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2020年7月28日

2020年07月28日

言語の進化過程(9) ~説得の必要から長口上が登場し、数個の文言をつなぐ接続詞や関係代名詞が生み出された。

★英語の文法で「なぜ、主語が三単現(三人称・単数・現在形)のときだけ、動詞にSがつくのか?」不思議に思ったことがありませんでしたか?

古英語と呼ばれる西暦449年から1100年頃の時代、動詞の使い方は今よりもはるかに複雑で、1つの動詞を何十にも格変化させて使われていました。三単現のsもその変化の1つです。その後、動詞の格変化が簡略化されていく過程の中で、三単現のsだけが現代に残ったという歴史があります。

★ではなぜ、動詞の格変化が簡略化されることになったのか?
るいネットの記事から、英語(印欧語)の歴史を探ります。(リンク)(リンク

●セム語、ハム語、印欧語における、前関詞、冠関詞の発達と、それによる関詞の消滅。
称代名詞や冠関詞の格変化、あるいは単数・複数による語尾変化だけでは関詞が持っていた関係詞としての多様な役割を充足させることはできない。そこで、それを補うために沢山の前関詞を作り出していった(沢山と言っても80語ぐらい)。対象詞の前に前関詞を持って来たのは対象詞の前に動容詞を持って来たのと同じ感覚だろう。

更に、語順の優先順位も、例えば印欧語では、
(冠関詞)主句+優先動詞+動容詞+(前関詞)対象句+情感詞
となり、更には対象詞の後ろに関係代名詞を付けてより詳しい説明が続いてゆく。従って、元々文意の重心にあった情感詞は、後ろに追いやられてゆき、出る幕がなくなってゆく。

●説得の必要から長口上が登場し、文言と文言をつなぐ接続詞や関係代名詞が生み出されていった。

日本語の場合は、関詞「て」を使っていくらでも文言をつないでゆくことが出来るが、伝わり難くなるので、できるだけ一文言を短く区切って接続詞でつないだ方が良い。それに、一つの文言が長過ぎて伝わり難い場合、短く切って接続詞でつなぐのは万国共通の不文律であるとも云える。これは、文章作成において心得ておくべきポイントである。

他方、侵略戦争に直面して、能力や説得が重視されたセム語や印欧語では、説得のための優先動詞を発達させただけではなく、更に関係代名詞を作り出したが、その結果、関係代名詞の後により詳しい説明が長々と続くような文体が、普通になっていった。(日本語の場合は、いったん文章を切って、接続詞でつなぐのが、普通である。)

●英語における文法規則の半壊と前関詞の多用と構文の不明化
力にまかせて侵略してきたノルマン族(英語)では、相手に対する配慮は不要なので、冠関詞も、動詞の語尾変化も(過去形以外は)消滅していった。
近代以降も、英米は武力支配によって世界覇権を握っていったが、そこでは特に成果を問う可能・許可や、支配のための義務や使役・受身などの優先動詞、あるいは説得のための否定・断定の優先動詞や関係代名詞が発達した。また、常に力にまかせて侵略していったので冠関詞や人称による動詞の語尾変化などは廃れてゆく。(現在の英語には、三単現のSしか残っていないが、アメリカの黒人などはそれさえ無くなりつつある。)
また、同じ一つの前関詞を多様な意味を持たせて使い廻してゆく。

つまり、それら侵略・支配が常態化した英・米語では、冠関詞も動詞の人称変化もわずかしか残っていない。加えて、関詞の消滅を補うべく前関詞を発達させ、一つの前関詞に多様な意味を持たせることになった。つまり、英・米語は文法規則が半ば壊れてしまった言語であり、従って構文が非常に分り難い言語である。
従って、日本人が英語を習得するためには、語順の違いだけではなく、優先動詞と前関詞の使い方に習熟することが不可欠になる。もちろん、それらが話し言葉の中で習得されるべきものであることは云うまでもないが、聞いているだけでは習得はできない。習得するための最速方法は、伝えたい何かを始めはブロークンでも何でも良いから、とにかく英語で話してみることである。

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