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イスラム教徒の『婚約・結婚』

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画像はこちらからお借りしましたhttp://earthtribe.weblogs.jp/earth_tribe/2008/08/post-9adb.html [1]
刻々と近づくアメリカ崩壊、崩壊後の世界秩序維持について「脱貧困度」「脱覇権国家度」「本源度」というキーワードに照らし合わせていくと、『イスラム』の世界には砂漠地帯故の貧しさ故に本源性(規範性の高さ、市場依存性の弱さ、一夫多妻にみられる相対的に原始的生活風習)が比較的守られてきていると思われ、日本に次いで秩序維持の可能性が高いと思われる。
よって今後、イスラムの婚姻史&共同体社会について明らかにし、イスラムの集団性の全貌を明らかにしていきたいと考えています。
そして第一発目の記事はイスラム教徒の『婚約・結婚』についてです。
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婚約・結婚にかかる男女の問題はその家の血統の評価にも及ぶようです。
以下、渥美堅持の中東講座 [3]よりの抜粋引用になります。
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さてこのようにして学業を終えると次に待っているのは結婚である。この世界に住む人間にとって最も重要な問題がこの結婚である。イスラーム教徒の結婚はイスラーム法に準じて行われるが血の純潔を尊ぶこの世界では、男女七才にして席を同じゅうせずの教えと似て、男女の関係は厳しい監視の下に置かれる。男女の交際は姻戚以外はご法度でありタブーともいえるものである。もしこの禁を破る若者がいたならばそれは一族の恥として糾弾され時には親が子を手にかけることがある。クラーンでも男女の関係、夫婦の関係を規定している箇所が随所に出てくるが、それはイスラーム以前から会った血の純潔を彷彿させるものである。
 法を尊守するためには血の純潔が具備して初めて成されるという考えは、イスラーム教ばかりかこの地のの宗教に共通してみられるものであるが、それが人間関係に及んだとしても不思議ではない。よって男女の問題はその家の血統の評価にも及ぶこととなる。それゆえみだりに男女の交際を広げると個人ばかりか一族全体に及ぶこととなる。原則としてイスラーム世界では正式な婚約が成立しない男女の交際は認められていない。もしその禁を破ると、その一族全部に淫乱の血が流れているとの評価がなされ、イスラーム教徒として相応しくない集団であると判断される。よって男女交際は最も気の使う問題となる。イスラーム教世界では結婚に親が大きな権限を持つ。息子の嫁を決定するにおいても、娘の婿を決定するのおいても親の承諾が必要であり、親が許可しない結婚は存在しない。特に娘の場会、娘の意見よりも親の意見が大きな権限を持つのが普通で、結婚の契約も嫁の親と婿の間で結ばれるのである。しかいいくら親が気に入ったからといって娘が反対した場合には婚約は成立しない。
 このよう結婚を前提とする婚約はその最初から親が深く介入してくるのがこの世界の特長であるが、婚約成立した場合、政府がそれを承認し正式になる。人によってはそれを新聞に発表する人もいる。世間の人に正式に婚約した仲であることを知らせるためだ。イスラーム世界には風紀警察というのが街中を私服で巡察し、男女二人で歩いていたりお茶を飲んだりするとチエツクする制度がある。風紀の乱れを阻止するということから出た制度であるが、これに摘発されることは大きなトラブルのもととなる。そこで正式に婚約した者たちとそうでないものとの区別をすることが必要となる。それを政府が承認することで解決しようと考え出されたものであると思われる。この風紀警察の質問にあった時、互いの身分証明書の婚約者の欄に互いの名前があれば問題はない。もっともイスラーム世界での婚約中のデートにも両家の家族がついてくるからめったにこのような質問を受けることはないが、二人だけの場合、有効に作用する。
 このように厳しいイスラーム的環境の中で婚約、結婚と進み一家をなすわけであり子供を育て同じような教育をほどこし最後の段階を迎える。
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