- 共同体社会と人類婚姻史 - http://bbs.jinruisi.net/blog -

中国人は性をどのようにとらえたのか

Posted By saah On 2011年4月2日 @ 10:00 AM In E 7 東南アジア | 6 Comments

古代東洋文明の先端を走っていた古代中国。
西洋とは何かと比較されますが、西欧は「性を罪悪ととらえる文化である」http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/03/000965.html [1]http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/03/000969.html#more [2]のに対し、中国ではいったいどうだったのでしょうか。
古代中国の文化・歴史の研究者でもあるオランダ人、ロバート・ファン・ヒューリック(末尾参照)の書いた「古代中国の性生活」では、古代中国と西洋との性生活の違いがみてとれます。その内容を要約・紹介したサイトがあったので、その抜粋により、まずは古代中国の性がどの様なものだったのか、概要を把握してみたいと思います。
いつものように、応援よろしくお願いします。
[3]
           %E5%8F%A4%E4%BB%A3%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%80%A7%E7%94%9F%E6%B4%BB.jpg [4]


以下、引用部分は、「憂愁書架 [5]」からの抜粋です。
■古代中国の婚姻

古代中国では西洋ほど支配階級と非支配階級の差はなかったようです。どちらの結婚も族外結婚が厳密に守られ、特に上流階級では同姓との結婚は禁じられていました
下層階級の結婚は「奔」といわれ、遭遇を意味するこの言葉は村の祭りでの偶然の出会いから結婚に発展することが多いことを教えています。上流階級の結婚は「婚」と呼ばれ、黄昏(たそがれ)を意味するこの謎めいた言葉は、儀式や床入りが夕方すぎに行われることを示唆しているのかも知れません。
張衡の詩はむろん裕福な家庭について詠んだもので、このクラスの結婚はほとんど仲人が取り持ちます。仲人は親族関係、財産、花嫁の身持ちなどを慎重に調べて婚約を組み立てます。どちらかに不満があると流血の事態に発展しかねません。花婿はあひるを持って花嫁の家を訪れ(なぜあひるなのかは解明されていません)、花嫁を連れて今度は自分の両親に紹介します。花嫁は三日後に一度実家に戻り、それ以後は決して実家に帰ることはできません。
基本的に大人数で構成される中国の家庭に、全くひとりぼっちの花嫁が放り込まれるのですが、夫は両親および祖父母への服従が当然とされて、決して花嫁の肩を持つことはありません。しかし、二度と実家に戻れない、ということはそれゆえに周囲のやさしい心づかいを誘うようです。悲劇に陥ることもまれにあるが、大体は順調に新しい世界に馴染んでいき、もし男子を出産すれば、妻の座は揺るがぬものとなります

この頃はすでに支配階級も被支配階級も、嫁入り婚であることが伺われます。
しかし、自由婚ではなく、仲人が取り持つ、家同士の合意による婚姻だったようです。また、厳密に族外婚が規定されており、同姓婚の禁止など、近親婚の禁止はこの頃から規範として成立していたようです。
さらに、跡継ぎである男子を産んだ後の妻の地位が揺るがぬものになるということは、それだけ後継者を生むという課題が、婚姻における女性への大きな期待であることが伺えます。
            %E8%A5%BF%E6%96%BD.jpg [6]
(画像はコチラ [7]よりお借りしました)
■夫婦の性生活

 さて、閨房に入ってみましょう。中国の寝台はゆうに小部屋ほどの広さがあり、その上に鏡台、化粧道具入れ、着物掛けなどが置かれ、四方から帳をおろすことができます。閨房の外では夫と妻の肉体的接触は禁じられており、また妻は完全に夫に従属すべきものとされていますが、閨房に入ると立場は逆転します。妻は夫を導き、夫は妻を性的に満足させる義務を負います。(五日に一度の交わりが義務づけられ、七十歳になるとはじめてその義務から解放され、夫婦は同じ箪笥に衣類をしまうことができます)夫婦の性生活は祖先を敬うと同様神聖な儀式であり、それゆえ秘め事とされます。
全般的に考えて、中国では病的な異常性や倒錯が少なく、西欧に比べて健全であり得たのは、性行為の神聖さの認識によるものであろうとフーリックは書いています。性は罪であり、女性もまた罪人である、という思想ほど中国に無縁のものはありません。男が女より上なのは、天が地より上と同じことで、質的に優っているからではありません。古代中国が性的抑圧を可能な限り抑えられたとしたら、この男と女の調和の微妙なバランスが作用したに違いありません。

