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世界の現在の性意識シリーズ、今回は、’05DUREX社データのセックス頻度・満足度No1の国、ギリシャについての2回目です。
ギリシアの性意識を探っていくために、まずはギリシアの歴史から調べて行きたいと思います。
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ウィキペディア(リンク [3])によると…
■古代:ギリシア・ローマ時代
古代のギリシャはアテナイ、コリントス、テーバイなどの多数のポリス(都市国家)が並び立っており、言語・文化・宗教などを通じた緩やかな集合体であった。政治的に独立していた各ポリス間では戦争が絶え間なく繰り返された。紀元前5世紀にアケメネス朝(ペルシア帝国)が地中海世界に進出してくると、各ポリスは同盟を結び、これに勝利した(ペルシア戦争)。
■中世:東ローマとオスマン朝支配時代
紀元前146年にローマ軍に敗北、コリントスの破壊と共にローマ属州アカエアとされた。395年、ローマ帝国が東西に分裂したのちは東ローマ帝国に属した。1453年、東ローマ帝国は国によって滅ぼされると、残る諸勢力も15世紀末までにはほとんどがオスマン帝国に征服された。以後400年近くオスマン帝国の統治が続いた。
ギリシアは元々、一つにまとまった国家というよりも、都市国家群が覇を競い合っていたという感じです。その後、紀元前146年から1829年まで2000年近く外国の支配下にあったわけで、外圧状況はかなり過酷であったものと考えられます。ギリシアの大家族主義も、支配され集団が解体されていく中「血のつながり」を最後の拠り所(絶対に裏切らない仲間)としてとらえていった結果なのかも知れません。
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そんな中、彼らのギリシア人としてのアイデンテティーは『ギリシア正教徒であること』に収斂されていったようです。そして、そんなギリシア人気質は『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング(原題:MY BIG FAT GREEK WEDDING)という映画にもなっています
■ストーリー
ギリシャ系アメリカ人のトゥーラは、内気な性格と地味な容姿のせいか、恋愛に縁のない冴えない毎日を過ごす独身30歳。“ギリシャ人の男性と結婚して子を授かり、死ぬまで家族の食事を作ること”がギリシャ女性のすべきこととされる世界にあってこれは一大事。ギリシャ料理レストラン“ダンシング・ゾルバ”を営む両親にとって娘トゥーラの結婚は今や最大の心配の種。ところがある日、トゥーラの連れてきた男性はイケメンWASP青年のイアン。トゥーラの両親はイアンをギリシア正教に改宗させ、ギリシア式の結婚式を挙げるために奮闘する?みたいな(リンク [4])
この映画(2002年公開)は、主演のニア・ヴァルダロス自身の体験が基になっているそうなので、今でも大家族主義のギリシア人気質は大いに受け継がれているということなのでしょう。
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ギリシア正教における結婚の考え方は、カトリックやプロテスタントとは少し違っています。
■ギリシア正教における結婚観
結婚は七つの秘蹟の一つであり、宗教的に大きな意味があります。正教会で結婚式を挙げることができるのは正教徒だけで、他の宗教に属する人と正教徒、他の宗教に属する人同士の結婚を正教会で祝うことはできません。
男女は教会で結婚するまで性的な関係をもってはならないというが教会の教えです。しかし、結婚した夫婦の間の性交渉は神の恵み として享受されるべきものと考えているため、カトリック教会のような、「性」=「罪」という概念はありません。(リンク [5])
う゛~ん、映画の中でお父さんが必死で彼をギリシア正教に改宗させようとしたのが判ります。『性交渉は神の恵み』という考えもイアン君にとってはさぞかしカルチャーショックだったのでは?
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○ギリシアの被支配の歴史的経緯から来る「大家族主義」とギリシア正教の結婚観である「性交渉は神の恵み」という考え方。この二つとDUREX社データが示すギリシャをはじめクロアチア、セルビア・モンテ、ブルガリアなど東欧グループ(バルカン半島の国々)はセックス頻度・満足度ともに高い位置にあるというのはつながってきます。(東欧も迫害の歴史、正教会の信仰は共通している)
外圧高による身内収束+性に対する肯定史観=セックス頻度・満足度共に高
という図式になっているのではないでしょうか