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2018年11月15日

人類は近縁種と交配することによって適応可能性を拡げてきた

およそ4万年前にネアンデルタール人が絶滅して、地球上の人類は、私たちヒト(学名はホモ・サピエンス)だけになってしまった。
しかし、昔はたくさんの人類がいたのだ。仮に7万年前の地球を考えると、そこには少なくとも4種の人類がいた。ヒトとネアンデルタール人と、インドネシアのフローレス島で化石が見つかったフローレス原人と、シベリアで化石が見つかったデニソワ人だ。

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ネアンデルタール人とヒトが交配していた事実が、両者のゲノムから明らかにされたのは2010年だった。当時としては衝撃的な結果だった。
しかし、人類というものは、いろいろな種と比較的自由に交配するものらしい。現生人類と先行人類のあいだの交雑が普遍的なものであれば、我々の核ゲノムの中に、それぞれ先行人類の遺伝子が受け継がれていることになる。

世界中の人種ごとのDNAと先行人類のDNAを詳細に分析することで交雑割合を判明できる、現在までにネアンデルタール人、デニソワ人以外にも未知の原人が現生人類と交雑したことも判明している。また、サハラ以南のアフリカ人にも未知の原人のDNAが2%伝わっていること、ネアンデルタール人のゲノムが現代のヨーロッパ人、アジア人のDNAの1.5~2.1%、さらに、メラネシア人にはデニソワ人のゲノムが7.5%を占めていることなどが解っている。

無題

「ホモ・サピエンスが旧人類から受けDNAの一部は、私たちの種が地球全体に進出していく過程で、新天地への適応を助けただろう。」と、プリンストン大学の遺伝学者エイキー教授は語る。現代人のゲノムに含まれるネアンデルタール人の配列を調べると、15の配列が高頻度に見られることが判明した。それらは2つのグループに分けられる。約半数は免疫に影響を及ぼすもので、現生人類が新しい環境に拡散していったとき、未知の病原菌やウイルスにさらされた。異種交配を通じて、現生人類は適応をネアンデルタール人から獲得していたので、未知の病原体をうまく撃退できた」とエイキー教授は語る。

配列の残り半分は、色素沈着レベルに影響する遺伝子など、皮膚に関係するものだ。アフリカで誕生したホモ・サピエンスは、太陽光に含まれる有害が紫外線から身を守るためにおそらく肌の色は濃かった。そのため、彼らは北上しながら、十分なビタミンDを得るために色の薄い皮膚に進化させる必要があったと考えられる。(ビタミンDは主に太陽光を浴びることによって体内で作られる。)

私たちに有用な遺伝子をもたらした旧人類はネアンデルタール人だけではないあ。例えば、現代のチベット人は標高の高いチベット高原の低酸素環境に対応するのを助ける遺伝子変異をデニソワ人から受け継いでいる。また、現代のアフリカ人は有害な口腔細菌の撃退を助ける可能性がある遺伝子を未知の古代の先祖から受け継いだ。

長い年月をかけて地域の環境に適応していた旧人類との交配によって、現生人類は自身の遺伝子プールに好ましい変異が生じるのを待つよりも短期間で新たな環境に適応できたのだろう。

【参考】
・日経サイエンス2018.12「新・人類学 特集」
・講談社ブルーバックス2018.09.07「ゲノム解析でわかった我々と絶滅人類との深い関係」(リンク
・いつでもLOUPE(リンク

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2018年11月13日

シャーマンとは何か13~水が生命の統合を担っている

これまで、松果体や扁桃体やドーパミン等、シャーマンの能力を司る器官や脳内物質を紹介してきたが、盲点となっている物質がある。
全ての生命が必要とする水である。
以下、『るいネット』「水は生命の統合を担っている」からの引用。
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人類の身体の70%を占める水。全ての生命が水を必要とするということは、水が生命の統合を担う重要な機能を担っているということです。

水の分子は2個の小さな水素原子が(ミッキーマウスの耳のように)偏って大きな酸素原子に結合しています。その結果、水分子全体ではマイナス電子の分布に偏りが生じ、水素原子が結合している部分(ミッキーマウスの頭の方)はプラスの電気、水素原子が結合していない部分はマイナスの電気に分極します。この構造は電気双極子と呼ばれます。

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画像はこちらからお借りしました。
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画像はこちらからお借りしました。

磁石がN極とS極に分かれるのと同じ構造で(磁石の場合は磁気双極子と呼ばれます)、水も磁石のような性質を帯びます。水の中では、水分子のプラス部分とマイナス部分が互いにくっついては離れ、離れてはくっついています。水の表面張力は他のどんな液体よりも強いのは、水分子同士が互いに強く引き合っているからです。