このように、古代中国における性とは「神聖な儀式」であり、「祖先を敬う行為と同等」
また、男女は平等であり、どちらが上でもどちらが下でもなく、互いが互いを思いやるといった思想が見てとれます。
これは儒教の影響が強く影響していると思われますが、恐らくフーリックの著に書き記されている時代は、この儒教成立以降のものと思われます。
             %E5%84%92%E6%95%99.jpg [8]
(画像はコチラ [9]よりお借りしました)
■中国人の性に対する考え方が中国文明を永らえさせたhttp://saiki.cocolog-nifty.com/shoka/2006/10/post_b897.html [10]

他の大文明は滅びたのになぜ中国文明だけが生き残ったのか、この謎にフーリックは男性原理と女性原理の均衡と調和にあると断言します。
男性の陽と女性の陰が同じ力で溶け合ったとき、神秘的で永続的な力が発揮されます。儒教徒にとっては子孫を生み、そうすることで自らが祭られ永遠の生命を得ること、道教徒にとっては限りない女性のエキスを男性が受けることによって此の世の長生を得ることが約束されるのです。
手引書は常に調和について言及します。男性の快楽と健康(性は健康の源であるといわれています)は女性の快楽と健康に依存し、また索引もするのです。よって、性行為の際は男女ともに相手の気分の変化を読み取ることができねばならず、まず「和志」(気分を調和させる)に始まって、「臨御」(予備のたわむれ)「五微」(女性の五つの徴候)、「四至」(男根の四つの状態)「九気」(女性の九つの気分)などと進んでいきます。
秘技として紹介されるのは「九浅一深の法」などですが、なにより基本の複数の形を飽きずに組み合わせて用いることが肝要とされます。古代中国において何より特異なのは留保性交の奨励でしょう。男性は射精せずに精力を蓄えるのをよしとします。これはまず一夫多妻制により一晩に複数の女性を相手にしなければならないという必要もあるのですが、なにより女性の陰は無尽蔵にあるが、男性の陽は限られているという考えに拠っているのです。

%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%80%A7%E7%94%9F%E6%B4%BB%EF%BC%88%E3%81%91%E3%81%84%E3%81%BC%E3%81%86%EF%BC%89.jpg [11]
(画像はコチラ [12]よりお借りしました)
以上を見ると、中国の性に対する考え方は西洋の性の罪悪視とは正反対のように見えます。
男性原理と女性原理の調和
性は子孫繁栄の為の大切な行為
性は長生きの秘訣
そして、互いに相手の心を気遣うことの重要性。

これら全てが男女の性に凝縮されていると言えるのではないでしょうか。
上記についての個々の詳細内容や、性の肯定視は本当なのか、現代の中国にはどのように繋がっているのかなど、詳細は次回以降見て行きたいと思います。
※ロバート・ファン・ヒューリック(ウィキペディア [13]
1910年8月9日 – 1967年11月24日)は、オランダの外交官、中国学者、推理小説家。ヴァン・グーリック、ファン・フーリク、ファン・フーリック等の表記もある。中国名は「高羅佩」。
オランダ人外交官であり、日本をはじめアメリカ、レバノン、マレーシアなどの各地を転々とします。日本には1938年に書記官として、また1964年に大使として来日しており、その後亡くなるまで日本に滞在する。
 その一方で大学では中国文学の博士号を取得しており、もともと中国の文学・歴史を研究していた。
http://www.aga-search.com/220rhvangulik.html [14]


Article printed from 共同体社会と人類婚姻史: http://bbs.jinruisi.net/blog

URL to article: http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/04/972.html

URLs in this post:

[1] http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/03/000965.html: http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/03/000965.html

[2] http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/03/000969.html#more: http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/03/000969.html#more

[3] Image: http://bbs.jinruisi.net/blog" target=

[4] Image: http://bbs.jinruisi.net/blog/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%80%A7%E7%94%9F%E6%B4%BB.jpg

[5] 憂愁書架: http://saiki.cocolog-nifty.com/shoka/2006/10/post_96a6.html

[6] Image: http://bbs.jinruisi.net/blog/%E8%A5%BF%E6%96%BD.jpg

[7] コチラ: http://www.chinfor.com/modules/webdoc1/content0071.html

[8] Image: http://bbs.jinruisi.net/blog/%E5%84%92%E6%95%99.jpg

[9] コチラ: http://ameblo.jp/glucosamine/archive1-201003.html

[10] http://saiki.cocolog-nifty.com/shoka/2006/10/post_b897.html: http://saiki.cocolog-nifty.com/shoka/2006/10/post_b897.html

[11] Image: http://bbs.jinruisi.net/blog/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%80%A7%E7%94%9F%E6%B4%BB%EF%BC%88%E3%81%91%E3%81%84%E3%81%BC%E3%81%86%EF%BC%89.jpg

[12] コチラ: http://health.sohu.com/20070501/n248542407.shtml

[13] ウィキペディア: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF

[14] http://www.aga-search.com/220rhvangulik.html: http://www.aga-search.com/220rhvangulik.html

Copyright © 2013 共同体社会と人類婚姻史. All rights reserved.