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2020年05月28日

スーパーシティ構想は共同体社会とは対極!超監視型の特定企業統治で利権社会そのもの

コロナ禍が束の間、落ち着きつつある状況だが、表題のスーパーシティ法案が参議院で可決されたという報道がにわかに出てきた。このスーパーシティという構想自体、海外(ドバイ、杭州、トロントなど)の先進事例から遅れまいとした薄っぺらい構想でしかなく、特定の企業に都市を統治させるという危険な意図が隠されている。このことからカナダでは住民の反対から中止に追いやられたらしい。

そもそも安倍政権の国家戦略特区という政策に基づくものであるが、政権に近しい利権団体がお仲間による審議会ででっち上げて政策化制度化しその利権を分け合っているに過ぎず、国家戦略とは程遠い。このご時世、あまねく国民の恩恵がある政策こそが有効であるが、現行の政治、行政制度では実現が困難である。

地域の自主自立とこのスーパーシティ構想は規模こそ同じように感じられるが、根本原理が違うようだ。この違いをあぶりだすことが次代の社会に向けて必要だと思う。

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2020年05月26日

【世界の各部族の婚姻形態シリーズ】乱交・兄妹婚を経て交叉婚に至った部族

交叉婚とは、人工が増え同類闘争の緊張圧力が高まり集団統合力を強化する必要から、氏族ごとの閉鎖性を打破するために、部族内で定められた他の氏族の異性たちと交わり合う婚姻制度。
乱交・兄妹婚を経て交叉婚に至った部族が多いようです。

リンクより紹介します。

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■ベネズエラ海岸地方の諸部族

最初に訪れた航海者の記録によると、160 人を収容する共有の大家屋に住み、望むだけの妻を娶り、夫を迎え、欲するがままに相互に棄てるが、それを少しも不正とは思っておらず、嫉妬も存在しない。
※集団が分割される直前(兄妹婚に至る前)の乱交期と推定される。

■ポリネシア

マレー制度の事例で、集団内において実の兄弟姉妹の雑婚が行われていたことを示す。全ての血縁関係を、両親、子供、祖父母、孫、兄弟姉妹の5つの語で表現し、父母の兄弟姉妹は全て自分の父母、その子供たちは全て自分の子供、その子供たちは全て自分の孫とされる。即ち、男にとって姉妹とは、全て自分の妻であると同時に兄弟の妻であり、自分の子と兄弟の子を判別するのは不可能であるから、全て自分の子供となる。女の場合には、自分の子供と姉妹の子供の識別が可能であるが、実母と継母は区別されないので、全て自分の子供となる。
※兄妹婚の典型事例。但し、実態は班内乱交であり、中心的には兄妹婚であるが、父子婚・母子婚もあったと考えられる。

■発見当時のハワイ・トンガ

発見当時は、実の兄弟姉妹間の婚姻が行われており、交叉婚に移行した後も、兄弟の妻、妻の姉妹を“我が妻”と呼び、夫の兄弟を“我が夫”と呼ぶ慣習が残っていた。当時の宣教師は、「多夫多妻、姦通、不義、近親相姦、嬰子殺し、夫妻・子・親の遺棄等が頻繁に行われている」と語っているが、婚姻関係を結んでいる大集団を、食糧の確保と相互防衛のために小家族に細分化し、各人はその小家族を随意に転移したことから、外見上、遺棄が多発しているように観察されたのであろう。

■カミラロイ族等(オーストラリア原住民)