身体を形成する細胞質もほとんどは水です。細胞質の水の中で、タンパク質分子から成る細胞骨格やリン脂質分子からなる細胞膜が縦横に張り巡らされていますが、一個一個のタンパク質分子・リン脂質分子が小さな電気双極子で、それが秩序立って並んでいるために、細胞膜も細胞骨格も大きな電気双極子となります。

この大きな電気双極子の周りを、小さな電気双極子である水分子が取り囲んでいます。鉄粉の中に磁石を置くと、磁石のN極とS極の磁場に引きつけられて鉄粉が秩序立って並び変わりますが、それと同様に、水分子がプラスマイナスの電気力に導かれて、細胞膜や細胞骨格の周辺では規則正しく並びます。逆に、たくさんの水の分子が一方向にそろえば、水自体が大きな電気双極子となり、細胞骨格に影響を与えることもできます。細胞と細胞の間の隙間も水で満たされ、ここでも細胞膜という大きな電気双極子の影響を受けて、無数の水分子が動的な秩序(場)を形成しています。

とりわけ、頭蓋骨で覆われた脳内は、膨大な数の脳細胞の間を縫うようにして水分子が秩序正しく凝集した場を形成しています。外界からの刺激が電気信号として脳内まで入ってくると細胞膜や細胞骨格などが分極し、それに同調する形で水分子が一斉に向きをそろえる、つまり水分子が集団として秩序だった運動をすることになります。また、水分子が協働的に運動(分極)することで、その分極が脳全体に広がり、脳全体が一つの統合された働きをするものと考えられます。こうして無数の水分子が協働して働く場を形成しているからこそ、脳や身体全体が統合的に機能しているのではないかと考えられます。(参考「脳と心の量子論」講談社ブルーバックス)

生命の起源といえばタンパク質ばかりが注目されますが、これは一面的ではないでしょうか。全ての生命が水を必要としているわけですから、生命の起源にも水が関わっていたはずです。さらに飛躍を恐れずに言えば、生命の根源をなす適応本能⇒統合欠乏の秘密は、水の電気的双極構造にあるのではないかと考えています。
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【1】水分子は、水素原子2個が酸素原子の片側にやや局在することによって、一方が(+)、一方が(-)に帯電する。一個一個の水分子は電気的双極子であり、この電気力により水分子は一つの集団(ネットワーク)として機能する。

【2】生体内では、タンパク質の周りを水分子が取り巻いており、タンパク質の変化が水分子の双極性によって、瞬時に水分子集団全体に伝達される。タンパク質の周りを水分子が取り巻くのも、おそらくは細胞を構成するタンパク質や燐酸基が何らかの電気的極性をもつため。

【3】双極子であるが故に、水分子は外部磁場に瞬時に反応する。そして、外圧(外部磁場の力or情報)を生体内のタンパク質や燐酸基に伝えるのは、水の分子集団である。

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2018年11月09日

ゲノム配列解読によって判明した、縄文人とラオス・マレーシアの近似性

古代人のゲノム解析が進み、アフリカから、ヨーロッパ、さらにはオセアニア、アメリカでの各民族の形成過程が、遺跡に残る人骨から得られたDNAの解析から明らかにされつつある。
そして、2018年7月6日の『Science』で、東南アジアから我が国の縄文人までカバーした古代人ゲノムの研究『先史時代の東南アジアの民族形成』が発表された。研究は、金沢大学の覚張隆史特任助教(生命科学)とコペンハーゲン大学を中心とした国際研究チームと共同調査。

この研究ではマレーシア、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、そして愛知県伊川津貝塚の縄文人から、2ー8千年前の人骨を集め、そのDNAを解析している。これまで、東南アジアや我が国で古代人ゲノム研究が進まなかった理由は、研究レベルの問題もあるが、もう一つは高温多湿地帯のためDNAの変性が激しいことがある。この研究では、この問題をMYbaitsと呼ばれる液中で人間のDNAだけを精製する方法を用いて、低い精度ではあるがなんとか全ゲノムを解読し、古代人同士、あるいは現代人と比較している。

縄文人の遺伝子解析はこれまでも行われており、東アジア人とも、東南アジア人とも違った、まだわからないルーツがあるとされていた。この研究で、ラオス・マレーシアの古いゲノムが解読されることで、このわからなかったルーツの一端がラオス・マレーシアを中心に分布していた最初の東南アジア人Group1に最も近いことがわかった。

