RANKING
にほんブログ村 歴史ブログへ
NEW ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK

2020年06月11日

これからの共同体社会はどのように創られていくのか-2

前回の記事では社会的に分断している「場」が融合されていく兆しを身近なカフェの事例を通じて探った。そこに可能性を感じるひとびとにとって、人との新たなつながり=よりどころとしての共同体を模索しているが、現状ではまだゆるくつながることがトレンドとなっていることを紹介した。

今回は、極限的な状況を克服して進化してきた本来的な人類の持っている活力と比べて、現代の状況がどういう位相にあるのか、これからの難局を乗り越えるための構造をとらえていきたい。

にほんブログ村 歴史ブログへ

■人類の本質は共同性にあるということ
人はひとりでは生きていけないという進化構造として、相手の期待に応えることが自身の充足=活力になるという構造がある。圧倒的な弱者であった人類にとってこれが唯一、最強の活力源であったこと。その延長として言葉や自然の原理構造を発見し生き延びてきた。下記の引用からつかみ取っていただきたい。

※引用中の共認機能=相手の不全→期待と自分の不全→期待を重ね合わせ同一視することによって安心感や癒やしなどの充足を得る機能。つまり、相手(=自分)の期待に応えることによって、正確には期待と応合のやり取りによって充足を得る機能である。

 

人類の本性は共同性にある①

 ①逆境下で共認機能に全面収束

肢の指の先祖返りによって、樹の上に棲めるというサル時代の最大の武器を失った人類は、想像を絶する逆境に陥る事になる。
鋭い牙も、走力も他の動物に比べて肉体機能が遥かに劣る人類は、地上では狸のような小動物にも負ける存在であり、従って日々の食料も確保できず恒常的な飢えに苛まれ、常に肉食動物の襲来に脅える絶望的な生存状況に追い詰められた。
この様に本能では到底生きていけない(適応できない)状況下で、人類はサル時代に獲得した共認機能(相手と同化することによって充足を得る機能)に全面収束してゆく事となる。つまり恒常的な飢えの苦痛と怯えを少しでも解消すべく、互いに身を寄せ合い安心充足を得る(親和充足)。そしてその充足(と充足を与えてくれる仲間に対する全面肯定視)を基盤に、仲間同士額を寄せ合い、みんなの表情や身振り手振り(評価)を羅針盤として、日々「どうする」の行動方針(=課題と役割)を模策し闘争共認を確立していったのだ。

②共認充足こそ最大のエネルギー源であり、人間の生きる目的

この日々生きる事さえ絶望的な状況の中で得られる共認充足は、人類にとっての唯一の生きる希望であり、唯一最大のエネルギー源でもあった(つまり生きる目的そのものであった)。事実、共認機能に全面収束した人類は、その後必然的に共認充足度を上げるベクトルで共認機能をより進化させていくことになる。
例えば人間に固有の「喜怒哀楽」などの感情やその表現手段の多様性はその一例である。笑顔は相手への肯定視をより発展させた表情であるし、涙は悲しみや喜びの共有を通じて集団の成員の一体感を更に高めるべく生み出されたものである。この様に共認充足度を高めるために、相手への伝達手段や受信能力を発達させていく事で、人類は知能を進化させてきたのだ。つまり共認機能こそが人類の心の中核であり進化の原動力でもあったのだ。

人類の本性は共同性にある②

自我を全面封鎖した共同体の中で人類の本性=共同性は育まれてきた

この様な状況下では自分勝手な振る舞いや仲間を否定する行為(自己中=自我)は、人類の命綱ともいえる共認充足を妨げ、集団の結束を破壊し、集団の存続を危うくする(ひいては個体の生存も危うくする)ため、徹底的に抑制・封印されてきた。つまり人類の本性は共認充足を中核とする共同性にあるともいえる。
そのように自我(や私権)を全面封鎖した共同体の中で500万年に亙ってこの人類の本性は形成されてきたのだ。

④自己中は共認充足を破壊する人類の敵

共認機能は同化機能、正確に言えば相手の期待=心を掴みそれに応える事で互いに充足を得る機能である。従って自分しか頭に無く相手の心=感情を省みない自己中はこの人類にとって最も重要な共認充足を破壊するものであり、排除・封印すべき対象=敵であると原理的にいえる。
(とりわけ、現在は私権獲得に収束できなくなった以上必然的に共認充足に収束するしかない、その過渡期にある。にもかかわらず、自分が原点、従って自分の好きな様に、という自我私権を原点とした、人類の意識構造に反した近代イデオロギーが人々の頭を洗脳している。従って現在「自己中は人類の生命線である共認充足を破壊する=敵である」という事実認識は極めて重要である。)

 

現代人にとって想像しにくい外圧状況であるが、実は、直接的に看取できないが当時と勝るとも劣らない外圧は環境破壊や肉体破壊、ひいては経済破局という次元ですでに迫っている。その外圧を潜在的に感じているからこそ、本来の共同性への回帰が深い意識の底で進行していると思われるが、忙しい現実の生活の中で固定観念が顕在化を阻害しているに過ぎない。

> List 

trackbacks

trackbackURL:

comment form
comment form