交叉婚の代表事例。氏族内の通婚を禁止。氏族が2つだった時代には、一方の氏族の女性全員が他方の氏族の男性全員の妻であった。その後人口増によって、6つの氏族に分かれ、この6つの氏族が、原氏族を同じくする2つの胞族グループに編成され、さらに婚姻規範として、4つの婚姻グループが定められた。即ち、一方の胞族は全て、第1また第2婚姻グループに、他方の胞族は全て、第3又は第4婚姻グループに属し、一方の胞族内の第1グループの姉妹たち(又は兄弟たち)は、他方の胞族内の第4グループの兄弟たち(又は姉妹たち)とのみ、通婚が許される形態である。生まれた子供は母親の氏族に所属し、第1婚姻グループの女と第4婚姻グループの男の間にできた子は、第3婚姻グループに属する等の取り決めがある。
※同類闘争圧力△→集団統合圧力△を背景に、兄妹婚(班内乱交)による各単位集団の自立性・閉鎖性を打破するために、氏族内の通婚の禁止=班外との婚姻を制度化したもの。つまり、交叉婚である。第1と第4グループ、第2と第3グループという組合せで、部族が単位集団間の婚姻相手を決定している。

■インディアン70 部族

ツラン血縁制度の事例。マレー制度の両親・子供・祖父母・孫・兄弟姉妹の区分に、伯父・伯母・甥・姪・従兄弟姉妹の語が加わっている。マレー制度が、「父母の兄弟姉妹は全て自分の父母、彼らの子供たちは自分の兄弟姉妹」としているのに対して、ツラン血縁制度では、伯父・伯母を男女共に母の兄弟と父の姉妹にのみ適用し、父の兄弟、母の姉妹は自分の父母としている。また甥・姪を、男から見て、姉妹及び従姉妹の子供(女から見て兄弟及び従兄弟の子供)にのみ適用し、兄弟(女の場合は姉妹)の子供を自分の子としている。即ちこの制度では、男にとっては、姉妹はもはや妻ではなく、その子供を表現するために、新しい親族関係を表す言葉が必要になったということである。
※ツラン血縁制度とは、実の兄弟姉妹の婚姻を禁止した交叉婚(班外乱交)の形態であり、氏族の兄弟(又は姉妹)は、なお婚姻単位として一体である。

■タヒチ島:ポリネシア

娘は12~13 歳で母親から性交のテクニックなどを教わり、奔放にセックスを楽しむ。初めてタヒチを訪れたスペイン人は、喜んで自分の妻や娘、妹などを提供する島民に驚かされたが、来る者は拒まない博愛主義は今も根強く、未婚女性の妊娠さえ、相手が何人であれ家族の歓迎を受ける。

※逃げ延びてたどり着いた先が、食糧の豊富な隔絶孤島であり、同類闘争圧力・対自然闘争圧力ともに殆ど存在しない、外圧ゼロの状態。採取が容易なので闘争・生産の規範が後退し、かわって性第一の規範が形成される。それに伴い、女の性役規範が強化・貫徹され、男の性欠乏の上昇を受けて、女も性欠乏を上昇させ、性機能に磨きをかけていく。∴男女の性をめぐる需要と供給はバランスし、性的商品価値→女の選択特権=性権力が登場しない。
豊かな土地故に、人口増大→集団規模が拡大してゆくが、生殖第一で、集団統合力が弱いので、分派・独立を繰り返す。そこで縄張り争いなどの対立も生じるが、(元々島民は同部族であり)セックスを武器とする外交で止揚。これが習慣化して、他部族・異国の来訪者に対しても性的歓迎を行う。

■トロブリアンド島:ニューギニア
(1914 年から5年間実態調査を行った人類学者マリノフスキーの記録。それ以前に宣教師が訪れている。)

・生活形態-漁労と農耕。主食はヤムイモとタロイモで、魚介類は時たま食べる程度。
・集団-母系の氏族集団。
・男女関係-性交渉に束縛はなく、幼い頃から性的遊戯にふけり、女は6~8歳、男は10~12 歳から本格的性生活を始める。思春期になると兄弟と姉妹は別居、男子は独身の男に預けられ、女子は未亡人又は母方の親戚の家に移される。この時期になると遊戯から脱して、セックスに情熱を傾けるが、恋人同士でも貞節は要求されない。若者はデートのたびに娘に贈り物をすることが義務。さらに成長すると、継続的情事の相手と、そのために作られた“若者の家”で結婚前の同棲生活を始め、セックスもかなり排他的になる。結婚を承認するのは娘の母親の兄弟で、男の家族には口を挟む権利はない。婚姻の際は、妻が持参金を夫に渡し、夫の両親のもとでしばらく生活するが、その後独立。妻の実家が永続的な経済的義務を負う。家庭内の仕事分担は決まっており、妻は料理と水汲み、夫はもっぱら子供の世話を行う。しかし、島民は性交の結果妊娠するとは考えておらず、子供は女だけで作るもので、父と子の間に肉体的つながりは全くないとされている。

