2008年12月24日
初期人類は骨を食べていた!vol.15<初期人類の知能>
vol.14(直立二足歩行に関する仮説紹介)で、初期人類からネアンデルタールまで野生動物だった
と書きましたが、その当時の人類の知能はどの程度のものであったのか
今回も島泰三さんの著書『親指はなぜ太いのか』より紹介させて頂こう思います。
初期人類の知能が、どの程度だったか
なんで解ると思いますか
それは、遺跡からでる「骨」や「貝」の特徴から、見る事ができるのです
今日は、初期人類の知能を、詳しく見ていこうと思います。
それでは、下のぽちっとして、500万年前の人類の世界へ出発してください。
では、いってらっしゃいませ。。
■初期人類の知能
それは、中期旧石器時代(ネアンデルタールの時代)の遺跡から出る「骨」や「貝」の特徴から見ることができます。
★遺跡から出る「骨」によって見えてくる知能
クラシーズ河口遺跡などの南アフリカの海岸遺跡では、中期旧石器時代(最終間氷期の13万年前~11万5000年前から最終氷河期の最後の寒冷期の3万2000年前までの間)から、後期旧石器時代(3万2000年前~1万2000年前)の獣の骨がよく保存されています。
中期遺跡からはミナミアフリカオットセイのあらゆる年齢の骨が見つかっています。
しかし、後期の遺跡からは乳離れ期(生後9ヶ月)の幼い個体の骨が大多数になります。
南アフリカでは、オットセイは10月~1月に出産しますが、それから数ヶ月たったオットセイの乳離れの季節には、多くの幼いオットセイが海岸近くに寄ってきて簡単に捕獲できるようになります。
しかし、中期旧石器時代の人類はオットセイの回遊の季節性を理解しておらず、漂流したオットセイを拾っただけなので、あらゆる年齢のオットセイの骨が遺跡に残されています。
だが、後期3万年前以降では、人類(現代型ホモ・サピエンス)はオットセイの回遊の季節性を知り、捕まえやすい幼いオットセイを取るようになっているのです。
この事実を見ると、真の狩猟者が現れるのは、現代のホモ・サピエンスである後期旧石器時代以降であることがわかると思います。
野生動物だったアウストラロピテクスはもちろん、中期旧石器時代のネアンデルタールやホモ・エレクトゥスでさえ、効果的な大型獣狩猟者ではなかったことが、わかると思います。
★遺跡から出る「貝」によって見えてくる知能
南アフリカの洞窟遺跡から出土したカサガイを測ると、中期旧石器時代(11万5000年前)には直径7cm以上あるが、後期旧石器時代(3万2000年前~1万2000年前)では、5~6cmに過ぎない。
現在では、このカサガイは全く利用されていないので中期旧石器時代と同じ大きさに回復している。後期旧石器時代にはカサガイを過剰に、十分に成長する前に、採取していたことがわかると思います。
これは、明らかに、人類による生態系の攪乱です。
野生動物は生態系の攪乱者としては生きてゆけない。
だが、ヒト(現代人)は最初から生態系の攪乱者として出現している。
このことが、ヒトと野生動物の決定的な違いである。
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この事実からわかる事は、人類の誕生から500万年近く、知能(観念機能)がほとんど発達していない野生動物だったことを物語っています。骨食というニッチを見つけ出したことによって、500万年近く、環境適応した野生動物としての存在であった事がわかるのではないでしょうか
ではなぜ
ヒトはここまで知能(観念)を発達させる事ができたのか
疑問が湧いてきますよね。
その疑問は新シリーズ<【逆境⇒進化】初期人類の逆境>で明らかにしていこうと思います。
その前に、野生動物だった初期人類はどこに住んでいたのか
を、<初期人類は骨を食べていた!vol.16>で、念のため押さえて次へ進みたいと思います。
- by yidaki
- at 21:41


comments
>人類の誕生から500万年近く、知能(観念機能)がほとんど発達していない野生動物だった
これは、ちょっと大雑把過ぎるように思います。
確かに、ホモ・サピエンスの段階(約20万年前)で知能(観念機能)が著しく発達し現代的行動が出来るようになったようです。しかし、それ以前の段階でも脳容量は拡大しているし、石器の使用(約230万年前)、火の使用(約79万年前)も開始されています。石器の使用、火の使用とも観念機能の獲得、発達なくしては実現出来なかったと思います。
『初期人類の知能』について追求するならば、観念機能の獲得・発達過程をおさえる必要があるように思うのですが、どうでしょうか?
中期旧石器時代(13年前~)と後期旧石器時代(3万2000年前~)の、オットセイ漁と貝漁の違いをもって、3万年前までは知能進化がなかった(つまり野生動物だった)とするのは、乱暴な気がします。
脳容量や石器類などの使用は、さいこうさんがコメントされているとおりですし、漁撈そのものが比較的新しい点も見逃していると思われます。
漁撈は現生人類(20万~15万年前)以降とされており、最古の魚の骨は南アフリカのブロンボス洞窟(14万~7万5千年前)から見つかっています。つまり、中期旧石器時代と後期旧石器時代の違いは、漁撈についての知識蓄積の差に起因すると考えた方がよいと思います。
それ以前、脳容量が拡大する250万年前(原人段階)以降は草原での狩猟を本格化する段階で、狩猟についての知識蓄積および道具の開発に専念してきたと考えられます。
野生動物の域から脱したかどうかと、知能進化の歴史とはタイムラグ(何百万年のオーダー)があることを知る必要があります。
むしろ知能進化が結実するまでは、野生動物でさえなかった絶滅種であると認識した方が正解ではないかと考えています。
>さいこうさん
あけましておめでとうございます。今年も切れのいいコメント宜しくお願い致します。
>人類の誕生から500万年近く、知能(観念機能)がほとんど発達していない野生動物だった。
確かに、この一言は、大雑把な捉え方だったと思います。
さいこうさんのおっしゃる様に、石器の使用、火の使用など、様々な発明の起原を押さえ、観念機能の進化を、今年はじっくりと新シリーズ<【逆境⇒進化】初期人類の逆境>で抑えなおしていこうと思います。
今年も宜しくお願いします。
>大杉さん
あけましておめでとうございます。旧年中は、コメントでの叱咤激励等、いろいろお世話になりました。
今年も、切れのいい厳しいご指摘ありがとうございます。
大杉さんのおっしゃる様に、2つの事例を持って、人類の誕生から500万年近く、知能(観念機能)がほとんど発達していない野生動物と言い切るのは、いささか乱暴な論理だと思います。
>野生動物の域から脱したかどうかと、知能進化の歴史とはタイムラグ(何百万年のオーダー)があることを知る必要があります。むしろ知能進化が結実するまでは、野生動物でさえなかった絶滅種であると認識した方が正解ではないかと考えています。
今年は新シリーズ<【逆境⇒進化】初期人類の逆境>で、細かく事象を抑えつつ知能進化(共認機能⇒観念機能)を捕らえなおし、初期人類の外圧状況(逆境)からの進化を、具体的に見ていきたいと思います。
本年も宜しくお願い致します。