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2020年01月27日

オナガザルとテナガザル3~半地上生活をしていたオナガザル

「アフリカの中新世旧世界ザルの進化:現生ヒト上科進化への影響」(中務真人、國松豊 京都大学自然人類学研究室)から転載。

中新世(2350万~530万年前)アフリカ狭鼻類の化石記録から、初期のオナガザル上科であるビクトリアピテクス科は,北アフリカ(エジプト,リビア)と東アフリカ(ケニア,ウガンダ)の地理的に離れた2地域から知られている。
ビクトリアピテクス属に地上運動に関連した四肢骨の特徴があることは古くから知られていた。後方に屈曲した尺骨肘頭や後方を向く上腕骨内側上顆は現生の半地上性オナガザル亜科と類似している。
コロブス亜科の体幹,四肢骨格の特徴はオナガザル亜科的状態から進化した事を示唆している。

オナガザル科の確実な最古の化石記録は,約1000万年前,コロブス亜科マイクロコロブス・トゥゲネンシス)である。
現生のコロブス亜族は手の母指を完全に失い,プレスビティス亜族は退化しているものの機能する母指をもつ。マイクロコロブスは全く退化していない母指をもつ。

マイクロコロブスに次いで古いオナガザル科はメソピテクスである。メソピテクスはアフリカからは知られていないが,東はアフガニスタン,西はイタリアまでユーラシアの広域から知られている。850万~300万年前の長い棲息年代をもち,3~4種が認められている。メソピテクス属の資料には,数多くの四肢骨が含まれ,種によってある程度の変異はあるものの,一定の地上性適応をしていたことが知られている。

半地上性に適応した過程で,オナガザル上科は四肢走行型の筋骨格系を獲得し,それらは,多かれ少なかれ今日でも維持されている。例えば,前腕の日常的な回内,肩,肘関節の運動範囲の制限,指骨の短縮と中手・中足骨の伸長,比較的可動性の低い中手・中足関節などがある。その結果,樹上では,枝の上での俊敏な運動を得意とし,優れた跳躍運動を行う事ができる。一方で,枝下での運動(懸垂運動など)は余り得意ではない。
そのため,樹上性オナガザル科の体サイズの上限が低めに制限されている。小型の体,高い移動速度と跳躍力は,変形しやすく非連続的な枝上での移動能力を高める。

現生の樹上性オナガザル科が半地上性祖先から進化したという考えは,現在では定説となっている。

オナガザル科の俊敏性は,半地上生活を送った時代にそうであったように,捕食者の攻撃から逃れることに,より役立っていると考えられる。体サイズの小さなオナガザル科は,相対的に高い捕食圧にさらされている。また,移動能力の高さは,遊動域を広げるため,大きな群サイズをもつことを可能にしているかもしれない。大きな群サイズは捕食者対策として効果的だが,十分な食料を手に入れるため広い遊動域が必要となる。

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2020年01月27日

オナガザルとテナガザル2~葉食適応したオナガザル(コロブス)

「アフリカの中新世旧世界ザルの進化:現生ヒト上科進化への影響」(中務真人、國松豊 京都大学自然人類学研究室)から転載。

コロブス亜科はオナガザル亜科に比べ葉食傾向が強い。果実と比べると,葉は安定して大量に手に入れやすいため,森林におけるバイオマスは,オナガザル亜科やヒト上科を上回る。コロブス亜科は葉に含まれるセルロースを利用するため,特殊な消化管をもっている。胃は 4 つにくびれ,その中のバクテリアによって前腸発酵を行う。特に,第一胃(前盲嚢部)が葉の分解に役立っているとされている。セルロースが分解されて生成される揮発性脂肪酸(酢酸,プロピオン酸,酪酸など)は容易にエネルギー源として利用でき,死んだバクテリアもタンパク源として利用される。ちなみに,オナガザル亜科は,それほど特殊化した消化管をもたないが,後腸(盲結腸)発酵によってセルロースを分解する。食物の消化管通過時間が,体サイズに比較して長いという特徴が,効率よい発酵に関係していると考えられている。

現生コロブス亜科は,森林環境に依存する程度が強く,オナガザル亜科ほどには広い分布域をもたない。骨格には樹上運動,特に跳躍運動に関連した特徴が発達している。コロブス亜科もオナガザル亜科同様にアフリカとアジアに分布する。