東南アジアと縄文人
※画像は、金沢大学News Release(リンク pdf)より

ただ、Group1に分類していいかと言われる混血が進んでおり、特に東アジア民族からの遺伝子を受け入れていることが分かる。すなわち、ラオス・マレーシアに移住してきたGroup1の末裔が東南アジアを経て日本に到達するまでに、その途上の民族とおそらく平和的に混血を繰り返して日本に到達したのが縄文人になる。そしてこの縄文の遺伝子は私たちにも脈々と受け継がれている。

伊川津縄文人を2.5-3千年前(この研究で解析された骨の年代は2600年となっている)とすると、その後の3000年のうちに更に東アジア人と混血を繰り返して現代日本人が形成されたことになる。縄文や弥生人の人骨は多く残っているはずだ。これらの解析が進めば、日本列島で起こった過程も明らかになるだろう。

【参考】
・『東南アジア民族の形成と縄文人』(リンク
・『朝日新聞デジタル』(リンク

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2018年11月06日

シャーマンとは何か12~征服部族による統治のために専門の巫女が登場した

前稿「性充足が部族和合を実現する最強の贈与だった」では、
採集部族は平和友好を維持するために様々な贈与をしたが、とりわけ性充足が採集部族間の同類闘争を回避し、部族和合を実現する最強の手段になったことを紹介した。

以下、『皇統と鵺の影人検索キーワードダイジェスト集』「巫女(みこ/シャーマン)」の後半部を要約したもの。

●誓約(うけい)神話は、東の果ての日本列島に流れ着いた多部族・多民族が混血に拠って統一され、日本民族が誕生する過程である。
弥生時代~古墳時代まで、日本列島は縄文原住民族と多数の渡来部族が混在する人種の坩堝(るつぼ)だった。
そこで、部族間の争い事を回避する呪術が、性交に拠る人種的和合の「誓約儀式(うけいぎしき)」である。それによって次代が混血し部族が和合する。異部族間の性交が人種的和合の呪術だったからこそ、巫女に拠る神前性交儀式や神前娼婦などの文化が残った。

弥生期初期の頃は、本来の先住民・蝦夷族(縄文人)、加羅族(農耕山岳民族系渡来人、呉族(海洋民族)系渡来人の三系統に分かれ、その三系統も部族集団に分かれていた。最大の政治(まつりごと)は、それらの勢力の争いを回避する手段として始まった。そこで和解手段として最も実効があったのが誓約(うけい)の性交に拠る血の融合なのである。

その誓約の性交は新しい併合部族の誕生を呪詛(祈る)する神事と位置付けられ主要な「祀(祭・奉)り」となり、神事として奉納する性交の儀式が行われた。
そして誓約の精神こそ民族和合と言う最大の政(祭り)事であり、巫術と称するシャーマニズムに満ちた神楽舞の真髄である。
子宝を得る事も実りの豊穣を得る事も、同じ命を産み出す神の恵みであり、その作業を神の御前で執り行い奉納してご利益を願い、同時に巫女を通して神の声(御託宣)を聞くのである。
この御託宣を得る為のアンテナが、巫女の女体そのもので、オーガズム・ハイ状態(神懸り)の神域を巫女が彷徨う事に拠って、天上神の声が聞えて来る。

●征服部族による統治のために専門の巫女が登場した。
アイヌ語では女性のことを「オイナ」と発音し、「オイナカムイ=女神」は巫術の神である。この「巫術の神」は半神半人で、これが原始神道における巫女の原型かも知れない。しかし、当初は専門の巫女が居た訳ではない。

征服部族長を神格化するために専門の巫女が登場した。
征服地の統治を容易にするには、武力以外の力が必要で、民人が信用する天上からの神の声である。
氏族長の神格化を進めるにあたって、氏族長を神と成し、屋敷を神域化して神社とすると同時に、その后妃(ごうひ/妻)をシャーマン役の女神に任じ御託宣の能力を持たせる。
つまり女神は氏族長の后妃であり、「氏族長(神)の言葉」を后妃に御託宣させることから始まった。
それが段々に様式化され、氏族長の后妃から性交の儀式を執り行う専門の巫女(シャーマン)に替わる。
その女体のアンテナで御託宣を得るオーガズム・ハイ状態(神懸り)の神域を、巫女が彷徨う為の儀式が、性交呪詛という術(すべ)と成って陰陽呪術に発展、後に「人身御供伝説」となる。

