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【共同体社会の原点(集団)を追求する】1~原初生物は群れ(集団)そのものが生命体だった~

みなさんこんには。
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【共同体社会の原点(集団)を追求する】シリーズの第1弾です。プロローグ [2]にあるように、「共同体社会の構成単位=原点となる集団が、なぜ家庭や地域ではなく企業なのか」を明らかにするため、そもそも集団とは何か?集団はどのように形成されてきたのか?について、人類史を生物史まで遡って追求していきます。
今回は、原初の生物である原核単細胞生物~真核単細胞生物に焦点を当ててみようと思います。
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●細菌の共同体「バイオフィルム」
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原核単細胞生物がどんな形で生存しているのかを知る上で参考になるものとして「バイオフィルム」というものがあります。原核単細胞生物である細菌は、その言葉のイメージから、一匹一匹が単独で生存しており、他の個体とは関わりがないというような印象がありますが、自然界の細菌のほとんどは「バイオフィルム」に集まって生息していることがわかっています。
バイオフィルムとは、自然界の至る所にごく普通に見られる現象で、水まわりのヌメリ、配管内のヌメリの他に歯に付く歯垢などがそれです。
そこには複数種類の細菌が集まって共存しており、他種類の細菌同士でお互いに代謝産物やエネルギー、情報のやりとりをしていて、遺伝子の交換もしているとのこと。これにより単独の細菌にはない機能を生み出すことができ、多種多様な環境変化に対応しているようです。
バイオフィルム内では、細菌同士や細菌が接している面と細菌をネバネバした物質で繋がっています。このネバネバした物質は、細胞外マトリクスと呼ばれており、水分を除くと主に多糖類、脂質、タンパク質、核酸から構成されているようです。納豆のネバネバも納豆菌が生産した細胞外マトリクスの一種のようです。
多細胞生物においては、この細胞外マトリクスが細胞同士を接着させるために必要不可欠であることを考えると、バイオフィルムの細胞外マトリクスとは、その原型になっているのかもしれません。多細胞化とは、そのコロニーを自然的な飽和点で分解・拡散しないように接着拡大していった単細胞生物群である。 [4]
不完全な原始細胞が多数集合して代謝産物やエネルギーを交換するだけでなく、遺伝子まで交換しているとすれば、もはやそれぞれの細菌個体としての存在は無いに等しく、群れとして集まった形になって初めて生命体としての存在といえるのではないでしょうか。
つまり、様々な異なる機能を持って互いに補い合う原始細胞の集団そのものが1つの生物体であるという見方ができると思います。
しかも、外圧の変化に対して変異することで適応するという「変異」の重み付けが強かったのではないでしょうか。
(参考)
ブログ「生物史から、自然の摂理を読み解く」
微生物から学ぶ生命の摂理 ~生命はその始原から共同体として存在してきた?~ [5]
原始生命と群れ【仮説】 [6]
立襟べん毛虫から襟細胞への進化過程 [4]
HP「理科好き子供の広場」
第73話 集団生活をする細菌たち [7]
●真核単細胞生物への進化
[8]
それまでの生物は、窒素や硫黄を主なエネルギー源にしており、酸素や光は有害なものでした。しかし酸素生物「好気性細菌」や光合成生物「シアノバクテリア」といった生物の登場により、地球上の酸素が大量に増加しました。
この逆境に対して、ここでも「共生」という方針で適応しています。まず、有害である酸素生物や光合成生物を捕食作用によって体内に取り込み、葉緑体を形成して酸素を生成することに成功しました。また酸素呼吸によりエネルギーを作り出すミトコンドリアを形成して、エネルギーの生成が可能になったことでより大型化してより安定的に生存が可能な形に進化しました。また核膜を形成したことで、DNAの遺伝子情報安定化と高度化を図ったことも真核単細胞生物の特徴です。
(参考)
ブログ「ブログ de なんで屋 @東京」
9/30なんでや劇場レポート①『真核単細胞生物に進化したのはなんで?』 [9]
●多細胞生物以上に多様な真核単細胞生物の群生
真核単細胞生物に進化したからといっても、やはり個体だけでは外部環境の変化に適応することができません。
群生、群体として集合することで、個体では実現できない多様な機能を作り出して適応している生物の驚くべき事例を紹介します。
○珪藻
珪藻はさまざまな群体を形成します。その理由として、
①浮遊しやすくするために糸状や板状の形をとって水の抵抗を大きくする。
②より多くの光を求めようとするために、より高いところへ細胞をもっていこうとする。
等と言われています。
    [10]       [11]    [12]    [13]
 <連鎖状群体>         <ジグザグ状群体>         <星状群体>     <いかだ状群体>
(画像はこちらのサイトからお借りしました。)
HP「淡水珪藻画像集」
珪藻入門6.群体 [14]
○カサノリ(これが単細胞生物!?)
沖縄の浅い海に、英名で“マーメイドワイングラス(人魚のワイングラス)”と呼ばれる可憐な海藻をみることができます。カサノリは夏に休眠し、生育に適した冬になると芽を出します。それと同じように、周囲の環境が悪化した場合、珊瑚礫の中に穿孔したカサノリの種は、適した環境になるまで何年間でも眠り続けることができるそうです。
[15]   [16]
(画像はこちらのサイトからお借りしました。)
HP「BioWeather service」
人魚のワイングラス ~カサノリ~ [17]
○粘菌(まるでマンガの世界のよう)
この粘菌は、普段は単細胞生物として活動しているが、周囲に餌となる細菌が少なくなると、数万~数十万の個体が集合。ナメクジ状の形になって別の場所に移動し、子孫となる胞子を作る。この際、粘菌は食べ残した周囲の細菌を体内に取り込み、胞子を拡散させる時に細菌も一緒にばらまいていることが分かったそうです。
 
