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【人類婚姻史を構造化する】6~性の需給アンバランスが集団婚を解体へ導く~

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画像はこちら [1]からお借りしました。
婚姻史ブログの私たちグループでは,婚姻形態の追求を行っています
その中で人類の婚姻様式を規定するのは「みんなの最大期待⇒集団や社会の統合軸」であるを軸に人類婚姻史の構造化を展開中です 😀
今回は前回の【人類婚姻史を構造化する】5~交叉婚:単位集団から集団外への充足対象の拡大 [2]に引き続き、採集部族集団の婚姻様式が外圧の変化、集団の期待と共にどう変わっていくのか?そして現在の私権時代の固定一対婚とどのように繋がるのか?あるいは繋がらないのか?を追求し、採集部族集団の婚姻様式を締めくくりたいと想います。
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ありがとうございます
まずは、これまでの記事を再整理する前に今回の追及の前提である人類の婚姻様式を規定するのは「みんなの最大期待⇒集団や社会の統合軸」であるの根拠からおさらいしていきます。

11/27なんでや劇場2 人類の婚姻制もみんなの最大期待(⇒統合軸)によって規定される [3]より引用します。
原始時代(極限時代)の婚姻制は首雄集中婚だったかどうかは、未だ確定していないが、採集生産時代は、豊かな採集部族は群婚(グループ婚)制となり、自然圧力が厳しい狩猟部族は、首雄=族長という資格を一段下に拡張して頭数を増やした勇士集中婚を形成した。そして私権時代は一対婚である。
このように、人類の婚姻制度は各時代ごとにめまぐるしく変わっているが、人類の婚姻制を規定しているのは何なのか?
採集部族の群婚制、狩猟部族の勇士婚だけを見ると、婚姻制度も生産様式によって規定されているかのように見えるが、その見方は本当に正しいのか?
例えば、一対婚は農業生産という生産様式に規定されたものだったのか?
農業生産だから一対婚になるという論理は繋がっていないし、実際、農業生産の時代でも日本の夜這い婚など、一対婚ではない事例もある。
私権時代は万人が私権第一であるが故に一対婚になった。つまり、私権獲得というみんな期待⇒私権統合という社会の統合様式に規定されて一対婚になったと考えた方が整合する。
つまり、婚姻制を規定するのも、みんなの最大期待⇒集団や社会の統合軸なのである

それでは過去記事からこれまでの流れを再整理していきます

【人類婚姻史を構造化する】2~極限時代の婚姻様式は男ボスを中心にした首雄集中婚ではない!?~ [4]
【人類婚姻史を構造化する】3~極限時代の婚姻様式「チャネリングセックス」とは!?~ [5]
◆安全な楽園だった樹上世界から落ちた人類は,極限的な自然外圧下で,まさに生きるか死ぬかの限界状況になります。そのため,仲間は性や踊りで充足し恐怖を克服しようとします。
全員婚=共時婚でチャネリングセックス(みんなの気持ちが一体となるSEX)
極限時代のみんなの最大期待は精霊信仰、共認充足である。したがって霊感能力の最も高い婆さんがリーダーとなり、みんなが充足する統合様式、婚姻様式であるチャネリングセックスを土台にした全員婚(=共時婚)となった。
∵チャネリングSEXでは意識の持ち様で何にでも同化することが可能。極限時代は、チャネリングSEXによる性的エクスタシーを媒介にして全員が宇宙に意識を向け、宇宙との交信を試みたのではないでしょうか。

【人類婚姻史を構造化する】4~採取生産時代の婚姻と近親婚のタブー~ [6]
【人類婚姻史を構造化する】5~交叉婚:単位集団から集団外への充足対象の拡大 [2]
◆その後,生産力(弓矢,道具の発達)が上昇して氏族集団が大きくなり分裂が始まります。周辺の分裂した集団と,争わないようにする関係作りが大きな課題となります。
交叉婚=族内の他の氏族と性を交換する。
集団規模の拡大→集団数の増加に伴って、“集団を超えた統合(=充足)期待が、交叉婚を編み出した”と考えることが出来ると思います。
ポリネシアのタヒチ島に,始めて上陸したスペイン人に,喜んで妻や娘を提供するタヒチ人たちは,性が和合の世界,争いの無い充足仲間関係作りであるという文化を継承していたのだと思います。

ここまでが前回までのおさらいです。
それでは本題に入ります。
今回追求するのはココです
  
[7]
採集部族集団の婚姻様式は、単位集団を超えた集団外との交叉婚からどのように変化していったのでしょうか?
それではまず、当時の外圧状況とその状況における集団の最大期待は何だったのか?を軸に見ていきます。
●採集部族の交叉婚から男集団婚へ
交叉婚の時と同様に採集物が豊かで食料には困らない状況で、女たちの採集物が主要な食料になった→女の従役△、性役にかける比重▼
       ↓
男の生産圧力=闘争圧力▼→発散欠乏△→性欠乏△
       ↓
性の需要、供給にアンバランスが生じる→女の性的商品価値△
       ↓↓
     婚資の発生
       ↓
集団の安定期待から、集団への蓄財意識△
→集団同士で婚姻関係を結ぶよりも男集団に対して女を切り売りする方がより婚資が入ってくる
       ↓
女集団を解体した男集団婚へ
 
 
 
●採集部族の男集団婚から個人婚(短期一対婚)へ
更に女の性的商品価値△→女による男の選択
       ↓
   男集団解体
       ↓↓
個人婚(短期一対婚)
ポイントはこれまでの集団対集団の婚姻様式から個人対個人の婚姻様式になったこと。しかし、私権時代の固定一対婚とは全く様相が異なります。なぜなら採集部族集団は男・女集団はそれぞれ解体されたものの、集団の安定という集団期待が根底にある為、私権でしか統合できない私権時代の固定一対婚とは集団の統合様式が全く異なるのです
これまでの採集部族集団の婚姻様式を追及した結論として、集団の期待が「集団の安定という集団課題に貫かれた集団」からは、例え個人対個人になっても私権時代の固定一対婚制とはならない!(私権が崩壊し、一対婚が固定的でなくなってきた現代社会はどことなく採集時代の個人婚に近いのかもしれませんね)
次回からは北方系狩猟部族の統合様式=婚姻様式を当時の外圧状況から集団の最大期待は何だったのか?を軸に追求していきます
お楽しみに

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