化石産地の動物相から,漸新世(3400万~2350万年前)の初期狭鼻類も前期中新世(2350万~1650万年前)の非オナガザル狭鼻類も,森林に棲息していたと推測される。食性については,歯牙の形態から初期狭鼻類は果実食性であったと考えられ,中新世の非オナガザル狭鼻類も,例外的な葉食者を除けば,大半は歯牙特徴に葉食適応が認められない果実食者だった。
つまり,現生類人猿に見られる森林性果実食(ゴリラ,フクロテナガザルのように例外的に一定の葉食適応を示すものもいるが)という特徴は,初期狭鼻類以来の祖先的状態の維持である。

前期中新世(2350万~1650万年前)のオナガザル上科(= ビクトリアピテクス科)の化石記録は相対的に乏しいものの,その産地の一つであるワジ・モガラ(エジプト)の古環境を動物相から推定すると,疎開林である。中期中新世(1650万~1160万年前)始めのマボコ(ケニア)では比較的樹木の多い疎開林,中期中新世終わり近くのトゥゲン丘陵(ケニア)では開けた疎開林だったと考えられる。
さらに現生種と化石種についての環境適応から系統群の祖先的適応状態を推定すると,オナガザル亜科とコロブス亜科の祖先的適応環境は,ともにサバンナ的であったと考えられる。これらの事は,オナガザル科,ひいてはオナガザル上科も,サバンナ適応した祖先種から進化したことを示唆する。
サバンナあるいは疎開林のような,季節性の影響を受けやすい環境に,純粋な果実食者が適応することは難しいと考えられるため,初期オナガザル上科(= ビクトリアピテクス科)は果実以外の食物も利用したと考えられる。
現生群ではコロブス亜科は主として葉食であり,オナガザル亜科の食性はそれに比べれば幅が広い。しかし,オナガザル亜科の中にも葉食傾向の強い種が存在する。

前・中期中新世(2350万~1160万年前)のビクトリアピテクス科に地上運動適応が認められること,後期中新世~鮮新世(1160万~260万年前)のオナガザル科の中に地上性傾向の強いオナガザル亜科やコロブス亜科が認められること,現生のオナガザル科がその骨格特徴に共通して地上性適応(あるいは,その名残り)を留めていることから支持される。まとめると,祖先的オナガザル上科は,森林の外縁へ適応することによって派生的に進化した葉食者であった。

野外研究から,オナガザル科は基本的に植物食者だが,果実以外の部位の利用が高いことが明らかにされている。
一方,現生類人猿は,果実の不足期をどのように乗り越えるかにおいて,種間の違いが見られるものの,基本的には果実に依存した食性をもっている。
チンパンジーと複数のオナガザル亜科が同所的に棲息するキバレ(ウガンダ)の調査によれば,現生オナガザル亜科は,年間を通してほぼ一定割合の果実を消費し,チンパンジーと重複して利用する果実が多い。

小型種では,体重当たりの基礎代謝率が高いため,速やかに利用できる熱源を必要とする。したがって,分解に時間がかかるセルロースに強く依存するのは効率的ではない。その場合,種子食に依存する割合が高かったか,せいぜい選択的に未成熟葉を利用していたと推測される。基礎代謝率の制約から 7 キロ以下では真の葉食者にはなれないといわれている。初期のコロブス亜科が現生コロブス亜科に比べ劣った消化能力をもっていたことは,消化酵素の研究からも示唆される。コロブス亜科は,発酵により急増した細菌の RNA を分解し,窒素を効率的に回収するため,膵臓から大量の RNA 分解酵素を分泌する。コロブス亜科では遺伝子重複によって,霊長類が共通にもっている RNA 分解酵素以外に,より低い pH 値に酵素活性のピークをもつ RNA 分解酵素をもち,発酵によって作られた脂肪酸により,小腸内の pH が下がっても,効率的に RNA の分解を行うことが可能である。

小型種では,体重当たりの基礎代謝率が高いため,速やかに利用できる熱源を必要とする。したがって,分解に時間がかかるセルロースに強く依存するのは効率的ではない。その場合,種子食に依存する割合が高かったか,せいぜい選択的に未成熟葉を利用していたと推測される。基礎代謝率の制約から 7 キロ以下では真の葉食者にはなれないと言われている。

初期のコロブス亜科が現生コロブス亜科に比べ劣った消化能力をもっていたことは,消化酵素の研究からも示唆される。コロブス亜科は,発酵により急増した細菌の RNA を分解し,窒素を効率的に回収するため,膵臓から大量の RNA 分解酵素を分泌する。コロブス亜科では遺伝子重複によって,霊長類が共通にもっている RNA 分解酵素以外に,より低い pH 値に酵素活性のピークをもつ RNA 分解酵素をもち,発酵によって作られた脂肪酸により,小腸内の pH が下がっても,効率的に RNA の分解を行うことが可能である。

