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◆「アジア諸国の民族の実態」①【マレーシア】

■「アジア諸国の民族の実態」
社会の根幹制度に婚姻制度があるとの認識から,民族及び社会を分析する際には,婚姻制度も必ず押さえながら理解を進めるべきであると考えています。よって本ブロクでは,日本の婚姻史,欧米の婚姻史,さらには,欧米先端の婚姻制度はどうなっているのかを調べてきました。
また、今後の影響力の大きい「中国」を理解するためにも,中国の歴史,婚姻史も調べ始めています。
しかし,中国は「中華文化」を持ったわがままな相手で,日本単独での対処は難しそうです。よって,今後はアジア諸国との協調を持って中国との対峙関係を模索していく必要性を感じています。
ところが、私たちは思った以上に,「アジア諸国」を知らないことに気がつきました。
今後日本と協調していけるアジア諸国はどこなのか? 民族性は? 信頼性は?など
アジア主要国を、シリーズとして調べて行きたいと思います。ご期待ください。
◆「アジア諸国の民族の実態」①【マレーシア】です。
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写真は「マレーシアガイド」さんからお借りしました
◎基礎情報
①人口:2300万人強
②民族:多民族国家で,マレー系54%、華人26%、インド人8%、その他ボルネオの先住民等12%
③国教:イスラム教
④国王:立憲君主制で、国王が元首になります
⑤独立:ポルトガル,オランダ,イギリスの植民地,日本の占領下⇒イギリス連邦国の一員から独立
⑥立地:マレーシア半島とボルネオ島の一部他からなる。


◆人 種
列柱社会:マレーシアは、人口の6割をマレー系、3割を華人系、1割をインド系が居住する国家である。居住の形態は、伝統的にはそれぞれのエスニシティが集団で居住する形式をとっていた経緯があり、また政治の支持基盤も民族毎であるという特色がある。
多民族国家であるが,融合しない特殊な状況である。つまり,英国が植民地経営の都合で中国人やインド人の移民を勝手に連れてきて,住む場所も区分けした為に,各々の文化で生活して同化しなかった。その結果,多民族国家であるが融合,混合でなく,複合した状況である。そして,エリア,仕事が分化されて,所得水準も異なる。
       <比率>   <平均所得>     <主たるエリアと仕事>
・マレー人   65%   2,711リンギ    田舎の水田工作
・華人     25%   4,437リンギ    都心で商人
・インド人    8%   3,456リンギ    ゴム農園
◆歴史ダイジェスト紀元前後   マレー半島を港と中心とした都市国家。インド文化伝達
3世紀    カンボジアのフーナン国の支配下に
7世紀    マラッカ海峡を通過する「海のシルクロード」が形成
10世紀   スリヴィジャヤ王国がマラッカ解消貿易として大海洋国家
14~5世紀 マラッカ王国は香辛料貿易で発展
13世紀   マラッカ王国はイスラム国家に→イスラム商人の流入
1511年  ポルトガル支配下に
1641年  オランダのマラッカ占領
1819年  イギリスのシンガポール獲得
       ゴム,錫の輸出で大量中国人移民。英国はインド人をマレー半島に移民
1941年  日本軍がマレー半島を占領
1957年  マラヤ連邦はイギリス連邦の一国として独立
1963年  マレーシア建国→マレー人の優遇政策→中国人(シンガポール)の反発
1965年  シンガポールが分離独立
◆経 済
イギリスの植民地時代からのゴムのプランテーションや錫の採掘、天然ガスの掘削など、特定の農作物や鉱物の生産が盛んであった。
マハティール・ビン・モハマド元首相の指導の下、従来の農作物や鉱産物の輸出、観光業に依存した体質からの脱却を果たし、2020年に先進国入りするとの目標「ワワサン(マレー語でvisionの意)2020」を掲げた。特に1980年代後半から1997年半ばのアジア経済危機の前までは、年平均8%以上の高い経済成長率を記録した。
多くの東南アジア諸国が経済成長に苦戦する中で、マレーシアは約170年間植民地支配されていたにも関わらず日本や韓国を手本に工業化と経済成長を達成した事で、シンガポールと共に『東南アジアの優等生』と呼ばれている。
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クアラルンプールはマレーシアの首都で、東南アジア有数の世界都市である。
「ウキペディア」から写真をお借りしました
◆結 婚
・イスラム文化による男女関係です。10代の若者の男女交際は,難しい。建前上は結婚前の性交渉はすべきでないとの社会通念が強い。ムスリム(イスラム教徒)の場合は、建前でなくムスリムとしてそれはしていけないのです、つまり宗教上の罪になります。
・非ムスリムとムスリムの間で結婚は出来ません。非ムスリムは結婚前に必ずイスラム教に入信しなければなりません。これは絶対条件で、法律上許されませんし認められません。
・イスラム教により男性は4人まで妻を持てることになっています。2000年前後に州によって細かい法規を設定しています。しかし、実際に多妻の人は少ない。
◆国際関係
元来が貿易立国である為に八方美人的に多数の国家と付き合う傾向があると思われる。国際関係旧宗主国のイギリスや、日本、オーストラリアなどと貿易を通じて密接な関係を持つ。
隣国であるタイ王国やシンガポール、インドネシアなどのASEAN諸国とも密接な関係を持っている。近年は、中国・韓国との関係も強化している。また、イスラーム教国であることから中東諸国との結びつきが強い。なお、現在もイギリス連邦の一員である。
◆対日関係
対日関係については、日本,韓国の発展に続けと「ルックイースト政策」を掲げてマハティール政権、それを継承したアブドラ政権の下で緊密な関係が維持されてきた。
マレーシアの大学には日本への留学生向けの日本語コースが設けられ、30年以上続けられている。近年は日本語コースの定員割れが起きている。理由として、中国が経済的に台頭し、日本に対する関心が薄れ,中国に関心,関係が深くなってきている。
◆人口政策
人口爆発に悩む国が多い中でマレ-シアの人口増加政策はユニ-クである。人口爆発を防ぎ人口抑制を図る後進国・中進国が多い中で,マレ-シアでは人口増計画を意図している。
1982年マハティ-ル首相7千万人口構想を発表した。当時1400万人の人口を7000万人まで増やそうというものである。
84年にはその具体策として”子供5人政策”を打ち出した。5人目の子供にまで出産手当を支給し税金の控除も子供が増えるとともに一人あたりの控除額が増えるシステムに改めた。人口増加政策が採られるようにマレ-シアは人口密度で日本やジャワ島と比べると余裕があるように見える。
◆まとめ
・世界一の貿易港で立国してきたので,経済的に比較的に豊かで全方位外交。
・親日で付き合いやすい国民。だが今や,中国や韓国に傾斜し始めている。
・アジアのイスラム教の中心国(世界の重心が欧米からアジアに移行する上で重要)
・華僑が経済を握る(中国を制御するのに,華僑の存在は役立つかも)
・男女関係は,イスラムの性規範(決して女身分が低いわけではない。)
 ⇒関係深化することは重要な対象の国家だと言える。
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※上記内容発議にサイトから参考,転用させていただいています。
「ウキペディア」「初心者のためのマレーシアに関する100の質問」「アジアの言葉の研究 アジアの言葉を丸かじり」など

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