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2020年07月03日

【世界の各部族の婚姻形態シリーズ】交叉婚から妻問婚に移行した部族

妻問婚とは夫が妻の下に通う婚姻の形態。
女系制の伝統のある社会など母権の強い民族に多く見られ、子は母親の一族に養育され、財産は娘が相続するが、部族にそれを踏襲しながらも少しずつ形態をかえているようです。
リンクより

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■サモア諸島:ポリネシア

男は16歳頃から共同作業に従事する青年集団に所属。女も思春期に達すると女性だけの集団に属し、結婚の資格を得る。結婚前の男女は、男の夜這いによって何人もの異性を経験。部落の長老を通じてなされる結婚の申し込みが受けられると、男はそのまま娘の家に住み込み、子供が生まれた後に妻子を連れて自分の家に戻る。結婚後も互いの不貞についてはさほど厳しく問われない。
※タヒチ島・トロブリアンド島と同様の経過をたどって、財産継承から人工的婚姻制度の導入に至る。
サモア諸島の場合、人口増大に伴う同類闘争と採取技能の上昇で、男の主導権と私有権が回復していったため、父系制の妻問婚へ移行した。しかし人工的制度の故に、交叉婚の風習が温存されている。

■バリ島原住民:インドネシア

自由結婚、親が決める結婚、掠奪婚など部落、階級によって習俗は様々。貴族は処女性を重んじるが、一般人は婚前交渉に対して寛容で、試験結婚としての同棲も多く見られる。婚姻形態は一夫多妻制(ヒンズー教徒)。妻は夫の家に住み、第二夫人以下を家に入れるには第一夫人の許可が必要。
また夫は妻に対して貞節を尽くす必要はないが、妻には厳格な貞淑さが要求される。
※私有権の増大+農耕の導入に伴い、単位集団が氏族から家族単位にまで分解される。それにより、氏族を基準とする交叉婚の継続が不可能となる。他方、私有意識の増大と性的商品価値の上昇は、婚資=結納を上昇、発達させる。そこで、婚姻基準がこれまでの氏族から婚資に転換し、婚資を支払いさえすれば婚姻は成立するものとして、一夫多妻制へ移行。
特に私有意識が高く、財産継承権を明確にする必要のある貴族においては、処女性が重視された。
(貴族の女の方も、婚資=性的商品価値を釣り上げるために処女性を守った。)
しかし、庶民については、婚資を充分に払えなかったことからも、交叉婚の名残が強く、婚前交渉に対しても寛容であった。
交叉婚においては夜這い(男たちが娘たちのもとへ通う)が普通であり、従って妻問婚に移行しやすいという因果がある。

∴私有意識△+農耕を媒介に、交叉婚から半集団婚を経ずに妻問婚へ至った部族と思われる。

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