定説では、遊女の原型は飛鳥期頃で、神社の巫女が官人を接待した事に始まり、平安期の白拍子も神社の巫女から発祥したとされる。
巫女は神事としてお祀り(祭り/性交呪詛)に拠る神懸り(神霊降臨)の依り代(よりしろ/憑り代)を役目として負っていた。
そこから派生して、巫女が官人を接待する風習が出来上がって遊女の原型が生まれたと考えられるが、その源流は、巫女のシャーマニズムと性交呪詛の誓約神話である。

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2018年11月01日

シャーマンとは何か11~性充足が部族和合を実現する最強の贈与だった

前稿「人類の観念機能の土台となったドーパミン」では、人類では快感物質ドーパミン回路が発達し、それが人類の探求機能~観念機能の土台となったことを紹介した。

樹上機能を失い、絶望的な状況下に置かれたカタワのサル=人類は、性と踊りをはじめとする強力な充足回路を形成した。それが人類がドーパミン回路を発達させた理由であり、それがなければ、人類は生きる希望を失って早々に絶滅していたであろう。
『実現論』「前史ト.人類の雌雄分化と人類の弱点」

その名残りが、古代のシャーマン(巫女)の性と踊りのエクスタシーである。

以下は、『皇統と鵺の影人検索キーワードダイジェスト集』「巫女(みこ/シャーマン)」を要約したもの。
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シャーマニズムにおいて「神懸り」とは、巫女の身体に神が降臨し、巫女の行動や言葉を通して神が「御託宣」を下す事である。巫女舞の「神懸り」とは、巫女に過激な舞踏をさせてドーパミンを発生させ、エクスタシー状態となる事である。それによって、神が巫女に降臨し「神懸り」状態となる。

現代でも、夜通し踊ればベータ・エンドロフィンが脳内に作用してダンシング・ハイの興奮状態になるが、陰陽修験に伝わる呪詛行為の術では、巫女に過激な性交をさせてドーパミンを発生させ、脳内麻薬のベーター・エンドロフィンを大量に発生させる。巫女がオーガズム・ハイの状態になれば、その巫女の様子から周囲が神の降臨を認め、「神懸り」と成る。

日本には古来から女神が多いが、女神の資格は性交の儀式を執り行う事であった。

大和合の国(日本列島)黎明期の女神は、神の言葉を天上から受け取り、御託宣として下界の民に伝えるのが役目、つまり巫女(シャーマン)だった。そこに介在したのが、神事として奉納する性交の儀式である。五穀豊穣や子孫繁栄の願いを込める名目の呪詛として、巫女の神前性交行事が神殿で執り行われていた。

弥生時代~古墳時代まで、日本列島は縄文原住民族と多数の渡来部族が混在する人種の坩堝(るつぼ)だった。
そこで、部族間の争い事を回避する呪術が、性交に拠る人種的和合の「誓約儀式(うけいぎしき)」である。それによって次代が混血し部族が和合する。異部族間の性交が人種的和合の呪術だったからこそ、巫女に拠る神前性交儀式や神前娼婦などの文化が残った。

弥生期初期の頃は、本来の先住民・蝦夷族(縄文人)、加羅族(農耕山岳民族系渡来人、呉族(海洋民族)系渡来人の三系統に分かれ、その三系統も部族集団に分かれていた。最大の政治(まつりごと)は、それらの勢力の争いを回避する手段として始まった。そこで和解手段として最も実効があったのが誓約(うけい)の性交に拠る血の融合なのである。
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ここで注目すべきは、原始人類の性充足が、ドーパミン回路を発達させ探求機能~観念機能の土台となっただけでなく、その後の採集部族に至っては、性充足が部族間の同類闘争を回避し、部族和合を実現する最強の手段となったという点である。
採集部族は平和友好を維持するために様々な贈与をしたが、とりわけ性充足こそが部族社会を統合する最強の贈与だったのである。

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2018年10月25日

人類の進化と拡散のモデルが書き換わる

人類進化の定説が大きく揺らいでいる。
最近の研究では、ネアンデルタール人などの旧人類と現生人類との間に、これまでいわれていたような深い断絶はなく、実はかなりの交わりがあったことが明らかになってきた。むしろ、別の血を入れることが人類をより強く進化させてきたようだ。

■意外に進む混血
従来の説ではホモ・サピエンス、つまり現生人類がアフリカを出て世界中に広がり始めると、それまでユーラシア大陸に住んでいた同じホモ属のネアンデルタール人などの旧人類は絶滅へと追いやられたとされている。
進出にあたって、ホモ・サピエンスは旧人類とは交わらず、ネアンデルタール人の遺伝子を次世代に伝える混血の子どもは生まれなかったと考えられてきた。
旧人類は競争に負け、新参のホモ・サピエンスに取って代わられた。ホモ・サピエンスがアフリカから世界各地に広がる際、出会った旧人類をことごとく全滅させた可能性も指摘されていた。

