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全面受容→一体化回路を磨き続けたメス〔万物編〕

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(画像はこちら [2]からお借りしました)

 

全面受容→一体化回路をとことん磨いてきた人類のメスたち。

はじめは同類に対する全面受容でしたが、回路が発達するにつれて、同類以外の対象=万物に対しても全面受容できるようになります。

 

自分と周りを分け隔てる感覚がなくなり、自分は全体の中の一部であるという感覚。

現代人でも、圧倒的な大自然に囲まれた時などには、こういった感覚を感じることは出来ます。

 

その原点である同類との一体化回路は、メス主導の性充足の発達によって主に磨かれてきた [3]ことを前回の記事では扱いましたが、同類と同様に、万物との一体化回路も、やはりオスよりもメスの方が長けているのではないかというのが今回の記事です。

 

現代人はなかなか観念や自己を取り払って対象を捉えることが困難になってしまっているため、今回はあえて「シャーマン」と「脳卒中での左脳損傷」という特殊事例を元に検証してみたいと思います。

 

 

まずはシャーマンです。

>シャーマニズムには「脱魂型」と「憑依型」の2タイプがある。おもに狩猟採集生活をする(つまり自 然のサイクルの中で生きる)世界中の先住民の 間に広くみられるのが脱魂型で、シャーマンの魂が身体を抜け出て、天上界や地下世界などを旅し、祖霊や自然界の精霊と出会ってメッセージを受け取るというもので、シャーマンの多くが男性である。これは、農耕文明やそれ を基盤にした西欧近代がこの数千年間で世界を覆いつくすまでの長期間にわたって、ヒトの社会を支える基本的な文化様態だったとかんが えられている。いっぽう「憑依」型は、「狐憑き」や「神がかり」「チャネリング」のように、向こうからやってくる霊がシャーマンに乗 り移るもので、農耕社会に多くみられ、女性シャーマンが多い

(※http://www.ne.jp/asahi/r/s/dancing_ape/shamanism.html [4]より)

 

この「憑依」という現象は、まさに「全面受容」の状態のように思います。

その憑依型シャーマンが女性の方が多いということは、やはり全面受容回路は女性の方が発達しているということの証明ではないでしょうか。

 

もう一つの事例は、脳科学者ジル・ボルト・テイラー博士が、脳卒中に見舞われたときの実体験です。

 

>“その朝、私は左目の裏にひどい痛みを感じ目が覚めました。たとえるのならばその痛みはアイスクリームなどの冷たいものを食べた時に感じるような鋭い痛みです。

(中略)

私はバランスを崩し、壁にもたれかかりました。そして自分の腕を見た時、もはや自分の体とその周りの物の境界線がわからなくなっていることに気付いたのです。自分という存在がどこから始まりどこで終わるのかも見分けがつきません。まるで私の腕の分子が壁の分子と入り交ざって、一体になっているような感覚なのです。唯一認識できるのは、私の体の中のエネルギーです。

(中略)

私はその状態にとてもショックを受けましたが、それと同時に私という存在が周囲の大きなエネルギーと共同体となっている状態に魅了されたのです。もはや体の境界さえわからない私は、自分という存在が周りのエネルギーと一体となり大きく、大きく広がる感覚を感じたのです。それはとても素晴らしいものでした。

(※リンク [5]より)

 

この事例は、脳卒中によって左脳の機能が損傷したときの感覚(世界)を、後に記したものです。

 

脳卒中で損傷する部位は様々で、かつ脳卒中時の感覚を再現した記述は極めて稀なため、この感覚が普遍的だとは言えませんが、重要なのは、このような「万物と一体化して充足する回路」が(おそらく右脳上に)確かに存在するということ。

 

そして注目したいのは、テイラー博士は女性だということです。

女性だから、命の危険にさらされたこのような状況でさえ、万物と一体化して幸福感に包まれることが出来たというのは曲解すぎるでしょうか。

なぜなら女性は、「イク」「シヌ」という状態が究極の快感・幸福感をもたらすことを、すでにオーガズムで知っているのですから。

 

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