人とは古墳時代に入ってから渡来してきた人々のことである。この時代、弥生時代に稲作などを持ち込んだ人々などは、すでに立派な倭人であった。
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 この表から、古墳時代の渡来人は、主に百済や伽耶から来たことがわかる。百済や伽耶の支配階層は江上波夫が指摘したように、夫余系の騎馬民族であった。
 『梁書』は、百済の言語はほぼ高句麗と同じと記し、『周書』は、百済王の姓は夫余氏であったと言っている。伽耶諸国についても遺跡や出土物からみて支配者は夫余系であったろう。(江上は新羅王も夫余系であったとしている。)
 こうした中国の史書や古墳群などの遺跡からみて、朝鮮南部の土着の民族集団が支配層に引き連れられて渡来したこともあったであろうが、主要な渡来集団はあくまで、大陸の統治技術や工作技術を身に付けた騎馬民族であったと言い得る。 

 では騎馬民族を中心とした渡来人は、結果としてどれほどの渡来系氏名を倭国に残し、日本人として同化していったのだろうか。 

 これを教えてくれるのが 新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)である。 新撰姓氏録は平安時代初期、815年に成立した。自らの出自を表明し、それが公表されるということであるから、表明を躊躇する貴族も多かったと見られ、これの編纂には予想以上の年月が必要であったと言われる。
 出来上がった新撰姓氏録は、 五畿七道六十六ヶ国すべてに亘る膨大なものであったようだが、現存しているのは左京・右京と五畿内(山城、大和、河内、摂津、和泉)の分だけである。

  新撰姓氏録編纂の目的は、 各氏族を皇別、神別、諸蕃に分類して、その祖先(出自)がわかる目録作りにあったと言われている。逆に言えば平安初期の段階では、すでに貴族でも何処の誰か判らないような状態であったことが窺われるのである。
 各分類は大辞泉によると次のように解釈される。
 ・皇別氏族・・ 皇族を祖先とする氏族。橘氏・源氏・紀氏など。
 ・神別氏族・・神代の神々の後裔 と伝えられる諸氏。藤原氏・額田部氏など。
 ・諸蕃氏族・・ 中国・朝鮮から渡来したと称する諸氏。秦(はた)氏・漢(あや) 氏・百済(くだら)氏など。
 新撰姓氏録の内容、特に渡来系の内訳を詳しく見ると次表のようになる。
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 白村江の大敗で半島からの渡来が途切れてから150年、平安初期段階で渡来系だと申告した貴族はこの畿内圏で326氏族、全体の28%であったことがわかる。且つ、夫余系の騎馬民族と見られる氏族は百済系、高麗系、任那系合わせて、ほぼ60%に達する。決して無視できない集団であったといえよう。
 もちろん、この数字は列島全体の姿を表すわけではない。 畿内圏という特に渡来人が多かった地区の数字であり、かつ支配階層のなかの割合であったことにも留意しなければならない。
 
 しかし邪馬台国の誕生から古墳時代を通観して筆者が得てきた感触が、ほぼ正しかったことが証明され、数値として捉えられたと思う。
 すなわち、江上波夫が言うように、天皇家が辰王系であり、辰王に率いられた騎馬民族が、大挙して襲来し倭国を征服したという、騎馬民族征服王朝説にすべて同意することは出来ないが、多数の騎馬民族由来の集団が渡来して来て、日本人の遺伝子にかなりの影響を及ぼしたということは、事実として証明されたと考える。
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