※タヒチ島と同様の条件下に置かれ、性役規範が強固に確立されていることから女の性権力は登場しない。無圧力故に、強力な集団統合の必要がなく、集団はより小単位へ分解されてゆき、さらに島の量的限界まで人口の増大が進むと、財産意識≒私有意識が発達し、集団は家族単位(=血縁がたどれる最小単位)にまで分解される。私有権をめぐる争いが増大し、財産の継承権を明確化する必要から、人工的婚姻制度が導入され、母系制であることから婿取婚となった。しかし、これは人工的制度に過ぎず、集団婚の風習(記述から交叉婚であることは明らか)は、女の性権力が発達していないことも手伝って濃厚に残存することになる。

性役規範が貫徹されていることから、女は男を立てる(実権はバアサマでも、表向きの名目権は酋長=男)という規範も守られている。

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2020年05月21日

今回のコロナ禍でグローバル社会から共同体社会へ転換するのか? -エピローグ

これまで5回にわたり、共同体社会へ転換するのかを探ってきた。この間1か月の間でも、ますます政府、行政をはじめとする旧来の権力や既得権に対する反感が強まなってきており、自主自立への期待感と焦りが顕在化してきた。

これからは、相変わらず既存マスメディアによる洗脳が解けず、古い現実のまま生活するか、新しい現実を切り開いて生活するかという課題に直面する時代になる予感がする。

つまり、もう対立軸として意識させられてきた左右(保守・革新)でもなく、上下(支配・被支配)でもなく、新しい現実を意識できるか否か、それを実現していくことに収れんしていくのではないだろうか?

その果てに、人類の根源的な生存スタイルとしての共同体社会というものが最先端の持続可能ななシステムとして見えてくる。

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2020年05月14日

今回のコロナ禍でグローバル社会から共同体社会へ転換するのか? -5.本来の共同体が持っていた機能としての福祉、教育などを共同体で取り組んでいく課題

前回、主体的な合意形成こそ共同体にとって生命線となり、必然的に社会統合のシステムを変えていく潮流を生み出していくこととなるだろう。と結んだが、今回は、その課題の中身として、かつての共同体が持っていた福祉や教育など、どう取り組んでいくか考察したい。

近代の市場経済にとって、外部経済として経済価値に寄与しない領域として福祉や教育、ひいては家事労働をとらえてきた。現在は、この領域も市場化されたサービスとして存在する一面がある。ただし、国などの社会的な補助、助成がないと成立しない面も否めない。かつては、自給自足が当たり前の共同体としてそれらの課題を包摂し、成員全員が担うべき根底的な課題で、国家主導による強制などではなく血の通った期待の中で成果を上げてきた。まさに自主自立を原則とした中で全員が主体的に取り組んだものであった。つまり、これらの課題は市場にはそぐわないことを意味している。

コロナ禍を契機として、グローバル経済の限界と終焉の予感が増大するいま、市場経済にそぐわない課題が浮き彫りになり社会システムの見直しが求められる。その先進事例を紹介したい。

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2020年05月12日

言語の進化過程(4) ~人類は1.5万年前に洞窟を出てから、一気に言葉の数を増やした~

動物の鳴き声は、みんな(or相手)に、何かを伝えるためにあります。伝えたい内容は、主に危険や餌の発見、あるいは威嚇や発情。
人類の言葉も、みんなに何かを伝えるためにあるように見えます。しかし、人類の言葉の生命部分は、伝える手前の追求の過程にこそ宿っています。即ち人類の言葉は、「みんなで考える(答えを出す)」と同時に、「みんなに伝える」という二重性を持っています。大事なのは、言葉を発する前にある伝えたい答え=何らかの意識or認識なのです。
以下、『るいネット」の記事から言語の進化過程を紹介します。(リンク)(リンク