ところが、ここ約10年の化石人類の発見ラッシュと遺伝学的研究の発展によって、この定説は大きく書き換えられることになった。
現生人類とネアンデルタール人の間の解剖学的な共通点に加え、遺伝学的研究からも両者の間に混血があったことがわかってきた。
その結びつきはかなり強く、今日の非アフリカ系の人々のゲノム(全遺伝情報)の最大3%がネアンデルタール人由来だ。人によってそれぞれネアンデルタール人由来の異なるDNA断片を持っている。そのため、現生人類が受け継いだネアンデルタール人の遺伝情報の総和は3%よりはるかに高く、最近の計算によれば少なくとも20%にはなると考えられている。

ホモ・サピエンスとの混血があった旧人類はネアンデルタール人だけではなかった。近年発見されたデニソワ人(シベリアの洞窟で見つかった4万年ほど前の謎めいた指の骨から回収されたDNAによって特定された人類集団)も、私たちの先祖との間に混血があった。
交雑する人類の拡散モデル

■異なる遺伝子で強くなる
そうした混血はホモ・サピエンスに有益だったようで、そのおかげでホモ・サピエンスは生存に有利に働く遺伝子を獲得できた。
例えばネアンデルタール人から受け継いだDNAは免疫力を高めたらしい。またデニソワ人由来のある遺伝子変異は、チベット人が酸素が希薄な高地で生活するのを助けている。
ホモ属の起源に関する定説も揺らいでいる。従来、ホモ属は東アフリカが起源とされていたが、近年、南アフリカ共和国のマラパで発見された200万年近く前の人類化石は、ホモ属がアフリカ南部に現れた可能性を示唆している。

【参考】
・日経サイエンス
・スヴァンテ・ベーポ著「ネアンデルタール人は私たちと交配した」

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2018年10月25日

シャーマンとは何か10~人類の観念機能の土台となったドーパミン

幻覚の原因は、様々な神経伝達物質の過剰や不足による神経回路の異常である。
各種の神経伝達物質の多くは相互に抑制し合う関係にあり、抑制し合うことで脳を安定させているが、特定の神経伝達物質の過多によって安定関係が壊れると神経回路が暴走し、幻覚をみることになる。
幻覚の原因となる代表物質がドーパミンである。
ドーパミンが過剰に増えた場合、神経回路が興奮し感覚過敏となり、ちょっとした刺激にも反応する。感覚が鋭くなると、外界刺激と経験記憶や本能記憶が反応して幻覚をみると考えられる。

以下、「生物史から、自然の摂理を読み解く~人類の観念(創造性)はドーパミンによってつくられた」を要約したもの。
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他の哺乳類では発現しなかった観念を、人類が獲得した理由は何か?
脳が自発的に活動する現象が幻覚と観念であり、その点で幻覚と観念は
共通している。
そして、ドーパミンは幻覚だけではなく、観念機能にも関わっていると考えられる。
ドーパミンが人類で特徴的に発達した脳内物質だからである。

まず、ドーパミンの基本的な機能である。
ドーパミンは脳を覚醒させ、ストレスの解消や楽しさ・心地よさを生み出し、集中力・やる気を高める。子供が些細な事にも夢中になるのは、ドーパミンが脳内で十分に放出されているからである。

一方、ドーパミン濃度の低下すると、物事への関心が薄らぐなど精神機能や運動機能、性機能が低下する。

ドーパミンの神経にはA9神経系(黒質緻密部)とA10神経系(腹側被蓋野)があり、さらにA10神経系は2つの経路に分かれる。一つは大脳辺縁系を通る経路(中脳辺縁系路)で、扁桃体の興奮(情動)によって活性化する。もう一つは前頭葉を通る経路で、ストレスや不安等で活性化する。

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このうち、前頭葉を通るA10神経系にはオートレセプター(自己受容体)がないので、前頭葉はドーパミン優位になっている。
オートレセプター(自己受容体)とは、自分で放出した神経伝達物質を神経細胞自身の受容体で取り込むことで伝達物質の放出量を調整(抑制)する仕組み(下図参照)。

