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ゲラダヒヒによる初期人類の集団形態の推測vol.2

【ゲラダヒヒによる初期人類の集団形態の推測vol.1】 [1]では、その高度な集団形態【バンド社会】を見てきましたが、今日はそんなバンドが別のバンドと遭遇したらどうなるのか バンドとしての縄張りや領域はどの様になっているのか 見て行きたいと思います。
今日も引き続き、『ゲラダヒヒ-けんかぎらいのサルたち』河合雅雄著より紹介させていただきます。
それでは500万年前のアフリカ、エチオピアにターイムトラベルGO!です。
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河合さんは、アンバラスの山を眺めていました。ここには、350頭の大群、Aバンドが住んでいます。
ふと気付くと、その大群が下のなだらかな谷を渡りこちらにやってくるではありませんか そこにはEバンドがいます。その差150mまで接近してきています。
いよいよ世紀のゲラダヒヒの縄張り闘争勃発
と、思いきや意外な事が起こったのです。Aバンドは、Eバンドと戦うどころか、積極的に迎えに行き、さっさと一緒になり、仲良く草を食べながら移動し始めたのです。
AバンドとEバンドは合流したまま西に進み、西にいるKバンドとも合流しました。
総勢約630頭もの大群が、草原をゆっくり移動していくさまは、壮大な光景です。
3バンドの合流
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3つのバンドは、いつもは、ほぼ決まった場所に住んでいます。
ゲラだヒヒのバンドごとの生息図%E3%82%B2%E3%83%A9%E3%83%80%E3%83%92%E3%83%92%EF%BC%91.jpg [4]
Eバンドはエミエットゴゴ山、Aバンドはアンバラス山、Kバンドはカダディット山です。
しかし、バンドは縄張りを持って対立しているのではありません。
気が向くと隣のバンドの領域に出かけ合流し、しばらく仲良く一緒に暮らしてから、また自分の領域に戻っていくのです。つまりゲラダヒヒは、縄張りのない共存社会を作っているのです。
そして、各ユニットの間には順位(序列)がなく、小さなユニットも大きなユニットも対等なのです。
どこか人類の本源性に通じるものを感じてしまいます。森林を追われ、地上生活に可能性収束し、厳しい外圧状況から同類闘争を封鎖したのでしょうか
ゲラダヒヒのユニットのボスは、メスが他のオスに興味を覚え、ユニットを離れた場合でも、暴力を振るわず、少し怒って、たしなめてから、おだてたり、すかしたり、なぐさめたりして、おだやかにメスの気分を押さえてユニットに連れ戻します。マントヒヒのように力でねじ伏せるのとは大違いなのです。
ボスはメスの前に座り、メスをなだめます。
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戻ったメスを、ボスがやさしく毛づくろいしてやります。こうして気持ちを落ち着かせてやります。
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またセカンドオスが、真剣になって、ボスと喧嘩をしたならば、どちらが勝つかわかりません。ゲラダヒヒの牙は、ナイフのように鋭いので、喧嘩になればどちらかが大怪我をする事は間違いないでしょう。どころが、ボスとセカンドオスは、けっして大喧嘩をしないのです。時々争っても、セカンドオスが降参の態度をしめすと、ボスは素直にゆるしてやります。このようにユニットのメンバーは、なかよく暮らしているのです。
ボス(左)に叱られるセカンドオス(右)。くりびるを捲り上げるのは「すいません」の表情。ボスはこの表情を見せられると、すっと怒りがとけ、すぐにゆるしてやります。%E3%82%B2%EF%BC%93.jpg [7]
ゲラダヒヒは、集団性・共同性・親和性に重きを置いているように見受けられます。
同じ環境に生息していた初期人類も、ゲラダヒヒと同じように集団性・共同性・親和性を高め、生涯同じ集団(バンド)内で肩を寄せ合い本源的集団として生延びてきたのかもしれません。

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