●予測の重要性から、未来への意思や推測であることを区別する意志動詞や予測動詞が生み出され、続いて過去と現在の区別(時制)を明示する動詞の語尾変化が生まれた。

先を読む必要は、洞窟時代から極めて高かったが、それは動容詞や時詞や所詞によって示されていた。しかし、それらだけでは、現在の事象を伝えているのか、未来に向けての意思・願望を伝えているのか、あるいは先の予測を伝えているのかが、不分明である。
しかし、洞窟の外に出る時間が増えてゆくにつれて、未来に向けての意思や願望を伝える必要や先を読む必要も高くなってゆく。かくして、(未来に向けての)意思や推測を示す接頭詞に加えて、意思や推定であることを明示する「~したい」「~だろう」等の意思動詞や推測動詞が生み出された。

また、先を読むためには、過去を知る必要も高くなる。そして、それを正確に伝えるためには、現在と過去を区別する必要も高くなる。そこで、動容詞の語尾を変化させて現在と過去を区別するようになり、それに伴って動詞の時制による語尾変化の活用規則が不文律として定められていった。

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2020年05月07日

今回のコロナ禍でグローバル社会から共同体社会へ転換するのか? -4.既存ライフラインへの危機感とエネルギー自給への流れ

前回は食糧を中心とした自給自足経済への流れを紹介した。引き続き、エネルギーなどのライフラインの自給自足への流れを紹介したい。

これまでは、水道民営化と称して多国籍企業などの参入が画策され、南米ボリビア等では料金の高騰と維持管理が問題視された。また、日本でも自治体レベルで水道民営化が始まっている。今回のコロナ禍で自治体の公営企業だからこそ、特例措置として水道無料化などが可能となったが、グローバル化を推進するとこういう危機に対しては、住民のことよりも利益優先となり極めて脆弱となりかねない。

一方、電力関係では東日本大震災の経験により発送電分離が進められ、各地域における発電事業が参入しやすくなっている。官民問わず、地域に応じた発電ができる基盤が整いつつあり、100%自給自足を達成した地域も出てきた。コロナ禍による影響はまだ顕在化していないが地域密着の自給自足は加速されていくものと推察できる。

むしろ、コロナ禍ではテレワークを余儀なくされた企業が多く、情報インフラが一気に進んだ。そしてそれは行き過ぎた都市集中からの脱却が進んでいくことを示唆している。これについてはまだまだ検討の余地があるものの、ピラミッド型の組織統合、決済に一石を投じる意識が芽生え、合意形成のありかたが顕在化してきた。

社会にとっての自給自足という観点では、この合意形成のありかたの転換こそがもっとも重要である。かつて日本の村落共同体では寄合と称し、全員が合意に至ることで物事を決めていくスタイルがあった。上からのお仕着せではなく主体的な合意形成こそ共同体にとって生命線となるからで、必然的に社会統合のシステムを変えていく潮流を生み出していくこととなるだろう。

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2020年05月07日

【世界の各部族の婚姻形態シリーズ】一夫多妻制の遊牧部族

一夫一婦制が当たり前となっている現代人にとって、一夫多妻制にあまりいイメージを抱いていない人が多いように思います。
地域によっては古来からの一夫多妻制を継承している部族もいると聞きますので、それが集団を維持するのに最適な形態といえるのかもしれません。
今回は一夫多妻制の遊牧部族についてお伝えします。

今回紹介する部族は以下です。
・イピリ族:ニューギニア
・砂漠のベトウィン族:アラビア
・女だけの軍隊-ダホメ王国女の戦士の活躍:西アフリカ
リンクより紹介します。

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■イピリ族:ニューギニア
(政府の教化政策を受けて白人との通商が行われているらしく、金銭感覚が発達。)