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このA10神経系はサルにもあるが、とりわけ人類に特徴的な神経系である。
大脳が発達した人類の脳には大量のドーパミンが分泌されている。特に大脳皮質の前頭連合野とその周辺で、ドーパミンが過剰に分泌される。人間が創造性を発揮できるのはこのドーパミンによるものとされる。また、大脳皮質では約8割を興奮性細胞が占めているので抑制が弱く、過去の経験や記憶に捉われない創造性が発揮される。

他の動物でも大脳基底核ではドーパミンが使用されるが、大脳皮質や側頭葉ではドーパミンはほとんど使われない。代わりに使われるのは覚醒性のノルアドレナリンである。
化学的にはノルアドレナリンの前駆物質がドーパミンで、「チロシン」→「L-ドパ」→「ドーパミン」→「ノルアドレナリン」の順に生成される。つまり、原始人類の前頭前野にドーパミンが大量に使われる素地は、それ以前の動物段階で整っていた。

ノルアドレナリンの生成にはビタミン類(特にビタミンC)が必要であり、果物が豊富な樹上生活を失ってビタミンC不足となった人類の脳では、ドーパミンからノルアドレナリンに転換できずに、ドーパミン過剰の状態に陥った。このビタミンC不足によるドーパミンの過剰が、ドーパミンを主体とした大脳、特に前頭葉と大脳皮質を発達させたと考えられる。

サルの脳と人類の脳の違いは、大脳、特に前頭葉における興奮系の神経伝達物質ドーパミンにある。木から落ちた人類は、ビタミンC不足に陥った結果、ドーパミン優位の大脳を発達させ、それが人類の創造性や観念機能の土台となったと考えられる。
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この投稿では、その理由としてビタミン不足を挙げている。それは間違いではないとしても、他にも理由があるのではないか?
ノルアドレナリンが生成できるのであれば、その前駆物質ドーパミンを生成するのは簡単にできるはず。だからビタミン不足でなくても可能なはずである。

いずれにしても、サル以前の動物で使われていたノルアドレナリンから、人類はその前駆物質ドーパミンに切り替えた。それが人類の探求機能→観念機能の形成によってなされたことは、間違いないだろう。

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2018年10月18日

シャーマンとは何か?9~ドーパミンの異常分泌で脳回路が暴走し、幻覚をみる

前投稿「体外離脱とは、金縛り中に現れたリアルな五感を伴った幻覚(脳の錯覚)」に続き、今回は、幻覚がどのように生じるのか?その基本構造を解明する。

以下、『生物史から、自然の摂理を読み解く』「脳回路の異常が幻覚を引き起こす」を要約したもの。

●幻覚の共通点は、薬物や脳の過負荷等による脳内神経伝達物質の過剰分泌によって生じる脳回路の異常である。
その結果、あらゆる刺激情報が脳回路へ乱入し、脳回路が暴走することによって、脳は幻覚をみる。

脳回路上を制御・抑制されない情報が駆け巡るという暴走状態に陥った脳は、情報の繋がりを統合できずに混乱する。
あらゆる刺激情報が直接脳に入力され、過去の記憶等が無秩序に呼び起こされ、恐怖や多幸感に基づく過去の記憶に基づく幻覚を脳自身が創り出す。脳は、身体が生命の危機に陥るような混乱を避けるために、幻覚に収束することによって統合を図ろうとするのである。

●幻覚は、病理的な要因や特定の薬物摂取、身体的・精神的な危機によって生じる。そこには共通の現象が起こっている。
臨死体験の時には、ドーパミンをはじめとする大量の脳内伝達物質が分泌され、快感を感じると同時に、幻視・幻聴・幻覚が起こる。また、時間感覚が変わって時間が無限に長くなる。ex.走馬灯のように自分の人生の歴史を見る。脳内伝達物質が放出され、死に臨んで最後に脳が超活性化されるからである。

統合失調症やてんかん、アルコール依存症、薬物、臨死体験など、幻覚の脳には共通点がある。それは、古い脳(爬虫類の脳)である視床や大脳基底核(全ての感覚情報が集中する)→新しい脳である大脳皮質や辺縁系、側頭葉、前頭葉への経路に障害が起きるということである。

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視床は脳幹上部に二つ存在し、それを取り囲む形で大脳基底核(線条体や淡蒼球)や大脳辺縁系(扁桃体、海馬、帯状回、乳頭体、脳弓等)があり、その外側に大脳が位置する。
脳幹の上部に位置する視床は、嗅覚を除く、視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を、新しい脳である大脳新皮質へ中継する。視床を通過した刺激情報は、大脳に送られてから再び視床に戻る「ループ構造」になっている。生の情報に過去の記憶や判断を加えた信号が視床に戻されることで、適応的で統合的な反応を体全体に指令している。

