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性市場が都市全域に拡大したのは何故か?⇒近世欧州市場の特殊性

生体の淘汰を激化する必要性から、哺乳類は性闘争=縄張り闘争を著しく強化していった。
  
  
人類も、この性闘争エネルギーを活用して、市場化を急拡大してきたのです。
その始まりは、近世欧州に注目します。
るいネット「近世欧州において、性市場が都市全域に拡大したのはなぜか?」 [1]
を、紹介します。

200年に亙る十字軍遠征(掠奪)だけでも、持続的な市場拡大が実現されますが、近世欧州の特殊性は、その間に自我・私権への可能性収束が確立され、自我や性愛を正当化する芸術や思想が確立されたことにあります。その代表がルネッサンスです。
  
  
但し、ルネッサンスの中心都市ベネチアは、十字軍直前には既に大きな力(買収力)を形成し、その力で以って教皇に十字軍遠征を発令させています。 掠奪(十字軍遠征)以前に、それだけの力を商業都市ベネチアが持ち得たのは、何故か?

 ↓いつものポッチッとお願いします。
  
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近世欧州の特殊性をまとめると、

皆殺し→全て敵⇒架空観念に収束するが、正邪の羅針盤を喪失しているので『騙せば官軍』の世界に。
  
  
この力の原理に立脚する「騙せば勝ち」の構造を見抜き、それを布教戦略として成功したのがキリスト教。
  
  
欧州では中世~近世、教会が国家・国王をも上回る共認権力(→財力)を確立(アジアには無い構造)。
  
  
金貸しにとって絶対権力たる教会(法王etc.)は絶好の買収対象となり、教会の後ろ盾を得てベネチア・スイスetc.商業国家の独立、あるいは対イスラム十字軍遠征etc.次々と金貸しの思惑通りに事が進んでいく。
  
  
200年以上に亘る十字軍遠征により、富の大半を領有する貴族や騎士の大半が交易に関わり、商人(投機)貴族化した。その商業(私益収束)の拠点として、ベネチアetc.商業国家で金貸しに都合の良い法制・芸術・思想が生み出された。

  
  
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ベネチアのサン・マルコ寺院
  
  
十字軍直前に、教皇に十字軍遠征を発令させるだけの力を商業都市ベネチアが持ち得たのは、何故か?
  
  
それは、キリスト教ネットワークを金貸しが巧く活用して、キリスト教は中央集権を実現させ、金貸しは市場を拡大させて国家をも支配した。
  
  

つまり、欧州世界は、国家よりもキリスト教の共認社会(ネットワーク)が全域を制覇していた。そしてそのキリスト教ネットワークは、金貸しと表裏一体で供に拡大を続けて、市場拡大を実現して国家を支配する力をつけて行った。その代表が国家支配から独立して市場を制覇した商業都市のベネチアである。
  
  
<持続的な市場拡大の構造>

200年以上に亘る十字軍遠征=持続的な市場拡大
  
 ↓
   
自我・私権の拡大へと可能性収束=自我・私権収束のパラダイム確立と市場に都合の良い芸術・思想・法制の創出
  
 ↓
   
都市全域に(規範の解体→)性市場が拡大してゆくにつれて、第2弾の持続的な市場拡大
  
 ↓
   
その後アメリカ・アジアetc.巨大な掠奪対象が「発見」されたことにより、第3弾の持続的な市場拡大
  
★この持続的な市場拡大による自我・私権収束のパラダイムの確立こそ、市場の力>国家の力に転換させた力の正体である。
  
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つまり、自我・私権収束という意識潮流こそが、市場を拡大させ、市場の力が国家の力を上回った力の正体であり、源泉であるということです。

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映画「マリーアントワネット」より
  
  
「自我・私権収束の意識潮流」が市場拡大させた。
  
  
具体的には、国王や貴族たちの特権階級達は、過剰消費生活を満喫していたが、金儲けをした商人達(「市民」と呼んだ)も、宮廷サロンの過剰消費生活を望んだ。
  
  
しかし、キリスト教の古い禁欲的な教義が障害になる。だから、キリスト教の禁欲生活を否定して、人間を開放して自由に(性も)楽しめる文化を共認しだしたのが、ルネッサンスです。
  
  
それこそが、【「性市場」が都市全域に拡大】して行く始まりである。
  
  
このルネッサンスによる「自由」「愛」等の文化により、商人の女はより高級な装飾品を求めだし、「女」を獲得するために商人たちは更なる私権獲得を追い求め続けた。これは哺乳類の最大エネルギーである、性闘争=縄張り闘争を下敷きにしているので、強力なエネルギーである。
  
  
そして、都市は自我・私権(≒性的な男女の駆け引き)を求める女と男の憧れとなり輝き、私権獲得の夢をみる人々を引き寄せて拡大し続ける坩堝(ルツボ)と成った。

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