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日本語の成り立ち1~縄文語の発見~

Posted By okatti On 2009年11月19日 @ 5:47 PM In F 日本人の起源 | 6 Comments

%E7%B8%84%E6%96%87%E5%9C%9F%E5%81%B6.jpg日本人の起源を探る一アプローチとして日本語の起源=祖語を解明するシリーズをお贈りします。
自然音を左脳で聞く日本語の凄さ [1]や、漢字の高い造語能力は日本語だったからこそ、高度な思考を母国語で出来るのも日本語だからこそ [2]において日本語の優秀さが指摘されていますが、どのようにして日本語は成立したのか?
このシリーズでは、日本語の祖語が縄文語であること、そして今も継承されていることを明らかにしたいと思います。
(右図は縄文土偶。遮光器土偶と呼ばれているもので、ここ [3]からお借りしました。)
応援よろしく  by岡
[4]  


最初に、他の言語と比較して日本語がどのような特徴をもっているかに触れておきたいと思います。金田一春彦著『日本語(上)』(1988年)(国名は当時のままにしています)より。
1.日本は世界でも珍しい、一言語・一民族の国家
北海道にはアイヌ語を話すアイヌ民族がおり、朝鮮語を話す在日韓国人・朝鮮人はそれよりも多いが、彼らは日本語も話す。全般的に見て、この程度なら一言語・一民族の国家と言ってよさそうだ。
一国一言語は、韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)ぐらいで、多くはモナコやバチカンのような小国である。
多くの言語を使用する国は、パプア・ニューギニアの666言語、インドネシアの567言語、ナイジェリアの412言語がベスト3で、100以上の言語をもつ国が16もあがっている。インド・中国・アメリカ合衆国・ソ連などいずれもその例であるが、多くの言語をもった国がいかにたくさんあるかを示している。
2.日本語は多様である
相手によって言葉遣いを変えたり、自分の身分や性別を考えて言葉を選んだりするのは日本語なればこそできる表現で、「ヨーロッパへ行ったら三つぐらいの外国語を使い分けているようだ」と評されている。
日本語の言葉の違いが一番激しくあらわれるのは、何と言っても、地域による方言の違いである。奥羽の北や九州の南の方へ行くと、東京や大阪の人には何を言っているか分らない。
一般に方言の違いが激しいのは、どちらかと言うと文化のあまり高くない地域に多い特徴で、それは、未開社会は互いに閉鎖的で大きな社会をつくっていないためである。
日本語の場合は原因は他にあり、日本人がこの領土に来てから悠久の年月が経っているからである。
大国アメリカやソ連では方言の違いはあまりないが、それは、ロシア人がキプチャック汗国を滅ぼして今のソ連にロシア帝国を建てたのは15世紀後半のことである。アメリカ人の祖先がアメリカ大陸に合衆国を作ったのは18世紀後半のことである。日本の歴史に比べれば、ついこの間のことだ。ロシア語やアメリカ語(英語)が各地に広まったのはそれ以後である。だから、方言の分化が行われるのに十分な歳月がなかったのだ。
日本語の方言の違いはとにかく激しい。が、無為無策ではない。東京の言葉を基礎として、これにさらに磨きをかけた言葉を考え、これを<標準語>として学校教育で普及させた。標準語のもとは江戸の中流以上の家庭の言葉であったが、江戸時代に参勤交代制度のおかげで、日本全体にかなり普及していた。標準語が分るということは、様々な文書や教科書等の普及にとってすばらしいことであった。
3.日本語は系統的に孤立した言語
日本語は、今まで同系だとはっきり証明できたのは沖縄の言葉だけで、これ以外に同族の言語がない、孤立した言語である。これは島国で悠久の年月をかけて形成されたこと、つまり他の言語と交渉が少なかったからであろう。
しかし他の言語との交渉は皆無ではなく、上代においては百済から漢字を学び、はじめて文字を取り入れた際は、今の時代以上に日本語が外国語によって骨の髄まで冒されそうな危機を迎えたであろうし、明治以後および戦後は大量の洋語が入ってきた。しかし中国語から受けた影響はそれほど大きいものではなく、英語から受けた影響はさらに小さいといってよい。
また逆に、外国語へ日本語が与えた影響はさらに小さく、文明国の国語としては珍しいことである。
引用者注:島国ゆえに、言語が一変するほどの掠奪闘争を経験することなく(他国への侵略もほとんどなく)、悠久の年月をかけて他集団(他文化)を同化・吸収しながら日本語をはぐくんできた。そのような成り立ちだと言えそうです。
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では、このシリーズの目次を紹介しておきます。小泉保著『縄文語の発見』(1998年)を導きの糸にしています。「まえがき」に以下のように述べられている。

 これまで日本語史や系統論では、なぜか弥生時代の言語から日本語が始まり、縄文時代の言語は血のつながらない異質不明の言語と思い込んできた。
そのため系統論はいきなり日本語の祖先を特定しようとして、日本の北方に南方に親類縁者を探し求めてきたが、結局それらしい相手を見つけることができなかった。
 弥生語が縄文語を駆逐して、それに入れ替わったとする証拠は何もない。日本語の方言分布を念入りに調べていけば、必ずや縄文語の様相をとらえることができるであろう。

これまでの日本語の成り立ちに関する諸説を紹介した上で(これらは決着を見ないまま現在に及んでいる)、これら系統論諸説とは別の手法を使って具体的に縄文語を再現した仮説を紹介します。
2.二重層説1:南方語の上に北方語が積み重なってできたとする説
 村上七郎『日本語の誕生』(1979年)の紹介
3.二重層説2:北方語の上に南方語が積み重なってできたとする説
 川本崇雄は『南から来た日本語』(1978年)の紹介
4.多重説:4つの言語が流入して成立したとする説
 安本美典『日本語の誕生』(1978年)の紹介
5.国内形成論:縄文時代の言語から原日本語ともいうべき弥生語ができあがったとする説
服部四郎『日本語の系統』(1957年)の紹介
 以下は、5の路線を継承して、縄文語の方言の中に日本祖語の基底を掘り起こした、小泉保『縄文語の発見』より紹介。
6.縄文語の復元
 日本語の方言についての比較言語学的考察によって、本土縄文語(縄文時代後期)の姿を復元する
7.弥生語の成立
 形態や統語の面では大方縄文語の伝統を受け継ぎ、一部音韻を変化させた弥生語が成立した
8.縄文語の形成
 中期・前期縄文語を推定する。
ではお楽しみに~


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[1] 自然音を左脳で聞く日本語の凄さ: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=205053

[2] 漢字の高い造語能力は日本語だったからこそ、高度な思考を母国語で出来るのも日本語だからこそ: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=208167

[3] ここ: http://ameblo.jp/kwin/entry-10160720050.html

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