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2021年09月16日

哺乳類の群れは、他の生物よりの群れよりも何故高度に進化したのか?

 

トガリネズミ

(トガリネズミ 写真はこちらからお借りしました)

初期の哺乳類は、土中や落葉の下に隠れ住んでいた原モグラ。現存生物ではトガリネズミが近い種です。この原モグラが木に登り、新たな樹上世界を手に入れたのが原猿です。私たちの遠い祖先である原猿の集団構造や関係世界を解き明かすことは、人類のあるべき集団の在り方を見つけるうえで、とても大切です。

前回の記事に引き続き、今回は原猿の進化を記事にする予定でしたが、その進化を明らかにするためにも、その土台となる哺乳類の集団構造を先に扱います。

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生物界全般に見られる「群れ」。

イワシの群れ、渡り鳥の群れ、イナゴの群れなど、群れることで外敵や自然圧力に適応する普遍的な様式です。哺乳類も、ライオンやシマウマなど群れる動物は沢山いますが、哺乳類の群れはそれまでの生物の群れと一線を画しています。

イワシの群れ

(イワシの群れ 写真はこちらからお借りしました)

群れで襲うライオン

 

(ライオンの群れ 写真はこちらからお借りしました)

 

 

 

例えば、獲物を捕るために背後から追うもの、横から襲うものと隊列を組んだり、頃合いを見て一斉に襲いかかるなど、獲物や状況に応じて闘い方を組み替えています。襲われる方も同じで、弱い仔を中心に置いて体の大きな大人を周囲において守ったり、過去の記憶を元にルートを変えたりと。単に群れているだけでなく、状況に応じて陣形や戦術を組替え、経験によって塗り重ねている点が、哺乳類の群れの特長です。

 

これを実現するために、哺乳類に顕著にみられるのが遊びです。哺乳類には、授乳期間から性成熟する大人になるまでの間に「子どもの期間」があり、この子ども期間での遊びが、その後の群れとして闘うための行動演習となっています。つまり、高度な群れで行動する哺乳類は、先天的に備わっている本能上の諸機能だけでなく、遊びを通じた後天的な演習(学び)が生存上の適応能力を規定しています。

ライオンのじゃれあい2

(じゃれ合いの写真 写真はこちらからお借りしました)

 

 

 

では何故、哺乳類は遊びを通じた後天的能力を獲得する必要があったのでしょうか?

もう一つ、哺乳類に顕著な本能として、生殖期間中に発動するオスの性闘争本能があります。種として、より適応できる種を残す為に、オス同士が闘い合い、勝った方がメスと交尾し子をつくる。この本能は魚など他の生物にも見られる本能ですが、哺乳類はその性闘争本能を極端に強化した種です。つまり、発情期間の一時的ではあるものの、同類との闘争に勝つことが種存続上の第一義課題となっています。

(哺乳類の性闘争本能は過去の記事を参照)

相手が同類とは違う外敵であれば、本能上の能力で勝敗は決まりますが、同類との闘いは本能上の能力は互角です。故に僅差の闘いに勝つには、どうする?の戦術が勝敗を分かちます。これが、より知能の発達を促していると推察されます。そして知能が発達することで、外敵同士の闘争場面でも、互いに群れによる戦術の闘いになり、知能の必要性を増していったのではないでしょうか。

 

 

では、どのようにして知能を発達させていったのか?

その一つが前述した「遊び」です。授乳期間が終わり、本能上の機能が確立した子ども段階で、遊びを通じて狩りの演習をする。この哺乳類の基本戦略は当然人類にも引き継がれており、人類の子どもにとっても遊びは大人社会を生きるうえで欠かせません。遊びといっても一人でゲーム・・は意味ないですよ。集団での外遊びが一番!

 

そして、知能を発達させるもう一つの戦略が授乳期間の延長と思われます。ここは、まだ謎が多いですが、どこかで記事にできればと思います。

 

 

以上、性闘争を強化した哺乳類は、同類との僅差の闘いを制するため、どうする?の知恵=脳を発達させ、その結果、高度な戦術をもつ群れをつくるようになった。その実現には「授乳」と「遊び」があり、哺乳類にとってとりわけここが重要になったということです。次回は原猿となりますが、原猿は外敵がいない樹上世界に住んでいるので、発情期に限らず常に同類闘争が主圧力。この原猿が、どう進化したかを記事にします。

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