vol.15 [1]で初期人類からネアンデルタールまで野生動物だった ことが、おわかりいただけたと思います。
今日は、野生動物だった初期人類は、どこに住んでいたのか その生息域を、島泰三さんの著書『親指はなぜ太いのか』より紹介させて頂こう思います。
チンパンジーやゴリラやアウストラロピテクスなどの霊長類の生息域と、ヒヒの生息域比較する事で、意外な事実が浮かび上がってきます。
それでは、下のぽちっとして、500万年前の人類の世界へ出発してください。
では、いってらっしゃいませ。。
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■アフリカによる霊長類の動物地理
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アウストラロピテクス属の分布地点は干ばつ地帯の周辺地域であり、その生活場所の特徴をよく示しています。
ヒヒ属とマンドリル属およびゲラダヒヒ属の地理的分布の構造と、アウストラロピテクス属とチンパンー属およびゴリラ属の地理的分布を重ね合わせると、人類の起原について興味深い地理的状況が見えてきます。
アウストラロピテクス属の発見場所が限られているのは、100万年前以上の化石が残っている場所が限られているためだと考えると、その分布構造はヒヒ属によく似ている。エチオピア高原地域は動物地理からも特別で、ゲラダヒヒ属の生息地がヒヒ属の分布域の中にあり、初期人類でも十分な分岐の時間があれば、ここに新属が生まれる可能性があると考えられます。
ヒヒ属の近縁のマンドリル属は中央アフリカの熱帯雨林に、その周辺にヒヒ属が、そしてヒヒ属の分布地域内のエチオピアの高原地帯にゲダラヒヒ属が分布しています。この基本的な分布構造を、400万~300万年前のアフリカにあてはめて考えてみると、マンドリル属に対応するのは、チンパンジー属とゴリラ属で、アウストラロピテクス属はヒヒ属に対応します。
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上の写真は、エチオピア北高原セミエンのゲラダヒヒです。ここ [5]からお借りしました。
ゲラダヒヒも集団性が非常に強い集団を形成しているようです。
初期人類の生息域がヒヒと似ているとしたら、こういった高原の岩場や崖に身を潜め集団で暮らしていたのかもしれません。