幻覚は、この基本的な回路に異常が生じた状態だと考えられる。

統合失調症やてんかん、薬物依存など、この回路の異常には、神経伝達物質ドーパミンが関わっている。
ドーパミン神経系には、A9神経、A10神経があり、視床の下に位置する中脳から大脳基底核に対してA9神経系が、中脳から大脳の前頭前野に対してA10神経が延びている。
このドーパミンの異常が脳回路の異常→幻覚を引き起こす要因になっている。

ドーパミンが過剰分泌される神経回路が興奮状態になる。
と同時に、刺激や判断情報が集約される視床へのフィードバックが滞る。視床では内外からの刺激情報に対する抑制がかからず、脳内に生の刺激情報の全てが送り込まれる。その結果、過去の記憶等が無秩序に呼び起こされて幻覚が引き起こされる。

魚類以前から、新しい脳と古い脳は相互に抑制し合いながら進化しており、脳回路における抑制機構とそれによる統合は、重要な脳の基本構造である。実際、各種の神経伝達物質や脳回路は相互に抑制しあう関係にあり、抑制し合うことで脳を安定させている。ところが、神経伝達物質やその受容体の過多による異常が生じると、安定機能が無効化し、神経回路の暴走が始まる。それが幻覚の原因である。

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2018年10月09日

世界の婚姻事情

かつて日本では皆婚規範が強く、誰もが結婚をすることは当たり前のことと思っていました。

しかし、未婚率や離婚率の上昇、晩婚化、事実婚etc…と様々な意識や婚姻形態が生まれているのが現状です。

この現象は、人々の意識や社会状況と婚姻制度にズレが生じているからのように思いますが、では、世界の婚姻状況はどのようになっているのでしょうか?

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◆◆<イギリス編>◆◆

・半数にあたる夫婦は、その10年を待たずに関係を破綻させ、離婚に至るという。
・事実婚カップルが近年になって急激に増えてきており、現在では全国で約230万組も存在する
・英国の未婚カップルは、既に公的な夫婦と同じように機能
・4割が結婚外で生まれた子供

◆◆<フランス編>◆◆

・法的手続きを取っていない「事実婚」カップルの別れの数も勘定すれば、フランスでの男女の「離婚」は日常茶飯事。

・新しい男女の形として「事実婚」の事を『フランス婚』とも呼ばれ、話題になったこともありました。

・事実婚は70年代後半から急増し始めた。・・・中略・・・・・大都会を中心に以下のような形態が見直されるようになってきた。
①同棲(ユニオン・リーブル) ②近くに住み互いに行き来 ③PACS ④結婚
等の制度整備も行っている。

◆◆<スウェーデン編>◆◆

・スウェーデンでは、フランスと似たような婚姻形態である、「サムボ婚」と呼ばれるものがあり、近年急速にこのサムボ婚のカップルが増えています。

・「お試し婚」としての事実婚を経て、本当に気の合うカップルであることが確認されると法律婚による夫婦となるケースが多いようです。(法律婚夫婦の90%以上が、サムボ婚を経験している。)

◆◆<自由の国、アメリカ編>◆◆

・現状 アメリカでは、96%の人が結婚を望み、90%が結婚する。そして、その半数が離婚する。

・それでも、「結婚はもうたくさん」というわけではなく、「相手を変えればうまくいくだろう」と、離婚経験者の75%が再婚し、そのうち10組に6組は離婚する。

・アメリカでは、2組に1組の割合で、離婚するといわれている。年間の離婚件数は120万。20代の3人に1人は親の離婚を経験している。

・離婚カップルの3分の2は子どもがいて、年間で100万―120万人の子どもが親の離婚を経験している。

◆◆<イスラーム・アラブ編>◆◆

・イスラム法で「結婚は当事者双方の意思に基づく契約によって成立する」とされています。

・少なくとも成人のイスラム教徒2人の立会いのもとで、本人が誓いを述べれば結婚が成立します。

・キリスト教では離婚はタブーで、実際カトリックでは離婚と自殺と中絶は認められていないのは有名な話ですが、イスラム教では離婚は認められています。

・シーア派では正当な契約結婚以外に、男女の同意のもと、期間限定で関係を持つ「一時婚」が存在している。“ムトア(=快楽の意)”と呼ばれるこの一時婚を、・・・・中略・・・・・サウジアラビアのスンニ派イスラム法学者団体が、イスラムに反しないと数年前に正式に認めた。

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いかがですか?

