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私権社会から本源社会への大転換、その本流は教育革命

◆「仕方なく生きている」子ども達
生きる意欲を失った若者たちが増えている、という話を聞いたのは2015年の暮れだったろうか。
勉強はもちろん、部活にも、仲間づきあいにも意欲が湧かず、何の為に生きているのか分からないまま「仕方なく生きている」子ども達。

かつて1970年代には三無主義の若者が登場した。
貧困の克服~私権獲得を活力源にしていたが、70年の豊かさ実現により根底の私権活力自体が衰弱、生きる課題を失ったからだ。
それまでの時代を牽引し、学生運動も後押ししていた(全てを否定する)近代思想も、豊かさ実現により否定対象を失い、思想自体が輝きを失い、意味を持たなくなった。

 

◆囲い込む母親
しかし、無気力・無関心・無責任の三無主義世代の若者も抗えなかったのは、その頃から急速に増してくる受験戦争による勉強圧力であった。豊かさ実現は、同時に村落共同体の消滅と核家族化への移行を意味する。核家族における家庭の課題はといえば旦那の出世と子どもの成長だけだ。とりわけ母親の生きがいは子どもが全て、子どもの出来不出来が母親の評価を決する。かくして母親の囲い込みから勉強圧力がのしかかり受験熱が過熱していく。この構造は今現在も続いている。

 

◆役に立たない勉強を強いる学校
当然のように学校もまた、試験の点数を取るためだけの勉強を強い、予備校化していく。
明けても暮れてもテスト、テスト、、受験の結果が学校の評価を決するからだ。
お題目の「生きる力」の獲得とは裏腹に、暗記することが勉強となり、思考力は衰弱するばかり。
かくして思考停止の若者が大量生産されていく。当然、実社会では使い物にならない。

 

◆悲鳴をあげる子ども達
豊かさを実現した70年に、すでに私権活力は衰弱に向かっている。

しかし、Q:「いい生活→いい大学」という目標が、子供の勉強意欲に繋がると思いますか?、Q:大学を出れば、安定した生活が送れると思いますか? という世論調査(リンク [1])に、当然のようにネット調査では9割以上が否定しているのに対し、聞き取り調査では一定数の賛同者がいるように、これは実社会の現実を知らない母親か、母親の刷り込みだろうか。

根底の私権活力は衰弱しているにも拘らず、勉強すればいい生活が待っているという幻想だけを刷り込まれ、やりたくもない勉強を仕方なく続けてきた子ども達。バブルもはじけた90年代には「自分探し」がブームとなり、00年代には「やりたいことが見つからない」若者が増え、とりあえずの安定志向~資格取得がブームになったが、ここにきてついに限界に達し、「仕方なく生きる」子供たちが登場した。
契機となったのは11年の福島原発事故、12年の不正選挙。
お上とエリートによる事実隠ぺい、不正工作は身分序列と学歴信仰に終止符を打つには充分な出来事だった。

 

◆社会の全面的な活力低下
「仕方なく生きている」のは何も子ども達ばかりではない。
さかのぼれば三無主義の世代(今で言う50代)まで、同じような状況かもしれない。
自ら主体的に考えること、追求することをせず、ただ教科書に書いていることを、教師に、親に言われるままに詰め込んできただけである。

かくして、生きる活力もない、自ら考える頭もない人間であふれ、社会は全面的に活力を失った。
このような閉塞状況が真っ先に顕在化するのが若者であり子供たちである。
このままでは社会は滅亡するしかない。
(試験の)強制圧力にしか反応しない思考停止人間、無気力人間を生産する張本人、学校教育を直ちに変革しなければならない。
教育革命待ったなし!

(つづく)

 

 

 

 

 

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