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原始時代の社会期待(2)~原始時代の社会意識

『原始時代の社会期待(1)~共認社会の生存圧力と同類圧力』 [1]では、30年前に予見した来るべき共同体の時代がどのようなものか!を、【実現論】 [2]より紹介しました。
10/17(日)に開催されたなんでや劇場でも、2010年共同体の時代が始まったと提起されましたが、近代社会は豊かさ期待という一つの社会意志によって突き動かされてきましたが、
’70年、豊かさの実現によって私権意識が衰弱し始め、
’90年、バブル崩壊によって豊かさ期待がほぼ消滅し、
’08年、世界バブル崩壊によって私権観念が死亡し、
’10年、豊かさ期待に代わって本源期待が生起してきました。
これは、共同体の時代が始まったことを意味します。
img_0000001.jpg [3]
なんでや劇場の様子です。 
そこで、このシリーズでは、これまでの社会期待or社会共認の歴史を振り返り、その中身を明らかにすることによって、現在~近未来の社会期待or社会共認の中身を明確に浮かび上がらせたいと思います。
10/17(日)なんでや劇場 [4]では歴史を、社会共認の変遷で次の6区分に分けられました。

【1】原始時代
【2】部族連合の時代
【3】帝国支配の時代
【4】近代市場社会
【5】’70年豊かさ実現以降の時代
【6】現代~近未来はどうなるか?

今回のシリーズでは特に【1】~【2】、【原始時代~部族連合の時代】同類闘争が始まるまでの時代に焦点をあて、社会意志がどのようなものであったのか どのようにして同類闘争を回避する手段をとってきたのか 社会期待or社会共認の歴史を振り返り、社会意識の中身を具体的に見て行きたいと思います。現在~近未来の社会期待or社会共認を明確に浮かび上がらせ、これからの共同体による社会統合のイメージを鮮明に描きたいと思います。
今日は【原始時代~部族連合の時代】が、どんな時代だったか概要を紹介しようと思います。
続きに行く前に応援の方、よろしくお願いします。

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【1】原始時代
原始時代の単一集団は共認収束によって統合されていたが、その統合様式はサル以来の進化段階をなぞっている。原猿段階の親和共認(ex.歩行訓練→踊り)⇒真猿段階の闘争共認(課題・役割・評価の共認)というサル時代に形成された共認機能を土台に、最先端に人類固有の観念機能(精霊信仰)を塗り重ねて作動させている。
ここで注目すべきは、最先端の収束対象が何か?
想像を絶する自然外圧に対応するために、人類が収束したのが精霊信仰であり、このことを「期待」という概念で捉え返すと「生存期待」というものになるだろう。生存期待をかけて自然と対話し、精霊信仰に収束した。これが原始人類の最先端の姿である。
【2】部族連合の時代
人口が増加し、部族同士の緊張圧力⇒一部では戦争が始まっている。しかし、巨大帝国は成立していない段階。そこでの外圧は原始時代とどう違うのか? 期待や共認の中身はどう違うのか?
富族強兵共認という現実の共認と守護神信仰という二つの共認が並存しているが、どちらが強いor先端共認なのか?
この時代は同類闘争圧力は高まっているものの、依然として自然圧力>同類闘争圧力である。この時代には既に富の拡大欲求や私権意識は登場しているが、それは自然外圧⇒物的欠乏がなければ登場しえない。
原始時代まで人類は200万年以上もの間、自然圧力に対応するために精霊信仰に収束していたが、部族連合時代の守護神信仰も、その基本構造は精霊信仰と代わっていない。加わったものは同類闘争圧力であり、それに対応して富族強兵共認が生まれ、それが守護神信仰に収束した構造。つまり、守護神信仰がこの時代の先端共認である。
従って、この時代は、神官が王や将軍より上であるというのが常態化していた。いわゆる神権政治である。その典型がインドのバラモン階級である。
ここで注目すべきは、富の拡大欲求や私権意識などの欠乏の全てが守護神信仰に包摂されているという点である。このことは、精霊信仰的な意識構造が如何に強く部族連合の時代にも残存していたかを示している。
部族連合時代の構造をまとめれば、
自然圧力×同類闘争圧力⇒富族強兵共認⇒守護神信仰で統合。
社会期待という概念で捉え返せば、原始時代の生存期待の上に同類闘争上の勝利期待が加わったということ。だから、この時代の人々は、生存期待も勝利期待も含めて全ての期待をかけて、守護神や祖霊に祈っていたのである。

10/17なんでや劇場(2)原始時代~部族連合時代~武力支配時代 [6]より

まずはプロローグとして、時代状況のイメージはできたでしょうか?
【次回からの予定】
『原始時代の社会期待』シリーズ
<プロローグ>
(1)共認社会の生存圧力と同類圧力 [1]
(2)原始時代の社会意識 [7]
<自然外圧、自然との共生=調和期待>
(3)縄文と日本人論をめぐって
(4)狩猟と採取について

<同類圧力、闘争回避=友好期待>
(5)採取時代の適応原理
(6)交易ではなく贈与?
(7)ポトラッチの実態
(8)捧げものが同類闘争圧力により変質したものがポトラッチ

<自然外圧・同類圧力、調和期待と生産様式>
(9)人類はなぜ大地を耕しはじめたか?
(10)縄文人と農耕技術
(11)自然観ではなく集団共認破壊が原因
(12)同類圧力の上昇g生産様式の転換をもたらした。
(13)まとめ

以上の予定です!
それでは、皆さん、お楽しみに

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