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【男女関係の行き詰まりと可能性】~②近年の婚姻動向<離婚の増加>

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近年の婚姻動向を捉える為に、前回記事 [1]では<晩婚・未婚化>について扱いました。今回は<離婚の増加>を扱います。
最近は離婚と聞いても珍しいと感じる事はないと思いますが、歴史的に離婚件数を見てみると近年にかけて急増しています
離婚はいつから増えてきたのでしょうか。そして何故、急増しているのか
婚姻に関する問題は男女関係だけを見ていても、答えは出てきません。男女を取り巻く家族、地域、社会を見ないことには答えは出せないのです
現代的問題である離婚急増の原因を是非、読んでみて下さい。
いつも応援ありがとうございます。
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■状況認識
①離婚率の実態
離婚率の状況について見てみましょう。下図は離婚件数の推移です。

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社会実情データ図録 [4]様よりお借りしました)
ここ最近の動きに注目してみると離婚率が1965年頃から増加しています。 最近の出来事として離婚率の増加は認識されていますが、なんと今から45年以上も前から、一時減少期を迎えたものの増加し続けているのです。この離婚率の増加は未婚率の増加と近しい変化を見せています。
しかし、離婚率は2000年頃をピークに下降に転じています。
②『離婚』の捉え方の変化
時代によって離婚の捉え方に変化が見られます。下図は、離婚の許容度(1990年~2005年)です。
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社会実情データ図録 [5]様よりお借りしました)
皆さんは現在「離婚」と聞いても特に珍しいと思わないでしょう。離婚の他に「シングルマザー」「バツイチ」といった言葉も含めて、離婚が人々に許容される風潮があると思いますが、翻って’70年以前はどうだったかといえば、「離婚は恥ずかしいこと」という意識が強く、離婚を許容する風潮はみられませんでした。
■現在に至るまでの社会構造の変化
大きく4つの切り口から社会構造の変化をみてみようと思います。
①女性の社会進出による離婚率の上昇
②農村→都会へ移動
③核家族の進行
④自由恋愛の変化
①女性の社会進出による離婚率の上昇
離婚率が増加した原因に女性の社会進出が挙げられます。女性の社会進出は未婚率の増加の原因にもなっています。
1970年に豊かさを実現した日本は、その後、私権意識が衰弱し、男の力の基盤が徐々に崩壊していきました。そして、それまで男性に嫁ぐことでしか生活を確保する手段がなかった女性が、男性に頼らなくても生きていける可能性の広がりました。
②農村→都市へ移動
豊かさ実現した日本では私権意識の衰弱に伴い、家父長権の崩壊がみられました。それまで、一家の主として父親が絶対的権力を持っていましたが、その構造が崩れます。 父親からの圧力が弱くなる一方で、農村部へ都会の自由な暮らしが情報として入ってきます。こうして多くの若者が都市へ出て行きました。
③核家族の進行
上記の続きとして、都市へ出てきた若者は、地域との繋がりが無い核家族を形成します。都市へ出てくる若者は年々増加し核家族の進行の原因の一つになりました。 また農村で形成されていた地域共同体ですが、若者が居なくなる事で地域共同体が徐々に解体されていきました。都市で地域共同体を作る事は難しく、都市に住む核家族は地域との繋がりを意識し辛くなっていきました。
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④自由恋愛の増加
恋愛結婚とお見合い結婚の推移です。1965年辺りを境にして、双方は逆転しています。
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社会実情データ図録 [6]様よりお借りしました)
1965年以前であれば、家族と家族の新たな繋がりという位置づけでお見合い結婚が行われていました。
結婚とは集団の課題であったのですが、一転して個人課題になりました。現在では結婚とは個人間の契約で済まされてしまい、家族や地域の繋がりが無いことは当たり前の状況になっています。
■根本原因
女が男に頼らなくても生きていける可能性が広がったという現象に代表されるように、1970年まで男の力の基盤であった私権が、基盤になり得なくなった と捉えることができます。
1970年辺りまでは、集団の規範が残っていましたが、その後性的自我の肥大により離婚に至るケースが増していった と考えられます。現代においては自分たちの課題でしか無くなってしまいました。そして離婚に対する意識の変化についても同様に、その私権原理を元に成立していた婚姻規範が崩壊過程に入った といえます。
婚姻規範とは、本来社会や集団と切り離せないものであるはず。 その規範が崩壊したことによる可能性とは、集団や社会を捨象した個人の私権獲得の可能性でしかなく、それでは集団や社会の秩序は崩壊していくことが必須です。 集団や社会の秩序は崩壊していくことが必須です。
☆婚姻は何故、集団と切り離せないのか?
以下、るいネット [7]より参考記事です。

婚姻が社会と切り離されて50年も経ってない [8]
日本の婚姻史を調べてみると、集団や社会から切り離された婚姻や性関係は、ほんのこの50年くらいしかなかったようだ。
まず、庶民の生活の中で、縄文時代から昭和10年から30年頃まで受け継がれてきた、夜這い婚などの集団婚。それらは、村単位で性充足を高めるシステムで、男女老若既未婚をとわず、性の役割が与えられた。
子育ても、誰の子であろうと、娘の親が育てるというように、村の規範の中で育てられた。決して個人課題ではない。また、性や子育て規範を共有する単位(村)と、生産にかかわる規範を共有する単位(村)は一致していた。
このように、性や婚姻は社会とつながっていて、性自体が集団維持の課題のひとつであった。それゆえ、性をみんなの期待として、肯定的に捉えていた。
(中略)
このように、この50年を除けば、性は社会とつながっており、衰弱することはなかった。そして現在、まったく社会とつながりを失い、当人同士以外だれの期待も受けない性が始めて登場した。そのときから、性は衰弱し続けている。
再生のためには、社会の中でみんなに期待される『性』が役割として再認識される必要がある。そのためには、性も生産も包摂した新しい本源集団の再生不可欠になる。

’00年以降の離婚率は、増加が止まった と捉えられます。未婚率も同様に減少しています。ここでも収束不全から目先の安定を求めた結果が見て取れます。そして、恋愛結婚の推移をみてみると、2005年を頭打ちにして横ばいになっています。
これはお見合い結婚の流れが強くなってきた影響でしょうか?
最近は「婚活」という言葉を良く耳にしますがこの先の婚姻動向を鮮明に予測するためにも次回は「婚活」の実態を押さえてみようと思います

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