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終戦直後の日本(1):人口データで見る日本の状況 と 女性の結婚圧力

Posted By hayabusa On 2009年7月8日 @ 6:04 PM In D 東洋と西洋 | 12 Comments

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過去の記事「戦後2年目に発行された元祖HowTo本?雑誌「夫婦生活」の中身とは」 [1]に続き、戦後日本の結婚事情等を調査しました。
結果、 『日本人の性生活』 著者:篠崎信男 氏 文芸出版(昭和28年10月25日発行:当時300円) という大変古い本を見つけました。
内容は、終戦直後の日本における結婚と性の姿を調査したデータ集。全国的に約1000組の夫婦からインタビュー形式で聞取り調査を行った内容が統計データと考察としてまとまっています。当時としてはかなり、長期間・大掛かりに調査されたデータでしょう。
今日から数回、そのなかから、終戦当時の日本に顕著だった事象を抜粋して紹介したいと思います。今日は、人口問題~結婚問題です。
[2]


■人口データ
~『日本人の性生活』より~
昭和25年の国税調査によると、日本の総人口は83,200,000人。このうち、結婚の対象となる人口は15歳以上の男女でなければならない。したがっておよそ53,710,000人の人口は、それぞれよき配偶者を求め合っているか、またはすでに成立しているものの男女総数である。これを統計によって示すと、第一表のようになる。
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【分析①:女性の有配偶者数が多いのはなんで?】
~『日本人の性生活』より~
すでに夫や妻を持っている人は、31,304,000人で、このうち、男性が15,571,000人、女性が15,733,000人である。
元来夫婦というものは一対のものであるから、この数は一致すべきものであるが、調査上の欠陥や、その他いろいろの原因が考えられるなかに、一番問題になるのは妾(めかけ)の問題である。すなわち総数において162,000人だけ女性のほうが多い。ということは、このなかに、一夫ニ妻が含まれているということを示すものであり、これが都市部よりも郡部において甚しいのである。
【分析②:日本の戦死者数】
日本の戦死者数は、
・兵   員:2,300,000人
・一般市民: 800,000人 (リンク [4]より引用させていただきました)
第一表の男女有配偶者数のうち、女性の人口が上回っている15歳~34歳までの女性の人数(第一表の▲印の数)を合計すると、2,241,000人
この人数は、概ね兵員として戦死した男性の人口と一致する
【分析③:戦争の影響と女性の結婚圧力の増大】
~『日本人の性生活』より~
人口全体から見ても20歳より40歳までは、女性のほうが多く、いわゆる戦争の影響を反映させている。
しかし、結婚ということになると、必ずしも同年齢同志のものが夫婦になるとは限らない。今までの統計によれば夫婦の年齢差は4~5歳が一般である。従って上表の男女年齢別人口を一階級ずつずらして考えなければならない。
すると、20~24歳層の女性の対象は25~29歳の男性となり、この数はおおよそ1,088,000人女性が多いことになり、同様に25~29歳の女性はその配偶者対象男性人口より1,005,000人多く、30~34歳層の女性は465,000人多い。従って結婚適齢期と思われる女性のうち、合計2,558,000人の女性は、結婚したくても人口上相手がいないということになるわけである。
このような実情は人口の相対的比較の不均衡によって、女性にとって、一つの結婚圧力を増大せしめずにはおかなかったであろう
~中略~
更にこのような年齢問題を一歩深く分析すると、女性は恰好な男性がいないために、逆に自分より年齢の若い男性と結婚するとう割合が増大するということである。すなわち戦前、妻が夫より歳をとっている夫婦というものは8.8%に過ぎなかったものが、戦後は14.6%と増加している事実が、それを物語っている。
■考察
第一表で示されているように、戦死した男性人口分だけ余ってしまった女性(2,241,000人)も、有配偶者としてカウントされています。
したがって、同年代で相手が見つからなかった女性は、『日本人の性生活』の分析の通り、年齢の離れた男性と結婚することを選んだのだと思われます。
また、ここで見えてくるのは、そのうち、妾になった女性も数多くいたであろうということ(ここでは妾に対する特定の価値観は一切排除しています)。『日本人の性生活』の著者は触れていませんが、分析①で示した妾の人口(16,2000人)のほとんどは、当時の結婚適齢期(15~34歳)の人たちだったであろうと推察します。その上で、本当に結婚できなかった結婚適齢期の女性は75,000人ほどだったと思われます。
終戦直後は、結婚適齢期の女性にとって、人口バランスが崩れて結婚できないという否応のない状況だったわけです。
この時代、女性の社会進出は現在ほど認知されていなかったでしょう。単身女性がマンションを購入して自立した生活をおくるなど絶対に不可能。大きく見れば、女性一人で生きていくことが大変困難な社会状況であったわけです。
そうなると、結婚できるか・できないかは、大げさかもしれませんが死活問題当時の女性達は、現代の「婚活」など全く問題にならないような結婚圧力を感じていたと推察します。
~つづく~


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