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ゲラダヒヒによる初期人類の集団形態の推測vol.3

Posted By yidaki On 2009年5月17日 @ 1:11 AM In B 人類500万年に亙る共同体社会 | 1 Comment

【ゲラダヒヒによる初期人類の集団形態の推測vol.2】 [1]では、ゲラダヒヒの集団性・共同性・親和性について触れましたが、今日はもう少しバンド内の【ワンメイル・ユニット】間の関係についてもう少し詳しく紹介させて頂こうと思います。
今日も引き続き、『ゲラダヒヒ-けんかぎらいのサルたち』河合雅雄著より紹介させていただきます。
それでは500万年前のアフリカ、エチオピアにターイムトラベルGO!です。
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ゲラダヒヒの住むエチオピアでは、乾季が進むと、草原は黄褐色になり、水飲み場も少なくなります。小さな水飲み場をめぐって、ユニットが争い、強いユニットが水飲み場を占領するのではと思ってしまいますが、ゲラダヒヒの場合は違います。
ゲラダヒヒの水飲み場
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水飲み場では、先に到着したユニットから水を飲み、遅れてきたユニットはおとなしく順番をまっているのです。つまり、水飲み場は、争いのない先着順なのです。同じサル類でも、ニホンザルの群れでは、10頭のオスがいると、1番から10番まで、強い弱いの順位がハッキリついてます。しかし、ゲラダヒヒは違うのです。
どうやら、ゲラダヒヒのボスの間には順位がついてないようなのです。
河合さんは、あるテストを試みました。
2頭のボスの間に好物のムギを置き、どちらが先に取るかを調べて順位を知る方法を取ったのです。
真中に置かれたムギをめぐる威嚇。しかし勝負はつかず、順位付けは出来ない。
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ところが、なんどやっても、2頭の順位を判定する事は出来ませんでした。
ユニットのボス達には順位がなく、お互いに対等なのです。したがってどのユニットが弱いという順位関係がないのです。
もちろん、ユニットどうしが、喧嘩することもあります。その時は、両ユニットのメンバーが向かい合って、吼え合いますが、かんだりけったりの喧嘩は決してありません。
ユニットどうしの喧嘩。たいていはメスが原因。威嚇はするがつかみ合いの喧嘩にはならない。
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いくつかのユニットが、ひとつのバンドの中で仲良く暮らすのは大変です。しかし、ボスもユニットも対等で、争いを回避するすべを構築しているのです。
■ゲラダヒヒについて(あとがき)
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現在、ゲラダヒヒは、エチオピア北部の山岳地帯、それも切り立った険しい崖のあるところにしかいません。たいへん珍しいサルで数も少なく、エチオピア政府は厳重に保護しています。
でも、300万年前ごろゲラダヒヒが大変栄えた時代がありました。ケニアから南アフリカまで広く分布していたのです。
種類も、現在は1種類しかいませんが、当時は5種類くらいいて、中にはゴリラほどの大きなゲラダヒヒも存在していたようです。
ゲラダヒヒは草原が好きなので湖の近くにたくさんいたようです。どうしてほとんどのものが、滅びてしまったのか 2つの説があります。
一つ目は、氷河期にアフリカが乾燥化し、豊かな草原がなくなったからだ、という説です。この乾燥期には、ナイル川やコンゴ川といった大河が、ほとんど干上がったといわれています。そのためゲラダヒヒは住む場所を奪われ、絶滅の道を歩まざるをえなかったのかもしれません。
二つ目は、サバンナのヒヒたちに追いまくられて、すみかをうばわれてしまった、という説です。サバンナのヒヒは気性が荒く、しかも、大群をつくっていて生活力も強いので、ゲラダヒヒを脅かしてしました。そこでエチオピアの山岳地帯に逃げ込んだ1種類だけが、ようやく生き残ったとの説です。
ゲラダヒヒは崖を自在に移動するため、まるでピッケルのような爪を持っています。しかし、それは外敵から逃れ、安全な崖に収束した結果で、仲間との闘争にはつかいません。
初期人類のように、集団性・共同性・親和性に可能性収束したサルといえるのかもしれません。


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