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同期回路により、闘争存在として対象把握に向かったオス②

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画像はコチラ [2]からお借りしました。

 

全面受容→対象との一体化回路と、本能との矛盾に直面したオスたち。

彼らがどのようにして矛盾(意識の混濁)を突破していったのか、追求を深めていきましょう。

 

まず男性の対象との一体化の仕方について、メス同様にシャーマンの事例から見ていきたいと思います。

前々回の記事から、「脱魂型」(トランス状態の中で魂が身体を抜け出て、神霊界や自然界の精霊と出会いメッセージを受け取るタイプ。憑依型の「来る」イメージと違い、対象世界に「行く」イメージ)のシャーマンの多くが男性という特徴がありましたね。

 

 

下記は過去当ブログでも扱った内容です。

>シャーマニズムの定義のもっとも重要な点は,「超自然的存在との直接接触または直接交流」にあるという。

彼らは,超自然的存在と感応する回路を開いている。さらに,夢に代表されるような潜在意識にまで想像力を広げている。感覚を鋭敏にし,意識的な呼吸をおこなうことで,身体と意識を拡張させる。彼らは,このようにして神と出会い,神と対決し,災難や不幸を乗り越えてきたのである。
シャーマンとは何か17 [3]

 

ここにあるように、脱魂型シャーマンは「全面受容」しているというよりは、「意識を対象へと向ける・対象を掴む」力があると思われます。

 

 

そもそもオスの生物としての第一義的な役割は、闘争存在として、外圧に対して変異適応していくこと。

 

本能との機能矛盾に直面した初期人類のオスは、「完全一体化」ではなく対象を本能でも認識できるようするために、不整合をも統合する、対象の正体・本質を捉えるための追求を行ったのではないでしょうか。脱魂型シャーマンの事例は、男性が対象に「意識を向ける」能力が高いことを示しているとも言えます。

 

そしてサル時代との繋がりから考えると、サル時代には一番の外圧であった性闘争(同類闘争)に代わる、対象把握の追求充足(あらゆる対象と一体化することで欠乏・活力を沸かせる)へと収束していったと考えられます。

 

現実の仕事場面を振り返ってみても、一見相反する矛盾や不整合を起点として追求していき、全体が再統合できる視点が見つかるとすごくスッキリ(充足)できますよね。特に男性陣はそういった追求を楽しんでいるように感じます。

この追求、探索、没頭という行為は、ある意味自他の境が無くなり、対象と一体化へと向かう、同期回路の延長機能と捉えることもできます。

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画像はコチラ [5]からお借りしました。

 

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全面受容→一体化回路を磨き続けたメス、そして同期回路→対象把握の追求回路を磨き続けてきたオス。

両者が性充足によるエネルギーの受容・増幅を通して機能を転写させながら、万物との一体化回路機能を高めていったのでしょう(このあたりの論点はまた別の機会に)。

 

次回以降では、一体化回路の機能高度化と脳の構造との関係性、人類が直面した外圧の変化による集団構造・生殖の役割変化などを扱っていきたいとおもいます。

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