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2023年05月01日

日本の世界観はどのようにして作られたのか④~大和言葉に見る日本人の一体化能力~

突然ですが、みなさんは日本語に同じ「音」なのに意味の違う言葉がたくさんあることを不思議に思ったことはありませんか?

「はな」→花と鼻・「め」→目と芽などがその典型です。

コチラから引用しました

これらの言葉は漢字や外来語が日本に伝わる前、縄文時代や弥生時代からある話し言葉を主体とした言語(大和言葉)なんです。

大和言葉はまだ日本人が文字を使用していなかった縄文・弥生時代から存在し、主に話し言葉で伝わっていたこともあり一つ一つの音そのものに意味を持っています

(現在のひらがな、カタカナは中国から伝わってきた漢字と大和言葉を融合して日本独自に進化してきた文字ということになります)

世界中に数多くの言語が存在していますが、その中で日本の言葉がどのように進化してきたのか。日本人の持つ世界観を明らかにする一つの切り口として、今回はこの大和言葉から追求しようと思います。

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先ほどご紹介した「はな」や「め」などは万葉学者の中西進氏の説によれば、語源が共通しているからだと言います。
漢字にすれば、まったく別の言葉のように見えますが、古代の日本人は顔のパーツも植物のパーツも、「め」「はな」「は」「み」「ほ」と同じように呼んで、同じようなものと考えていたようです。
これを見ると、「はな」を花と鼻のように区別していたのは漢字が伝来してきた以降のことだと推測することができますね。

万物への一体化という人類最大の特徴を色濃く残していた日本人だからこそ、あらゆるものに対して自分と対象は一体のものとして見えていたのかもしれません。万物との一体化とは?詳しくはコチラ。)

 

■「幸い」はさきはい

一つの音に対してもこのように様々なものと自身とを一体としてとらえていた日本人。彼らはそこからさらに、これらの言葉を組み合わせて自分たちの世界を言葉で言い表していきます。

コチラからお借りしました

(以下の記事はこちらからお借りしました)

花が「咲く」のと、人の「幸い」も同根である。「幸い」は「さきはひ」で、「さく」と「はひ」に分かれる。

「さく」は「咲く」である。ものがそのピークの状態になることを意味する。ちなみに「花盛り」の「盛り」も、「さか」+「り」で、花が咲きあふれているピークの状態を意味する。「はひ」は「延ふ」で、ある状態が長く続くことを指す。「味はひ」は、「あの人の言葉には味わいがある」と言うように、「長く続く味」を意味する。

とすると、「さきはひ」とは「咲く」という花の満開状態が「延ふ」、長く続く、ということになる。心が花開くような嬉しさが、持続的に続く状態と考えれば、古代人がこの言葉に込めた語感がよく伝わってくる。

現代人は「幸福」とは何か、などと抽象的に考えるから、訳が分からなくなる。「さきはい」とは「心の中に花が咲きあふれて、長く続く状態」と知れば、それはお金や地位などの外的物質的なものに関わりなく、純粋に心の有り様であることが分かるだろう。

このようにこの頃の日本人は一つ一つの音に意味を持たせながら、その一体化能力の高さからあらゆるものの奥に共通するものを見出し、さらにそれぞれの言葉を組み合わせながら見聞きし感じたものをより実感の伴う言葉にしていったのかもしれません。

日本語を話すことができるようになればなるほど、身も心も本当の日本人になっていくとよく言われるのは、このように対象と自分に境目がなく一体のものとして捉え様々なものを生み出していく過程にあるのではないでしょうか。

 

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