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10/14実現塾「サル・人類史年表4」~共認充足を命綱にして生き延びたカタワのサル=人類

引き続き、10/14実現塾「サル・人類史年表」の議事録要約版を投稿します。
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大型化・凶暴化した制覇種が類人猿だが、同類闘争圧力が衰弱した特殊環境に棲息するチンパンジーの亜種ボノボでは、凶暴性は影を潜め、性充足(共認充足)によって統合されている。では、人類はどうであったのか?

人類の起源説の一つに、アフリカ東部の草原説がある。アフリカ東部の大地溝帯両側の山脈が隆起して大西洋からの湿った風を遮った結果、乾燥によって森林が減退し草原化した。類人猿は大地を歩かざるを得なくなって直立二足歩行を身に付け、完全に空いた手は道具を扱うようになったから脳が発達して現在の人類が誕生したという説である。この説はあたかも真実であるかのように流布されてきたが、近年、全くの嘘であったことが明らかになり、提唱者(イブ・コパン)自身が撤回宣言を出している。

大地溝帯が本格的に隆起したのは400万年前で、500万年前に人類が登場した、その後の話である。しかも、それによってアフリカ東部はそれほど乾燥化したわけでもなく、森林は十分あったとのこと。そして決定打は、アフリカ西部のチャドから二足歩行する上に600-700万年前のトューマイ猿人の化石が発見されたこと。このトューマイ猿人が棲息していた環境は「魚やワニの化石」が残っている事からして、湿潤な環境だったと考えられる。「直立二足歩行する人類の発祥、有名な仮説が崩れていた」 [1]

人類は足の指が先祖返りして、それ以前の獣たちと同様、足で枝を掴むことが出来なくなったカタワのサルである。樹上に棲めるという本能上の武器を失った結果、人類は想像を絶する様な過酷な自然圧力・外敵圧力に直面した。そこで、本能上の武器を失った人類は、残された共認機能を唯一の武器として、自然圧力・外敵圧力に対応し、そうすることによって、共認機能(≒知能)を更に著しく発達させた。
『実現論前史』「人類:極限時代の観念機能」 [2]

学者は先の草原直立説だけでなく、洞窟内からマンモスの骨が出土することを以て原始人類がマンモス狩りをしていただとか嘘を並べ立てているが、彼らは原始人類が置かれた極限状況を全く理解していない。草原になったからと云って、樹上という楽園を捨て、好き好んで危険な草原に出てゆくはずがない。森林の移動に合わせて移動すれば終いである。このように、草原化したから二足歩行になったという学者の論理は全く整合していない。
人類が地上に棲むようになったのは、突然変異によって樹上機能を失ったからだと考えるしかない。樹上機能を失った人類は、キツネなどの小動物にも負ける弱い存在なのであって、マンモスのような大型動物を狩れるはずがない。もし、それだけの力があれば、他の動物も棲まない劣悪な環境である洞窟に500万年間も隠れ棲むはずがないだろう。洞窟から動物の骨が出土するのは、他の動物が喰い残した動物の死骸の骨を拾い集めて、脳髄や骨髄を主食として啜っていたからに他ならない。

では、人類はどのようにして圧倒的な極限状況を突破しようとしたのか?

本能上の武器を失った人類は、残された共認機能を唯一の武器として、自然圧力・外敵圧力に対応し、そうすることによって、共認機能(≒知能)を更に著しく発達させた。 もちろん、共認機能の発達によってすぐさま、他の動物と互角に闘えるようになったわけではない。が、絶望的な状況下に置かれたカタワのサル=人類が、その極限時代500万年間を生き延びることが出来たのは、強力な親和共認充足を形成し得たからであり、もしそれがなければ、人類は生きる希望を失って早々に絶滅していたであろう。
その充足源(活力源)の中心が性であり、とりわけ人類の雌は性充足機能を著しく進化させている。もう一つ、日々の充足源となったのが踊り(祭り)である。その副産物として、左右交互に足を踏み鳴らす踊りが歩行訓練にもなり、結果として直立歩行できるようになったのである。そして、直立によって両手が自由に使えることになった人類は、石器をはじめとして様々な道具類を作り出し、生存様式を進化させていったのである。

このように、共認充足を命綱として極限状況を生き延びてきた人類は、類人猿由来の凶暴性を封鎖したと考えられる。加えて、極限状況ゆえに人類は単独集団として生存しており、人類史500万年のうち499万年は同類闘争を行っていない。つまり、DNAに刻印された凶暴性を発現する契機はなかった。

もちろん、共認充足機能を強化しただけでは、外敵動物と互角には闘えない。実際、つい1.5万年前までは人類は洞窟に隠れ棲んでいた。
では、原始人類はどのようにして、極限的な生存圧力に適応していったのか?

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