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2020年01月27日

オナガザルとテナガザル1

「アフリカの中新世旧世界ザルの進化:現生ヒト上科進化への影響」(中務真人、國松豊 京都大学自然人類学研究室)から転載。

化石記録の見直しでは,後期中新世(1160万~530万年前)の初頭までは,オナガザル上科の放散も,非オナガザル狭鼻類の衰退も認められない。オナガザル科の放散と非オナガザル狭鼻類の衰退は,おそらく同じ時期(1000万~700 万年前)に起こったと考えられる。

1000万年前前後のアフリカ3カ所の化石産地からは3属の大型類人猿が発見され,サンブル丘陵以外は,オナガザル科も出ている。ヒト上科は,サンブル丘陵の年代以降(960万年前),600万年前前後の初期人類(サヘラントロプス,オロリン,アルディピテクス・カダバ)の登場まで知られていない。
ヒト上科の乏しさと対称的な化石記録は,オナガザル科が非オナガザル狭鼻類を(ひいてはヒト上科を)凌駕していた事を示している。両者の逆転は,幅を見ても1000万~700万年前に起こったと考えるのが妥当。

アフリカとユーラシアに棲息する現生真猿類は,全て狭鼻下目に含まれる。現生の狭鼻下目はオナガザル上科とヒト上科に分けられる。
鮮新世(530万~260万年前)に入るまでに,狭鼻類にはオナガザル上科とヒト上科しか残らなくなる。
オナガザル上科は,オナガザル科と絶滅群であるビクトリアピテクス科を含む。オナガザル科は,オナガザル亜科とコロブス亜科を含む。オナガザル科は,種数と分布域の広さから見て,現在もっとも繁栄している霊長類分類群である。

オナガザル亜科は,地上性に適応した種類を多く含み,食性の幅が比較的広いため,広い分布域をもつ。オナガザル亜科は頬袋をもつ。頬袋は,口腔に食物を一時的に蓄えることを可能にするため,採餌効率が重要となる群内間接競争に有利であり,頭上が開いた環境で採食する際には,捕食者回避にも有効である。
現生オナガザル亜科は,オナガザル族とヒヒ族とに分けられる。前者はグエノン類で,分布はアフリカに限られる。後者はヒヒ亜族とマカク亜族を含み,それぞれアフリカ・アラビア半島,アジアの広域・北アフリカに分布する。

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2020年01月26日

オナガザルに淘汰された最小類人猿は体重3.6kg(現存テナガザルより小さい)

『The Asahi Simbun GLOBE+』2018年12月21日「ケニアで見つかった世界最小の類人猿、猫より小さかった」の要約。

低木が広がる酷暑の地、ケニアのトゥーゲンヒルズ見つかったごく小さな歯(大臼歯)の化石から、世界で最も小さな古代の類人猿の存在が確認された。
学術名Simiolus minutus。推定体重約3.6キロ。
発見した大臼歯は、直径が約3.8mm。これからあごと体の大きさを推定すると、古代の絶滅種から現存種までの、知られているどの類人猿よりも小さかった。ちなみに、現存種の最小はテナガザルで、体重は約4.5~13.6kg。

歯の形状を詳しく分析した結果、完全な葉食動物かどうかはともかく、葉を食べていた特徴を備えていた。これより先に、同じ場所から見つかった化石がコロブス亜科のサルのものと特定されており、同じ食物をめぐって類人猿とサルが争っていたことが推測された。

1250万年ほど前に、木の上で葉っぱを食べて暮らしていたと見られる。しかし、同じ食物をとるコロブス亜科(霊長目オナガザル科の亜科の一つ)のサルとの生存競争に敗れ、絶滅した。中新世時代(2300万~530万年前)の出来事で、類人猿とサルとの間にあった厳しい自然淘汰が浮かんでくる。

それまでは、類人猿が支配的な存在だった。ところが、それがこの時代に逆転。現在では、類人猿の種は20ほどしかない。一方、アフリカとアジアの「旧世界ザル」(中南米の「新世界ザル」と対比した新旧大陸別の分類)の種は130を超える。コロブス亜科のサルだけで、ルトンやシシバナザルなど60種以上もがアジアからアフリカにかけて生息している。
なぜ、Simiolusなどの小型のものを含めて、多くの類人猿が姿を消したのかは、よく分かっていない。サルとの生存競争の激化や環境の変化が原因ではないかというのが、現在では中心的な仮説になっている。

