2023年04月08日
【〝型”を知る】『型』と『マニュアル』の違いから
「技術・文化・世界観の継承」で必要不可欠になる『型』。
その追求過程で『型』と似たものとして、『マニュアル』という言葉が浮かび上がってきました。
『型』と『マニュアル』。それぞれのもつ特徴を見出すことで、『型』とは何か、迫っていきたいと思います。
●マニュアル
辞書によると、
1 機械・道具・アプリケーションなどの使用説明書。取扱説明書。手引き書。 2 作業の手順などを体系的にまとめた冊子の類。 3 操作などが、手動式であること。「―車」 (webilio辞書より) |
さらに日常の感覚と合わせてみると、その特徴としては、
・冊子・文章によって対面ではなくとも伝わるもの
・スッキリとゴールに辿りつくまでの道筋が示されたもの
・目的が分かれば、その作業の根本的な部分が分からずとも動くことができる
⇒つまり、本質に向かう「手順」や「手引き」が『マニュアル』。
マニュアルがあれば課題を進めたり、作業を一定こなすことはできますが、目先のことに囚われ、視野が狭まってしまう可能性を孕んでいます。
(いわゆる「マニュアル人間」はこういった特徴から生まれた言葉といえます。)
●型
辞書によると
1 同形のものをいくつも作るとき元になるもの。いがた。「原型・紙型・母型」 2 基準となる形。タイプ。「型式/定型・典型・模型・類型」 (webilio辞書より) |
「型を身につける」や武道や茶道などでも使われる「型」などと照らし合わせてみると、
・快の感覚そのもので同化する軸となるもの
・言葉にしていくと実はどんどんシンプルになっていく
・型を基にして、視点が広がり、さまざまな動作に応用できる
⇒要するに、実践を通して物事の「本質」を掴ませようとするものが『型』。
こうまとめてみると、似ていると思っていた言葉ですが、全く異なる性質を持っていることが明らかですね。
また異なるものではありますが、
・『マニュアル』を徹底的に使いこなすことで、実践の中から本質を見出すことができるようになる。
(例:新入社員が仕事の手順をまずは身につけることで、その本質を掴むこと)
・『型』を掴んだ人たちだからこそ、その目的を達成するための手順を作り出すことができる。
(例:新たなシステムを構築した先駆者だからこそ、その手引書を細かに、わかりやすく作ること)
つまり『マニュアル』・『型』、両者のもつ意味合いが違うからこそ、それが合わさり、行き来することもできる。
こうやって「技術・文化・世界観」は永く、そして広く、後世へと引き継がれていったのではないでしょうか。
- posted by 由真腹 at : 2023年04月08日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
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