・生活形態-一日の寒暖の差が非常に激しいニューギニア高地に住む。農耕を知らず、主食は甘薯のみといった貧しさで、他部族とのトラブルが絶えない。男は皆戦士だが、時々狩猟をする程度で、日頃は終日お洒落に励んでいる。家畜として飼っている豚が貴重な財産。婚資に用いられている模様。

・男女関係-一夫多妻。婚前交渉と姦通はタブー。特に姦通は疑いをかけられただけで女が殺されるほど厳しいタブーだが、夫にかまってもらえずに欲求不満に陥った女がさかんに男を誘うこともある。

※姦通・婚前交渉のタブーは、乱交を経ていない証拠であり、ボス集中婚→上位集中婚→一夫多妻制の流れと見られる。ニューギニアは好戦的部族が多く、大陸から太平洋諸島へ脱出する部族の通過点ともなるため、強力な同類闘争圧力の下にあり、その結果、集中婚規範が貫徹、同類闘争に負けて高地に逃げ延びてからも、男の主導権の下に上位集中婚が維持された。その後圧力が衰弱し、私有意識の増大を背景にして、一夫多妻制に移行したものと考えられる。(お洒落に励んでいるというのは、兵士は採集(女の仕事)などしないという規範と矜持(きょうじ)を持つ故。)

■砂漠のベトウィン族:アラビア

アラビア砂漠に住む回教徒だが、未婚女性のセックスは自由奔放。婚前交渉から生じるトラブルの責任は、全て男が取らなければならない。例えば女を棄てると、当人と近親者の男2人が断首刑に処せられる。結婚の自由も女に認められており、気に入らない縁談は拒否できる。しかし結婚後の姦通については厳しく、離縁されたのち実家の男たちの手で処罰される。

※砂漠の遊牧民は、自然圧力・同類闘争圧力ともに強く、基本的に男主導の社会を形成する。男の主導権+私有意識の強さ(→財産継承権明確化の必要)から生じた女買い取り制=一夫多妻制の事例である。買い取り制の下では、できる限り高く買わせるために、女が性的商品価値の一層の上昇を企むことは当然であり、男を挑発して婚前乱交の場=性市場を形成し、加えて婚前交渉の責任は男にあるという性規範を確立させた。買い手が決まれば女は一生安泰で、男の私有意識から姦通はタブーとなる。

■女だけの軍隊-ダホメ王国女の戦士の活躍:西アフリカ

ダホメ王国は17 世紀初頭西アフリカの海岸沿いに建設され、ヨーロッパ人との奴隷貿易で繁栄した悪名高き国。19 世紀に入って奴隷貿易が非難を浴び、アメリカが奴隷制度を廃止したことも重なって衰兆。1892 年にフランスの植民地となるが、1960 年の独立まで絶対君主制を維持。
王の親衛隊は、右翼、中軍、左翼の組織された常備軍よりなるが、うち最も規律厳正で勇猛果敢な突撃隊が、2500 名の女の戦士で構成された中軍。戦士は国内の適齢期に達した娘の中から、ハーレムに入る美女を除いて有望な娘を選抜。加えて有罪宣告を受けた女も刑務所がわりに入隊させられ、彼女たちは王宮の一画に住み、男たちから厳重に隔離されて、精鋭部隊としての教育を受ける。
女軍は、小銃手隊を中心とする本隊、ラッパ銃手隊をふくむ古参部隊、最も勇敢な象狩り部隊、敵の隊長の首を落とす大カミソリ部隊、観兵式専用の若い娘の弓矢隊に分かれ、その腕の冴えは男性をはるかにしのぎ、フランス陸軍をして“アフリカでこれほど手に負えない軍隊はかつて見なかった”と告白させている。ドゴール大統領があっさりと独立を認めたのも、女の戦士の勇名がとどろいていたためとされている。