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2020年01月21日

洞窟の中に隠れ住んでいた事実が、古人類の交雑を促した

5万年前、ユーラシア大陸では現生人類(ホモサピエンス)の他に、旧人と言われるネアンデルタール人とデニソワ人が共存していたことがわかっている。 それら古人類のDNA分析が進んだ結果、
・現生人類×ネアンデルタール人
・現生人類×デニソワ人
・ネアンデルタール人×デニソワ人
の間で交雑があったという衝撃的な事実が判明している。従来、現生人類とネアンデルタール人は【別種】と考えられていた。交雑の事実は、現生人類と旧人は別種ではなく【亜種】であること示している。

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以下、ナショナルジオグラフィックの記事から。

【1】ネアンデルタール人、現生人類と交配リンク
最新の研究により、ほとんどの現代人がネアンデルタール人とのつながりを持っていることが明らかになった。遺伝子構造の少なくとも1~4%はネアンデルタール人に由来するものだという。
研究では、遺伝子解析により、現生人類(ホモ・サピエンス)とネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)の異種交配を示す確かな証拠が発見された。ネアンデルタール人はおよそ3万年前に絶滅した人類の近縁種である。アメリカ、ミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学の人類学者エリック・トリンカウス氏は、「われわれが実際に受け継いでいるネアンデルタール人のDNAは、今回の研究が示す数値よりもはるかに多いと思う」と話す。「1~4%というのはあくまで最低限の値だ。10%、あるいは20%という可能性さえある」。

【2】デニソワ人、現生人類と交雑の可能性リンク
現生人類とは別系統とされる「デニソワ人」について、最近行われた遺伝子解析の結果から、現生人類の祖先と交雑していた可能性が高いことが判明した。
デニソワ人は、数千年に渡ってアジア一帯に分布していたとされる人類の一種。ロシアのデニソワ洞窟で発見された約4万年前の少女の骨をDNA解析したところ、現在パプアニューギニアに住むメラネシア人から採取したDNAと一部共通の配列が確認されたという。これはメラネシア人が現生人類の祖先とデニソワ人との交雑の子孫である可能性を示唆している。
現生人類とデニソワ人が異なる種ならば、交雑によって生まれた子どもには生殖能力がなかったと考えられる。だが今回の研究でわかったように、デニソワ人のDNAはメラネシア人に受け継がれている。フィオラ氏は、デニソワ人と現生人類は同種の可能性が高いと見ている。

【3】少女の両親は、ネアンデルタール人とデニソワ人リンク
「ありえない」――古遺伝学者のビビアン・スロン氏は、当初、骨のDNAの分析結果を信じられなかった。その骨は、ネアンデルタール人のDNAとデニソワ人のDNAを、ほぼ等量もっていたのだ。彼女は何かの間違いだろうと考えた。スロン氏は、ドイツにあるマックス・プランク進化人類学研究所の博士研究員だ。分析結果によると、約9万年前の骨片は、10代の少女のもので、母はネアンデルタール人、父はデニソワ人だということだった。
科学者たちは、数種のヒト族がいた時代、交雑があったと考えている。古代や現代のヒトゲノムの中に、彼らの遺伝子を痕跡が見つかっているからだ。ただ、交雑によって生まれた子の存在が実際に確認されたのは今回が初めてだ。この発見は、2018年8月22日に科学誌「ネイチャー」に発表された。2種のヒト族の交雑によって生まれた子どもの初の決定的な証拠であり、古代のヒト族同士の関係の理解を進めるヒントだ。

★これらの新たな研究は、ヒト族同士の交雑が以前考えられていたよりも一般的だったこと可能性があることを示している。それにしても亜種である人類の交雑が進んだ要因はどこにあるのだろうのだろうか?