無菌状態の培養皿で調べたところ、細菌は胞子の周辺で増殖。胞子から生まれた粘菌はこの細菌を食べて成長することができたとのこと。収穫物である細菌の一部を「種」として残しておいて生産にまわすことから、研究グループは「原始的な農業」とみなしているようです。
    [18]
         <これが農業をするという噂の粘菌>
他に、こんな形で生存しているのもいます。これも単細胞生物の群体なんです。
    [19]    [20]
          <ススホコリ>                 <マメホコリ>
(画像はこちらのサイトからお借りしました。)
ブログ「(*゚∀゚)ゞカガクニュース隊」
粘菌が「農業」? 餌の細菌が少なくなると栽培 [21]
HP「MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery」
変形菌(粘菌) [22]
●生物が群れるのはなんで?
最初の生命あるいは細胞は不完全かつ極めて未熟であり、外部環境に適応する機能が確立していなかったはずです。恐らく最初の細胞は、細胞膜の中にわずかのDNA断片を持ち、今の生物が行う代謝過程のごく一部分の機能しか持たないようなものだったかも知れません。そのような一部分かつお互いに少しずつ異なる機能を持つ細胞が多数集合して、全体で代謝機能を補い合う形になったものが、最初の生物だったと考えられます。また原核単細胞生物は、細胞分裂による無性生殖でしか増えることができないことから考えると、外圧の変化に対して個体で適応することはほぼ不可能であった可能性が高いです。
生物が生存する外部環境の変化に対して、まず原核単細胞生物の段階では、群れることで遺伝子の交換を行い、生物群体として「変異」を可能にして適応しました。次に真核単細胞生物の段階になって、機能の異なる細胞が一つの細胞膜内で共生する形になったことで、ここでも群れることが「安定」的な生存を可能にしていると考えられます。
しかし、変異と安定は矛盾します。遺伝子の交換を行っている原核単細胞生物は、「個体」という概念は無いに等しく、生命体=共同体といえますが、個体としての安定度を高めるように進化した真核単細胞生物は、逆に遺伝子の変異可能性が小さくなったといえます。
真核単細胞生物以降、遺伝子変異の可能性をどのように実現したのか?
この部分については次回以降追求していきます。お楽しみに~

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