※女の数が男の数よりはるかに多く、庶民まで一夫多妻制をとっている点から見て、戦争で多くの男の兵士を失い、やむなく女を使うことになり、戦力化に力を注ぐと同時に苦しい内情を悟られぬように、その能力を誇大宣伝したとも考えられる。結果的には性権力などふるいようのない環境で女を有効活用。女の中でも力の強い上位数%に厳しい訓練をほどこせば、平均的男の力に勝るのも当然と思われるが、女だけの軍隊という物珍しさも手伝って、かなり誇張された評判が語り継がれた可能性も高い。

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2020年04月30日

今回のコロナ禍でグローバル社会から共同体社会へ転換するのか? -3.グローバル経済からの脱却と自給自足型経済への流れ

 

地域によってコロナ禍の収束に向かっているかの兆しが出てきたが、まだまだ感染は続いている。

その中で、これまでのグローバル経済推進の流れから自給自足経済へ反転する動き出てきている。この潮流は以前から、反TPPなど国民生活を根底から脅かす恐れがあるものに対して警鐘が鳴らされてきたが、コロナ禍を機に国際的な物流や事業継続性にとって、古くて新しい自給自足こそが強いと再認識する動きが加速されている。

今、最も需要が高いマスクについてはTVの報道でも扱われているが、国際的な分業で国産は2割に満たないという体たらくで、すぐには改善できない。そしてこれまでも指摘されてきたが、そもそも日本はライフラインとなるエネルギー、食糧さえ輸入に依存しており、実は地熱、メタンハイドレート、小水力発電、ひいてはフリーエネルギーの開発など自立できる力はいくらでも探索できる。食糧についても休耕地等の整備次第では自給に近づけるのである。グローバリストの効率というまやかしはコロナ禍を通じてもはや通じないところまで切迫してきている。そのような潮流を紹介したい。

 

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2020年04月28日

言語の進化過程(3) ~追求すべき対象が増えていくと共に、より正確に捉えることができる方向に言語が進化していった。

現代の言語学は、インド・ヨーロッパ語族という括りがあるように、各言語の「語彙」や「文法」を比較することで共通の祖語や派生語を追求する方法をとっています。しかし、この方法(切り口)では、言語の系統樹は作れても、言語がどのよう生まれて進化していったかを辿るには限界があります。

★言語(言葉)は、何のために、どのようにが生まれたのか!?
本質部分を追求するには、何より始原人類の置かれた状況(外圧)に同化することが必要になります。
前回に続き、『るいネット』の記事から言語の進化過程を紹介します。(リンク)(リンク

◆観念機能が発達するにつれて、追求すべき対象が増えてゆくと共に、より正確に捉えることができる方向に、言葉が進化していった。

人類が最初に見た「精霊」は、おそらく生命力の塊のようなものだったろう。しかし、それが言葉として発せられた時、おそらくその言葉は「ぴかぴか」とか「くるくる」というような擬態語だっただろう。そして、その擬態語には、生命の躍動感が込められていたに違いない。
人類の最初の言葉が擬態語や擬音語であったことは、乳児が発する言葉からも、又(最後まで侵略による破壊を免れた)縄文語→日本語に残る擬態語・擬音語の多さからも伺うことができる。

その後も、人類の最初の言葉である擬態語や擬音語は「ざわざわ」「バタバタ」「ヒュー」等、様々な事象に応じて形成されていったが、擬態語や擬音語では言葉の数に限界があり、かつ正確さに欠けるという欠陥がある。
他方、観念機能が発達するにつれて道具が進化してゆき、それにつれて人類の生存力が上昇し、それにつれて人類が洞窟の外に出る時間が少しずつ増えてゆく。従って、それにつれて、未知なる対象(答えを出すべき追求対象)と伝えたい言葉の数も増えてゆく。