このことについて、ネアンデルタール人とデニソワ人のDNAから交雑を解明に携わった米カリフォルニア大学のコンピューター生物学者リチャード・E・グリーン氏は、洞窟がカギを握っているのではないかと考えている。 「洞窟では骨が保存されやすいということもあるが、洞窟に多様な集団が集まることが要因ではないか。」

∴人類は足の指が先祖返りし、木に登ることができない「カタワのサル」。洞窟に隠れ住むしかなかった事実が、古人類の交雑を促したのではないだろうか。

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2020年01月19日

1000万年前以降、衰退する類人猿と台頭するオナガザル

現在の類人猿の棲息場所は、アフリカと東南アジアの赤道付近に限られているが、かつてはアジア~ヨーロッパ全域に分布していた。

1800万年前以降、類人猿はアラビアから西はヨーロッパ、東は中国までユーラシア全域に広がっていた。
ところが、1400万~1300万年前以降、アフリカの類人猿化石は発見されなくなる。
アフリカのゴリラやチンパンジーに直接つながる化石は何も見つかっていない。

次いで1000万年前以降、ユーラシアでも類人猿化石が減少。
1000万年前以降、ヨーロッパでも類人猿化石が減少。インド亜大陸の北部でも、800万年前頃を境に類人猿が化石記録から消える。但し、中国南部や東南アジアではオランウータンやテナガザルの化石が出土している。

衰退しアフリカ・東南アジアの赤道付近に追いやられた類人猿に代わって、各地でオナガザル科の霊長類(旧世界ザル)が台頭し、現在のようにアフリカとアジアで多様化し、繁栄した。

個体の腕力(→肉弾戦)が強いのは類人猿だが、化石記録から見る限り、種としての適応力が高いのはオナガザルと考えるべきだだろう。
実際、チンパンジーもゴリラもオランウータンも絶滅危惧種となっている(オナガザルはそれほどでもない)。
チンパンジーが父系制という特異な集団形態になったのも、オナガザルによって絶滅の危機に瀕したことがあったからではないか?

類人猿化石の分布図 「義経はお盛ん?大型類人猿」より。

以下、「東部ユーラシア新第三紀の化石類人猿」(國松豊 京都大学霊長類研究所)から転載。

現在では類人猿の分布はアフリカの赤道付近のコンゴ盆地から西アフリカにかけての森林と, 東南アジアのインドシナ半島やスマトラ, ジャワ,ボルネオなどの島撰部の森林に限られている。しかし, 過去においては化石類人猿の分布は現生類人猿のそれよりいちじるしく広く, 現在, 類人猿が棲息している地域から遠く離れた南アフリカやアラビア半島, ヨーロッパからも類人猿の化石が発見されている。

類人猿と思われる最古の化石は漸新世後期(2500万年前) のもので, ケニヤ北部ロシドク から見つかったカモヤピテクスである。その後,中新世(2300万~530万年前)前半には主に東アフリカからプロコンスルをはじめとする多様な化石類人猿が知られている。

1600~1700万年前頃のユーラシア類人猿(グリフォピテクス)はまだ比較的原始的なものだったが, 1200~1300万年前頃になると,現生類人猿との結びつきをうかがわせる比較的進化したタイプが, ヨーロッパ (ドリオピテクス) や,アジア(シヴァピテクス)に出現する。これらがそれ以前にユーラシアに進出したグリフォピテクスのようなものから直接進化したのか, あるいはアフリカからユーラシアへ新たに進出してきたのかは, いまのところ明らかではない。

ユーラシアの化石類人猿は, ヨーロッパや南アジアでは一部の例外をのぞいて800万年前頃を境に姿を消した。
中国南部から東南アジアでは更新世(260万~1万年前)のオランウータンの化石が若干見つかっているが, 800万年以降の中新世(2300万~530万年前)後期から鮮新世(530万~260万年前)の時期に彼らがどのような進化の道筋を辿っていたのかについてはほとんどわかっていない。
テナガザルについては, 更新世(260万~1万年前)の化石は幾らかあるものの,それ以前の進化史については知られていない。

アフリカでは, ユーラシアで化石類人猿が繁栄していくのと入れ替わるように, 1300~1400万年前以降の時代の類人猿化石の発見は非常に稀である。
ケニヤのトゥゲン丘陵から見つかったオロリン・ツゲネンシス (600万年前) や, ほぼ同じ時代(600~700万年前) のものとされるチャドのサヘラントロプス・チャデンシスなど, ごく初期の人類化石が出始めるまで, 数百万年のあいだ, ヒト上科の化石はほとんど見つかっていない。
現生のゴリラやチンパンジーの系統とわかる化石記録は皆無である。