上記の数か国だけでも、いろいろな形態がありますね。

固定的に考えずに、どういう形がみんなが充足できるのかを軸に、これから探っていけたらと思います。

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2018年10月02日

シャーマンとは何か?8~体外離脱とは、金縛り中に現れたリアルな五感を伴った幻覚(脳の錯覚)

シャーマンが観る超越的な世界と重なる、「脳が見る幻覚体験」を紹介する。
前回は、「楽しい体外離脱」の前半を要約し、その著者の体験「金縛り中に見えるもの、聞こえるものは全て幻覚」を紹介した。
今回は、「楽しい体外離脱」の後半を要約する。

体外離脱とは、金縛り中に現れたリアルな五感を伴った幻覚(脳の錯覚)であり、そのリアルな感覚が離脱体験者に「断じて夢や幻覚などではなかった」と言わせるほどのリアリティーをもたらしている。これが金縛りや体外離脱を何度も経験した著者の結論である。

●高校生になると金縛り中に、少しづつ身体が動くようになった。しかし、どんなに身体を動かしても、金縛りが解けた後は最初に寝ていた時の姿勢に戻っていた。どうやら動かしているのは現実のカラダではないようだった。

これは幽体離脱、つまり、肉体とはまた別の幽体が身体から抜け出す現象だと考えた。

最初は、この「幽体」はかろうじて動く程度で、少しでも気を抜くと現実の身体の姿勢に戻ったが、金縛り中に何十回と「幽体離脱」にチャレンジした結果、ついに全身を動かし、完全に「幽体」を現実の身体から離脱させることに成功した。

その体験は、見聞きする「幽体離脱」体験そのものであり、身体は宙に浮き、空中をすべるように移動し、扉や壁を身体ごと突き抜けることもできた。幽体・霊魂の存在を確信したが、その後何度も「幽体離脱」を経験するうちに、完全な間違いであることがわかった。

●何度も「幽体離脱」をしてわかったことは、離脱中に見えるモノ聞こえるモノは、実際の様子とは違うということだった。
たとえば離脱中に見た自室の本棚は、現実の本棚と本の配置が変わっていたり、実際には所有していない本まであった。
離脱中、自宅を離れ友人の家に行き、友人と会話を交わしたことも何度かあったが、後で友人に確認を取っても、出会った事を肯定されたことは一度たりともなかった。

このように、離脱中の体験は、宙に浮いた身体の感覚や手足を動かす感覚、モノに触った感覚がある以外は、金縛り中の「幻覚」体験とほとんど変わらなかった。
つまり、「幽体離脱」体験は、金縛り中の視覚の幻覚「幻視」と、聴覚の幻覚「幻聴」に、運動感覚や触覚の幻覚である「幻触」まで加わった、「幻覚」体験だったのだ。この「幻触」こそが、「幽体離脱」体験者に「断じて夢や幻覚などではなかった」と言わせるほど「幻覚」にリアリティーをもたらしている。
その後、味覚の幻覚「幻味」も体験したし、たった一度ではあるが嗅覚の幻覚である「幻嗅」も体験した。
すなわち「幽体離脱」体験とは、五感すべての感覚を伴う幻覚体験なのである。
金縛り中に現れたリアルな五感を伴った幻覚が「体外離脱」であり、体外離脱中の現実の身体でない身体のことを「幻体」と命名する。

なぜ金縛り中に「体外離脱」という特殊な「幻覚」が現れるのか?それは脳の錯覚である。
「金縛り」とは「身体は眠っているが、脳は起きている状態」だ。
脳は起きているので「身体を動かしたい」と思うことはできるが、身体が眠っているため、「身体を動かせ」という脳の命令が身体に伝わらないので、身体は動かない。

しかし、金縛り中は、脳は身体が眠っていることを認識できないらしい。
例えば「眼を開けろ」という命令は実行され、すでに眼は開かれていると錯覚してしまう。
眼を開けているという感覚は「脳」の錯覚なので、眼からは視覚情報が入ってこない。眼を開けているのに視覚情報が入ってこないのは、脳にとっては不測の事態である。そこで脳は、眼を開けていれば入ってくるはずの視覚情報を、「脳」が持っている記憶情報で代用したのだと考えられる。

視覚の記憶情報から作られた「幻視」同様、金縛りで動かない身体の代わりに、運動感覚や触覚の記憶情報から作られた感覚が「幻触」であり、「幻触」を持った幻覚のカラダが「幻体」なのである。

※「幻体」が持つ独特の浮遊感については、本来は骨と筋肉で受けとめなければ得られない地球の重力感を、「幻体」では再現できないのだと推測している。

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