未知なる対象を前にして、人類は500万年に亘って進化させてきた「どうする?」発の追求充足回路をフル稼働させた。おそらく、そこで絶え間なく発せられたのは、「何?(どういう事?)」という疑問詞であり、その、「何?」に対応する答えとして、言葉の数が増えていったと考えられる。
しかし、「何?」の内容は多様である。最初は、事象の動容を問う「何?」に応える【動容詞】だけだっただろうが、次にその動容の程度(強弱・緩急)を問う「何?」に応える【緩急詞】や対象に対する評価を伝える【評価詞】が生み出され、最後に対象(正体)を問う「何?」に応えて【対象詞】が生み出された。
これらの品詞の内、動容詞と対象詞がより客観的な表現であるのに対して、緩急詞や評価詞はより情感的な表現であり、それらをまとめて【情感詞】と呼ぶこともできる。
そのように「何?」の中身は4種類あるが、しかしそれらはあくまでもある一つの事象についての「何?」である。従って、一つの語幹を語尾変化させることによって、動容詞や心情詞や対象詞を使い分けた(品詞を分化させた)のは、極めて合理的な当然の進化だろう。

◆「何?」の内容に応じて、4種類の品詞が生み出された。

こうして、擬態語は「ぴかぴか」→「光る」「光」、「あかあか」→「明ける」「明るい」「赤」、「くろぐろ」→「暮れる」「暗い」「黒」等、動容詞(≒動詞)、情感詞、対象詞(≒名詞)に分化され、同時に情感を表す言葉は緩急詞・強弱詞(副詞)と評価詞(形容詞)に分化されていった。
この分化は、洞窟から出るにつれて「何?」の対象が増大し、擬態語・擬音語だけでは対応し切れなくなったからであるが、おそらく重心は対象詞ではなく対象に対する情感を表す情感詞の方にあったと思われる。そして、同じ情感詞でも、「早く、遅く」「強く、弱く」等の緩急詞(副詞)は動容詞の前に付き、「良い、悪い」「きれい、汚い」等の評価詞(形容詞)は対象詞(名詞)の前に付くことになる。この語順規則は、「規則」として意識する必要もないぐらい、自然なつながり方であったろう。

更には、言葉が分化されてゆくにつれて「何?」の内、時間や空間に関する「何?」は、「いつ?」「どこ?」という疑問詞に分化され、その疑問に応えて時や所や方向を示す時詞や所詞・向詞が生み出されていった。そして、ある程度の言葉が蓄積されると、「何?」は更に高度な「何で?」の追求に移行してゆく。

    / 「いつ?」       → 時詞「今、昔」「日時」
疑問詞 - 「何?(どういう事?)」→ 「何で?」
\ 「どこ?」       → 所詞・向詞「ここ・そこ」「地名」「上・下」「左・右」

時や所を示す必要がある場合、時詞は文頭に、所詞・向詞はその次(二番目)に来ることが多い。その語順上の優先性は、時や所に対する意識、更にはその前の「何?」という意識が別格であり、始原であったことを物語っている。

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2020年04月28日

【世界の各部族の婚姻形態シリーズ】性権力→滅亡総括型部族

女性の性的価値が増大したことにより集団の統合力が弱体化、存亡の危機を体験したことで、総括として性権力封鎖の規範をつくり上げた部族を紹介します。
このように、婚姻様式は一つの形が絶対的なものではないということ。
集団のおかれた外圧状況に応じて変化してゆかなければ滅亡してしまうということを忘れてはならないと思います。

今回紹介する部族は以下です。
・バンプティー・ピグミー:中央アフリカザイール北東
・始原ユダヤ人
インクより紹介します。

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■バンプティー・ピグミー:中央アフリカザイール北東
(1957 年急速に減少したピグミーの絶滅をくいとめる方法を探すために、一年半彼らと生活を共にした人類学者ハレットの記録。)

・生活形態-コンゴ北東部の熱帯雨林で狩猟・採集。食生活はほとんどが女の採集によって支えられている上に、狩猟以外の労働(ex.小屋作り)は全て女が行う。ピグミーには、旧約聖書によく似た神話――神は男女一組の人間を創り、地上の楽園に住まわせたが、邪悪な女が気の弱い男をそそのかして、神に禁じられていた木の実を食べてしまったので、楽園から追放され放浪生活を送ることになった――があり、神と男を裏切った女は、その罪を償うために夫のかわりに果てしなく重労働を続けなくてはならないとされている。(バンプティー族の起源は不明だが、前2500 年エジプト第4王朝の探検隊の記録に、その地に住んでいたことが記されており、4000 年以上前から密林のジプシーだった。)

