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婚姻史を追求する理由とは

 

縄文の婚姻 [1]

このブログでは、これまで日本や世界の歴史を遡り、村落共同体を初め様々な部族の集団・婚姻形態や、男女の性関係などを追求してきました。

何故このような追求をしてきたか。

その動機は、このままでは人類が滅亡してしまうのではないか、という危機感が根本にあります。

 

現代社会は様々な問題を抱えていますが、精神破壊、肉体破壊、環境破壊と大きく括ることができます。これら諸問題は、直接的には家庭環境や学校教育、企業活動、市場経済などに起因しており、夫々がこれまで様々な政策や取組みを行っています。が一向に解決しない、むしろ破壊は進行中という現実を見ると、根本的には家族や学校、企業、市場の存在構造そのものの問題として捉える必要があるのではないかという思いがあります。

 

現在の家族、学校、企業、市場などあらゆる集団の存在を規定しているものは何か。それは婚姻制度であり、さらにその制度を規定しているのは男女の性関係です。そしてその婚姻や性関係をさらに規定しているのは、外圧に対する生殖(子育て)と闘争(生産)の適応戦略です。

 

この次元で、現代の様々な問題の根本的な突破口はどこにあるのかを見つける。それがこのブログで追求している理由です。

 

人類の婚姻史を追求し、男女の性関係や、生殖と生産の適応戦略の実現構造を掴む。それを現代固有の時代状況に重ねて、新たな男女の関係、子育てや生産の在り方、婚姻の在り方を模索し、現代の諸問題を突破する大きな道筋を見つけていく。そんなことを考えています。

そこで、これまで追求してきた婚姻史等も含め、改めて人類史500万年の婚姻史を一つの構造図解として統合していきたいと思います。概ね以下のような視点が重要だと考えており、記事にしていく予定です。

 

1.人類史の99%は洞窟に隠れ住んでいたという事実。極限的な生存圧力=極限時代において人類は人類になったといえます。この時代の婚姻、男女の性はどうであったか。(そもそも集団内の決まり事として婚姻という存在があったかも怪しいですが・・)

 

2.事実の手がかりが乏しい極限時代の人類を解明するためにも、人類以前の類人猿や原猿、真猿の婚姻・雄雌の性はどうであったか。この猿時代に形成、進化した構造が極限時代の人類にどう繋がっているかという点が重要です。まずここから手を付けていく予定です。

 

3.弓矢の発明により人類は洞窟から出ることができ、漸く地上で生活することができるようになったのが、約1~2万年前。世界各地に拡散し、狩猟、採集、漁労、牧畜、遊牧等、多様な部族が登場しています。そして日本では縄文時代にあたり、漁労、採集を生産様式として特徴的な婚姻や男女の性関係を作っていきます。日本史を約1万年とみれば、8500年を縄文・弥生で占められており、現在の日本人の根本的な特性はこの時代に作られていますので、ここの解明も非常に重要です。

 

4.牧畜、遊牧不足を経て約5000年前に略奪闘争が勃発し、その後玉突き的に略奪闘争を繰り返して国家が形成されていきます。現在世界の主流を占める一対婚が形成された最初の時代です。どのようにして一対婚が形成されていったか。その成立構造、実現基盤を解明するとともに、何故現在になってその一対婚が機能しなくなってきたのかを明確にすることが、未来を考えるうえでも重要です。

 

以上を、人類の婚姻史を歴史図解にしてまとめる予定です。

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