これに対して, 中新世(2300万~530万年前)の後半からはオナガザル上科が台頭を始める。
1500万年前のケニヤのマボコからはケニヤピテクスなどの類人猿化石にならんで, 原始的なオナガザル上科(ヴィクトリアピテクス) が大量に出土している。
後期中新世(1000万~530万年前)から鮮新世(530万~260万年前)以降は, アフリカ, ヨーロッパ, アジア各地で現代型のオナガザル上科 (コロブス亜科, オナガザル亜科) が化石記録の上に続々と現れる。
現在では, 種数も分布域も限られている類人猿にくらべて, オナガザル類は, 寒冷になりすぎたヨーロッパでは絶滅したものの, アフリカとアジアにおいては多様な種類に分化し, 繁栄している。

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2020年01月14日

世界の地域別血液型割合(A・B・O・AB)

●世界平均    A型35% B型17% O型44% AB型5%
「世界の人種・民族別血液型割合」から転載。

●アジア・オーストラリア
日本      A型38% B型22% O型31% AB型9%
ネパール    A型37% B型24% O型30% AB型9%
チベット    A型37% B型24% O型30% AB型9%
オーストラリア A型40% B型10% O型47% AB型3%

韓国      A型32% B型30% O型27% AB型11%
中国      A型30% B型29% O型33% AB型8%
台湾      A型27% B型23% O型44% AB型6%
フィリピン   A型26% B型24% O型45% AB型5%
スリランカ   A型22% B型26% O型47% AB型5%
ミャンマー   A型25% B型32% O型35% AB型8%
タイ      A型22% B型33% O型39% AB型6%
マレーシア   A型25% B型29% O型38% AB型8%
ベトナム    A型22% B型31% O型42% AB型5%
カンボジア   A型23% B型35% O型39% AB型3%
モンゴル    A型22% B型34% O型37% AB型7%

インド     A型21% B型41% O型29% AB型9%
イラン     A型25% B型34% O型31% AB型10%
アフガニスタン A型25% B型36% O型29% AB型10%
パキスタン   A型25% B型34% O型31% AB型10%

●中東・北アフリカ
イラク     A型31% B型26% O型35% AB型8%
クウェート   A型24% B型24% O型47% AB型5%
エジプト    A型34% B型24% O型34% AB型8%
リビア     A型36% B型19% O型40% AB型5%
チュニジア   A型31% B型18% O型46% AB型5%
アルジェリア  A型39% B型13% O型44% AB型4%
モロッコ    A型34% B型23% O型37% AB型6%
ナイジェリア  A型21% B型23% O型52% AB型4%

●中央アフリカ・南アフリカ
エチオピア   A型28% B型21% O型47% AB型4%
ソマリア    A型26% B型13% O型58% AB型3%
チャド     A型27% B型26% O型45% AB型2%
セネガル    A型25% B型21% O型50% AB型4%
リベリア    A型25% B型24% O型46% AB型5%
ガーナ     A型22% B型25% O型49% AB型4%
カメルーン   A型22% B型21% O型54% AB型3%
コンゴ     A型27% B型20% O型49% AB型4%
ギニア     A型17% B型17% O型64% AB型2%
アンゴラ    A型25% B型22% O型49% AB型4%
ウガンダ    A型23% B型23% O型49% AB型4%
モザンビーク  A型23% B型17% O型57% AB型3%
マダガスカル  A型23% B型28% O型43% AB型6%
ケニア     A型26% B型22% O型49% AB型3%
ザンビア    A型25% B型27% O型45% AB型3%
南アフリカ   A型35% B型16% O型45% AB型4%

●北欧・西欧
ノルウエー   A型49% B型8% O型39% AB型4%
スウェーデン  A型47% B型10% O型38% AB型5%
フィンランド  A型42% B型18% O型33% AB型7%
デンマーク   A型44% B型10% O型42% AB型4%
フランス    A型44% B型8% O型43% AB型4%
スペイン    A型45% B型9% O型42% AB型4%
ポルトガル   A型48% B型8% O型41% AB型3%
ドイツ     A型43% B型13% O型38% AB型6%
オーストリア  A型44% B型13% O型39% AB型4%
スイス     A型47% B型8% O型42% AB型3%

●東欧~トルコ
チェコスロバキアA型41% B型18% O型33% AB型8%
ハンガリー   A型43% B型19% O型30% AB型8%
ポーランド   A型38% B型19% O型35% AB型8%
ユーゴスラビア A型42% B型14% O型37% AB型7%
ルーマニア   A型45% B型17% O型34% AB型7%
ブルガリア   A型44% B型16% O型32% AB型8%
アルメニア   A型50% B型13% O型29% AB型8%
キプロス    A型46% B型13% O型35% AB型6%
トルコ     A型45% B型15% O型33% AB型7%
レバノン    A型47% B型12% O型36% AB型5%

