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縄文人の世界観 ~再生と甦りを象徴した蛇

前回は縄文人がなぜ「月」を信仰したのかを考察しました。

今回は「蛇」を深堀りしていきたいと思います。

 

■「蛇」へのこだわりとその理由

 

月は、その運行周期の同一性から女性と同格に位置づけられ、子宮あるいは女性器になぞらえられました。そして、人間だけでなく、いきるもののすべてが月の水によって生かされるのであり、その水を月からもたらすのが蛇だと考えられました。そして蛇は、形などから男根になぞらえられたのです。月(子宮)と蛇(男根)は「死なないもの=再生」の象徴の中核に置かれ、それにまつわるさまざまな事象とも関連づけられています。一つの体系をなしているのです。 「月と蛇と縄文人」大島直行著より [1]

 

なぜ「蛇」にこだわるのか。それは蛇が脱皮と冬眠を繰り返し、死なない存在と考えられているからです。キリスト教では蛇は邪悪なものとされていますが、縄文文化のように多神教で、しかも農耕社会に移行せず、長く狩猟採集により生活を維持した人々においては、蛇は死なないものの代表として、いろいろなものにシンボライズされていることを知る必要があります。

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例えば、世界を代表する保健医療機関であるWHO(世界保健機関)や札幌医科大学のマークに蛇が使われています。世界中の医科大学、医療機関、製薬会社のマークにおいても蛇を用いている例が多数あります。日本の自衛隊の医療班のマークにも蛇が用いられています。このように蛇が多く用いられる理由は「死なない存在」とされるからです。

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蛇の不死や再生能力に気づいていた縄文人は、きつく絡み合うオスとメスの交合の様子を「縄」で模倣し、土器の表面に回転させたり押し付けたりして、「縄文」として表現したのです。縄文土器に長きにわたって「縄文」が描かれ続けたのは、縄文人にとって不死や再生が重要な観念として確立されていたからでしょう。それをシンボライズするものとして選ばれたのが蛇だったのです。 「月と蛇と縄文人」大島直行著より [1]

 

土器の縄目文様は、蛇の交尾がシンボライズされたものなんですね。神社のしめ縄にも蛇のオスとメスのからみ合った姿が象徴的に表されています。再生と循環、月と蛇、子宮と男根、生の渇望、追求と一体化エネルギーこそが、あの火焔土器や土偶をつくったのだとすると、あの複雑怪奇な形状にも納得してしまいますね。

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少し縄文人の世界観に近づけた気がしませんか。

そういえば幼い頃から見ている神事やお祭りといえば多くが夜に行われていたことに気づき月と関係あるかもしれないと思うようになりました。そして蛇口や蛇の目、しめ縄のように、蛇も現代まで命脈を保ち続けており、地下水のように日本文化の底に縫って流れているように感じます。次回は、日本に残る縄文の名残りと、なぜ日本の神事や祭りは「夜」に行われるのかを見ていきたいと思います。

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