・集団-夫婦(一対婚?)を一単位とした小家族が数個集まった父系バンド(=移動地域集団)。一ヵ所で2週間程度生活するが、指導者はいない。

・結婚-女は10 歳、男は13 歳が適齢期。金で妻を買い取る風習はなく、結婚は厳粛な儀式であると同時に厳しい試練。式は互いの腰帯を取りかわし、小屋で数時間お互いの全てを語り合った後、2~3日間壷一杯の水だけで過ごす。その後夫婦の契りが許されるが、一晩に4~5回妻を性的に満足させなければ、一人前の男性とは認められない。

・子供-妻に求められる第一条件は多産であり、15~20 人産むが、大半が乳児期に死亡する。

※乱交制の下で、女の性的商品価値=性権力が増大、男は女の言いなりになり、弱体化する。結果、滅亡の危機を体験し、その総括として、性権力封鎖の規範をつくり上げた。おそらくこの部族は、女の役割規範を、性役から従役にシフトさせること(重労働)によって、性権力を封殺しようとしたのだろう。多産についても、妊娠期間中の母性本能△によって女の悪魔性を押さえ込もうとしたもの。(一晩4~5回妻を満足…という規範は、一刻も早く妊娠させて、性役から解放されたいというのが本音?)

性権力の総括において母系制も総括され、集団の分割基準を血縁からサブリーダー中心の分割に移行。結果、父系・上位集中婚となったが、外圧が弱まるにつれて、短偶婚、一対婚に解体されていった。この部族が住むコンゴ北東部は地理的に閉鎖されており、同類闘争圧力は極めて弱く、集団統合を必要としないために、上位のバンドを持たず、数家族のみのバンドで移動をすることが可能となっている。

■始原ユダヤ人

約5千年前、メソポタミア(?)から南アラブに追われ、遊牧から農耕の移行期にあって遊牧を生業とせざるを得なかった部族が、ユダヤの始原。(彼らの生産様式は、カインとアベルの説話から覗い知れる。)5千年~3千年前、南アラブの地域は草原→砂漠化の移行期にあり、砂漠化につれて放浪・交易の生活手法を生み出した。約3千年前に、ソロモンを中心とする遊牧王国を建設。ソロモンは1000 人の妻を持つとされ、この段階での婚姻制は、遊牧民に広く見られる一夫多妻制であった。

その後、彼らはモーゼの十戒に見られるような、不倫の絶対タブー(死刑に値する)、婚前交渉のタブーという極めて厳格な一対婚規範を確立している。

※〈狩〉・〈採〉ともに、母系制を通過するのが普遍的で、アダムの骨からイブが生まれたという男性優位の神話は、滅亡という大転換から父系へ移行しない限り成立しない。ソロモンの時代の一夫多妻制は、基本的に女の買い取り制度であり、女の性的商品価値→性権力は上昇してゆく。

この前提の下に、王国の滅亡を事前に察知した男たちが分派、性権力を総括して(禁断の実=原罪の説話は

この時作られた)、厳格な一対婚規範を構築した。(他の滅亡総括型部族、あるいは掠奪婚型部族が、ごく少数の男たちの手による再建であるのに対して、ユダヤ人は既に王国を建設し、そこからかなりの勢力を持った集団が分派したものと考えられる。)従って、始原ユダヤ人は、基本的に滅亡総括型部族と位置付けるのが正しい。但し、ユダヤの旧約聖書には、異民族からの掠奪を奨励、正当化している文脈が多く見られ、王国から分派した多数は、掠奪婚の形態をとったものと考えられる。

なお、彼らがつくり出したユダヤ教の特徴は、排他性と契約主義にある。――「私を信じれば、現実的利益を与えてやろう。そのかわり私以外の神は信じるな。」――信仰以前に契約関係を重視しており、彼らの突出した私有意識の強さの根源をここに見ることができる。

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