●北米・南米
アメリカ    A型41% B型10% O型45% AB型4%
メキシコ    A型11% B型4% O型84% AB型1%
グァテマラ   A型3% B型2% O型95% AB型0%
エルサルバドル A型26% B型11% O型60% AB型3%
ニカラグア   A型7% B型1% O型92% AB型0%
コスタリカ   A型31% B型13% O型53% AB型3%
キューバ    A型36% B型12% O型49% AB型3%
ジャマイカ   A型20% B型21% O型56% AB型3%
ドミニカ共和国 A型31% B型13% O型53% AB型3%
ハイチ     A型27% B型18% O型51% AB型4%
プエルトリコ  A型30% B型13% O型47% AB型10%
ボリビア    A型5% B型2% O型93% AB型0%

「知識の泉Haru’sトリビア★世界の血液型とその分布を知ろう!」から転載。

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2020年01月14日

世界の血液型因子(A・B・O)の分布図

「知識の泉Haru’sトリビア★世界の血液型とその分布を知ろう!」から転載。

A型因子の分布図
★世界の血液型とその分布を知ろう!_a0028694_112739.gif
血液型因子分布の世界平均は、 A23% B11% O66%
A型は北欧から西ヨーロッパにかけてに多く、 A型の最も多い地域は北スカンジナビア、特にモンタナのブラツクフットインディアン(30-35%)、オーストラリア原住民(多くのグループが40-53%です)、ラップ人か、サミィの人々(50-90%)です。

B型因子の分布図
★世界の血液型とその分布を知ろう!_a0028694_11275115.gif
血液型因子分布の世界平均は、 A23% B11% O66%
B血液が最も多いのは中央のアジアで、比較的多いのがアフリカです。少ないのがアメリカ大陸とオーストラリアです。

O型因子の分布図
★世界の血液型とその分布を知ろう!_a0028694_11282821.gif
血液型因子分布の世界平均は、 A23% B11% O66%
O血液型は世界中で一番多く、分布比率が100%に近いのが中南米の原住民、オーストラリア原住民と西欧(特にケルト族の先祖がいる人口における)です。 O型が少ないの東欧と中央アジアで、そこで多いのがB型です。

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2020年01月07日

西洋婚姻史=性の覇権闘争史②

西洋婚姻史=性の覇権闘争史①に続き、中世の結婚、14世紀の結婚、プロテスタント主義の影響、近代の結婚をリンクより引き続き紹介します。

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■中世の婚姻
中世を通じて、婚姻の管理は宗教的権威の任務と考えられていた。教会は、婚姻のような宗教的意義をもつ行為は、教会の祝福が必要であると要求した。そこで結婚する本人たちは教会に集まり、そこで司祭の祝福を受けることが慣習となった。しかし婚姻締結そのものは当事者間の私的契約として残った。この婚姻の合意は、それに続く肉体的結合により秘跡にまで高められ、かくて婚姻は不解消のものとなる。これは1917年制定の教会法に基づき、今日もなおローマ・カトリック教会の法として定められている。教会の扉のところで司祭の祝福を受ける慣習は、その後宗教的義務として確立された。その正式決定は、1215年の第4回ラテラノ公会議で発布された。しかしこの布告に対する違反は、教会からの懲戒と処罰をもたらしただけで、婚姻そのものを無効にするものではなかった。

■14世紀の結婚
若者と家族が結婚に同意すると、婚約式がとり行われた。それは指輪の交換によって確認された。指輪は2つ用意され、婚約者は互に相手の指輪を受けとった。これは単なる指輪の交換ではなく、法的効力をもった。
契約の監視人である教会は、典礼定式書に従って婚約を公にする役割をもった。婚約者である二人は、両親、友人とともに教会に行き、戸口で主任司祭の前で婚約を誓った。そして40日の間「婚姻」を公示したあと、その教会の戸口で結婚式が行われ、そのあと教会の中でミサが行われた。

■プロテスタント主義の影響
1563年のトリエント公会議で、婚姻の有効性の必須条件として、結婚式は主任司祭ないし教区司教により、また最低2名の証人を必要とするという決定が下された。かくして、無式結婚も内密婚も不可能となった。しかしこの教会法の宣告が適用された地域は、ローマ教会に忠誠を捧げる範囲に限られた。
16世紀の宗教改革により、婚姻を民事的な契約であるという考え方が強くなった。この影響を受け、イギリスではクロンウェル治下に出された民事婚条例(1653)で、婚姻する男女が判事の前で誓うことで法的に有効となった。その後変転をみたが、1753年の婚姻法改正によって、婚姻が有効であるためには、婚姻予告の公示を行い、その後にイギリス国教会の司式規則にのっとった儀式を行うことが必要になった。

