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2010年11月25日

原始時代の社会期待(1)~共認社会の生存圧力と同類圧力

前回の追及シリーズ 「共同体の原基構造」 のまとめにおいて、「2010年、『豊かさ期待』に代わって、『本源期待』が生起してきた。これは、共同体の時代が始まったことを意味する。」という提示がありました。
このことは、動物的限界を引きずっていた人類の前史がようやく終わりをむかえ、共認動物たる人類の、真の人類史が始まるということを示しています。
しかし、驚くべきことに30年前には、この認識は予見され、12年前には【実現論】として著されています。
その先端的な認識を、まずは、紹介させていただきます。
【実現論第四部:場の転換】ロ.共認社会の生存圧力と同類圧力

人類がほぼ克服し得たのは動物的(本能を直撃する様)な自然圧力・外敵圧力だけであって、本能では感取できない、しかし観念機能では認識or 予測できる人間的(超動物的)、かつ全人類的な自然課題・外敵課題は、未来永劫生まれ続ける。しかも、人類がそれらの課題の中の何をどれだけ重視するかは、人類の共認に委ねられている。つまり、全人類的生存課題→期待と応望(=追求・創造)→評価闘争=共認闘争→社会共認の形成、そしてその社会共認にとって重要な新たな人類的生存課題が更に追求され、その環が塗り重ねられてゆく。これが、同類圧力社会=共認社会の基本パラダイムである。

また、既に動物的な生存圧力を克服した共認社会では、人類的課題に対する期待・応望の同類圧力=共認圧力が解脱充足と並んで主活力源となり、人々の期待に応える政治や哲学や科学や芸術が主活動となる。そして、期待・応望を主活力源とするそれらの活動は、評価収束によって必然的に創造闘争=共認闘争の圧力を形成し、それが期待・応望の主活力を加圧する。つまり、共認社会の同類闘争は、人類的課題に応える創造競争=共認闘争となる。(政治であれ哲学であれ科学であれ芸術であれ、提起された認識は共認の獲得を目的としており、最終的には社会共認となることを目指しているので、創造競争は本質的には共認闘争である。)但し、あくまでも人々の期待に対する応望が主目的であって、闘争が主目的なのではない。闘争圧力は、評価収束によって期待・応望から必然的に派生する期待・応望の強化圧力であり、それによって人類的課題に対する期待・応望の活力は、極めて強力なエネルギーを持つことになる。

人類的課題に対する期待と応望を主活力源にして創造活動を営み、評価収束による創造競争=共認闘争(=同類闘争)によって圧力=活力を高め、その同類闘争を同じ評価収束⇒評価共認によって統合する社会、これは原始人には夢想だにできなかった社会である。にも拘わらず、同類圧力=共認圧力を生命源とする社会であるという根本パラダイムは、極限時代と同じである。ただ人類は、動物的な生存圧力の場を超えて、超動物的な同類圧力=共認圧力の場へ移行する段階を迎えただけである。それは、共認動物が到達するべくして到達した必然的世界であり、実は滅亡の危機に瀕した今こそ、動物的限界を引きずっていた前史が終わり、真の人類史が始まる、その起点となる時なのである。

きたるべき共同体の時代が、どのようなものになるのかが明確に示されていると思います。
ただ、そこでも、人類にとって厄介な課題は残り続けます。
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だが、圧力=課題はそれだけではない。人類にとって最も厄介な動物的課題、即ち性闘争・同類闘争をどう止揚するのかという課題が、(おそらく未来永劫に)残り続ける。しかし、物的・動物的な生存課題をほぼ克服した人類の性闘争・同類闘争は、もはや動物的な縄張り闘争ではあり得ない。では、動物的生存課題を克服した人類の性闘争・同類闘争は、どの様なものに成るのだろうか?

★「性闘争・同類闘争をどう止揚するのか?」
この課題に応えるためには、性闘争・同類闘争の発現構造を探らなければなりません。
その上でしか、課題化⇒実現は不可能であり、極めて困難な課題と言えます。
しかし、追求のための、大きな方向性は、既に示されています。
「同類圧力=共認圧力を生命源とする社会であるという根本パラダイムは、極限時代と同じである。」
人類の、本能⇒共認⇒観念機能の全ては、秩序化⇒安定⇒統合というベクトルに貫かれています。極限時代を生きた彼らにとっては、生存と安定が、最先端の期待であっただろうことは容易に想定できます。その期待を受けて、人々は、徹底的に同類闘争を回避(彼らにとって、同類闘争の顕在化は、集団の崩壊と滅亡を意味します)してきたのだと思います。
今回のシリーズでは、極限時代に遡り、その具体例を検証することで、「本源期待」(仮説ですが、そこには同類闘争の止揚期待が内在しているはず)の像を明確化し、共同体の時代の指針の基礎を築いていきたいと思います。
それでは、皆さん、期待していてください

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