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長江下流域からの直接渡来

Posted By okatti On 2009年4月7日 @ 8:23 PM In F 日本人の起源 | 4 Comments

朝鮮半島南部からの本格的渡来 [1]で、「Ⅲ 長江下流域からの直接渡来」の可能性として、人骨と炭化米の二つのタイプおよび支石墓の分布についてふれましたが、本稿では弥生米のDNA分析と環濠集落を紹介します。
弥生米には朝鮮半島に存在しない中国大陸固有の品種が混ざっている
佐藤洋一郎氏によると、「大阪の池上曽根遺跡や奈良の唐古・鍵遺跡から出土した2200年以上前の弥生米のDNA分析を行なったところ、朝鮮半島には存在しない中国固有の水稲の品種が混ざっていることが分った」という。
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下の図版と注釈は、athomeのこだわりアカデミー「稲のたどってきた道 [3]」からお借りしました。
中国から日本へ稲作が直接伝来した裏付けとなる「RM1-b 遺伝子の分布と伝播」
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現在の日本に存在する稲の遺伝子は、RM1-a、RM1-、RM1-cの3種類があります。中国では90品種を調べた結果、61品種に、RM1-遺伝子を持つ稲が見付かったが、朝鮮半島では、55品種調べてもRM1-遺伝子を持つ稲は見付からなかった。これは稲が朝鮮半島を経由せずに直接日本に伝来したルートがあることを裏付ける証拠になります。
環壕集落と環濠集落のルーツ
朝鮮半島南部からの本格的渡来 [1]にあるように、半島南部からの渡来人は、稲作技術や大陸系磨製石器とともに「集落の周りに環壕をめぐらす技術」をもたらしたが、それより少し遅れて、河川に接して集落を営み、広大な水濠をたたえ水を引き込む「(水偏の)環濠集落」も出現します。寺沢薫著『日本の歴史02王権誕生』より、それぞれのルーツを紹介します。
環壕集落のルーツは内蒙古
環壕集落のルーツは内蒙古で、最古の環壕集落は前6200~前5400年。
ここから黄河中・下流域に広がって、山東半島から朝鮮半島南部、北部九州へと伝播した「東方ルート」と、渤海湾の北から吉林、沿海州に達し、日本海をも越えて日本列島の北端に達した「北方ルート」があった。
環濠集落のルーツは長江中流域
環濠集落のルーツは長江中流域で、前6000年のもみ痕土器が出土した彭頭山遺跡のすぐ近くの八十塘遺跡で環濠が発見された。中国の畑(アワ)作と稲作の二つの起源地に、それぞれ別の環壕環濠)集落が発生していたのだ。
環濠集落の典型は、北部九州では有明海沿岸の佐賀平野の町南遺跡や筑後平野平塚川添遺跡のように、広い海岸平野にある。高知平野の田村遺跡や松山平野の来住遺跡、近畿では大阪平野の池上・曽根遺跡や亀井遺跡、奈良盆地の唐古・鍵遺跡、濃尾平野の朝日遺跡などもその典型。
唐古・鍵遺跡 [4](クリックすると大きくなります。)
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環濠集落という築造思想が、前期の後半期になって、新たに有明海沿岸に流れ込んできて、それが間髪を入れずに西日本の平野部へと広まったとは考えられないだろうか。近畿や西日本各地の弥生文化が北部九州とは違った独自の文化を築き始めるのも、じつはこの頃からである。
環濠集落は長江下流域から直接渡来したのか、朝鮮半島南部経由の二系統のうちの後発的要素なのか、その答えは、淮河流域や朝鮮半島南部での「環濠集落」の考古学的調査が明らかにしてくれるだろう。
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これら証拠以外にも、弥生時代に登場した高床式建築は(それに用いられている鼠返し、千木、鰹木も含め)江南地方から東南アジアにかけて見られる様式であり、墳丘墓(地面より高いところに埋める様式)は江南の呉越の土敦墓等ごく限られた地域の埋葬形式であるなど、長江下流域からの直接渡来の可能性は非常に高いと思われます。


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[3] 稲のたどってきた道: http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000000116_04.html

[4] 唐古・鍵遺跡: http://www.karako-kagi-arch-museum.jp/serch/life/rightL.htm

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