■近代の結婚
17世紀までのヨーロッパの国々にとって、婚姻は明らかに宗教的な出来事であった。しかしイギリスでは、1836年の「婚姻法」によって聖職者でない登録官の面前でも行われるようになった。だがこれにより、当事者は特定の事項を記載した通知書を提出し、登録官の面前で宣誓するのであるが、教会での宣誓とは違い、登録官事務所の挙式では「汝を妻とする」と述べるだけである。ただし統合婚姻法(1949)により、イギリス国教会で挙式する場合には、「事前に婚姻予告の公表をしなければならない」など伝統的な規定がある。
イギリス植民地であったアメリカでは、コモン・ロー婚、つまり両当事者の合意だけで成立する無式婚姻であった。コモン・ロー婚はイギリスで1753年禁止されたことがあるが、植民地であるアメリカには適用されなかった。1776年アメリカが独立して以来、婚姻は民事契約とする考え方が一般的で、今日ではアメリカのほとんどの州で、このような法令が制定されている。合衆国では一般に、結婚式を挙げた州の法律に従っていれば、住所地の法律と違っていても婚姻の効力は有効とされる。
ヨーロッパでの「民事婚」の確立は、フランス革命によるものであり、1791年の革命憲法には「法律は婚姻を民事契約とのみ認める」と宣言された。そこでは、聖職者でない市長、村長の面前で行われる儀式以外に有効な婚姻はないものとされ、民事婚が義務づけられたのである。民事婚の義務は、その後フランスからヨーロッパの他の国々へと広がっていった。
(引用終わり)
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2020年01月06日

人類の起源と拡散⇒Y染色体亜型分布よりも確かな血液型分布

人類の起源と拡散を追求する上では、Y染色体亜型分布よりも血液型分布の方が確かである。

例えば、血液型O型の両親からはO型しか生まれないなど、血液型の遺伝法則は間違いない事実であり、DNAの極一部の配列だけで決められたY染色体亜型よりも、はるかに確かな拠り所である。
また、Y染色体亜型分布の標本数が少ないのに対して、血液型の標本数は膨大にあり、統計的な信頼度ははるかに高い。
何より、Y染色体亜型が現生人類だけの分類にすぎないのに対して、血液型は霊長類から存在する。従って人類の起源を追求する立脚点としては血液型の方が適している。

●類人猿と人類の血液型
テナガザルは、A型、B型、AB型(O型はなし)
チンパンジーはA型9割、O型1割(B型、AB型はなし)
ゴリラはB型10割(A型、O型、AB型はなし)
オランウータンと人類は、A型、B型、O型、AB型

●世界の人種・民族別の血液型割合
140393238635341545225
社会実情データ図録より

●血液型因子(A、B、O)の人種・民族別割合
血液因子は父親、母親からそれぞれひとつずつ子供にもたらされ、子供の血液型を決めることになる。血液型にはAB型、A型、B型、O型の4種類があるが、その血液型を構成する元は、父親と母親からもたらされるA因子とB因子である。血液型の分布をA因子とB因子の存在確率に直す計算を行った。その結果を示したのがこの表である。
140397042339884282225
「アルケミストは考えた~世界のABO式血液型分布と、そこから推量されることがら」より。

●血液型の世界分布図
140394570089602627225 140394572494198715225 140394576449857872225
社会実情データ図録より
A型の分布は、ヨーロッパで割合が高い点が目立っている。また北極圏やオーストラリア原住民でも割合が高い。アジアでは、日本も高い。
B型の分布は、インドから中央アジア、西シベリアをへて北極海へ抜ける地域(東南アジア大陸部へも広がる地域)、及び韓国、満州など東北アジア地域で多い点が目立っている。日本もこれに連なっている。
O型は、他の血液型に比べて世界的に割合が高いが、特に、ラテンアメリカで割合が高くなっている。日本はユーラシア大陸の中緯度帯と同様、O型が相対的に少ない。

●血液型から見た民族系譜
140394580011563709225
社会実情データ図録
これはアフリカ起源説とは全く違う、人類の起源と拡散過程を示している。
アジア起源で人類は誕生し、それがヨーロッパ・アフリカへ分岐していったとも読み取れる図である。

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