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オランウータンのまとめ ~その特徴はどのように形成されたのか

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(写真はこちら [2]からお借りしました)

オランウータンは、歯や骨格からするとチンパンジーよりも人類の祖先に近いと言われています。なにより、チンパンジーより弱い人類が、チンパンジーよりも大きいというのが不自然です。オランウータンが人類の祖先であるなら、その特長の中に、人類が人類になった基盤があるはずです。それが見つかれば、人類を人類たらしめている根源的な特性が明らかになります。本ブログとしては、その中でもオスメスの関係につながる特徴について解明してきました。

前回 [3]原猿のオスメスが集団化したところまでをまとめました。

 

◆オランウータンの特長
他の霊長類との違いでは、ゴリラと並び大型化していること。交尾の時間が長いこと。そして、授乳期間が長いことが挙げられます。

 

◆大型化したのはなぜか

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(写真はこちら [7]からお借りしました)

現在のオランウータンの食性を比較して見てみると、果実が61%、葉が22%、そして樹皮が12%、その他花や昆虫等を食べています。樹皮を食べるようになったテナガは、より硬い繊維を分解できるようになるために大型化していったと考えられます。

(一般的に、硬い細胞壁を長い時間をかけて分解する必要性から、消化器系の内臓の体積を拡張⇒体全体の大型化と言われています。)

大型進化していったテナガ=オランウータンは、樹高10~30m程の生息域の中で外敵からの圧力も減り、樹皮も食べられる豊かな採食環境の中で更に大型化を進めていったと考えられます。
http://bbs.jinruisi.net/blog/2021/10/5692.html [8]

 

◆授乳期間が長いのはなぜか

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(写真はこちら [10]からお借りしました)

ゴリラやチンパンジーの授乳期間は4~5年。それに対してオランウータンの授乳期間7年もかけています。樹皮食と大型化により外圧の低い安定した環境を手にしたオランウータンは、

授乳期間を長くすることで個体数を減らし、縄張り闘争の圧力を緩和したと考えられます。哺乳類は元々、胎内保育によって低下した淘汰圧力を高めるために性闘争を強化した適応戦略をもっています。

でもエサが少ない場合は、一定育った成体が死んでいくので生産性が悪い。そこで、あらかじめ個体数を減らす方向に適応していったと考えられます。性闘争も緩和されました。

そして、親和機能の強化は、母子=同類間の対象化能力を高める効果があります。これが認識機能を向上させ、知能進化を促したはずです。これは雄にも継承されるので、雄同士の性闘争の際には、相手を見るだけで、あるいは声だけで勝敗を決するという能力にも結び付いていったと考えられます。
http://bbs.jinruisi.net/blog/2021/10/5665.html [11]

 

◆オランウータンの性はメスの親和充足発へ~もはや繁殖という意味は超えている

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(写真はこちら [13]からお借りしました)

外敵圧力が弱まり、かつ母子間の親和が増大したことで、哺乳類に見られる激しい性闘争は抑制され、オスとメスの性関係にも大きな変化がおとずれます。

◆性行為の前にデート
普段はオスとメスはお互いによそよそしい関係にあるのに、交尾するときは、その前段階で、二匹で連れ立って仲良く行動する、というのがあります。

性行為の時間が長い
チンパンジーの性行為は2~3分、ゴリラは長くて8分位ですが、オランウータンの場合は、25~40分くらい、長いと1時間くらいしています。」

◆後背位ではなく正常位
他の哺乳類や類人猿の性行為は後背位ですが、オランウータンの性は正常位がほとんど。お互いが枝にぶら下がって、どこがお互いの頭でどこが足なのかわからないくらいアクロバティックに抱き合って、オスがしっかりトラストして、メスがまたそれに応じてすごくなまめかしい声をあげて鳴き続ける。

このように、オランウータンの性は、繁殖のための性、性闘争発の性ではなく、オスとメスの親和充足を高め合う性に変化しています。これは、人類も全く同じですね。目と目を合わす目交わい(まぐわい)の性の土台が、このオランウータンの段階で作られているように思われます。
http://bbs.jinruisi.net/blog/2021/10/5703.html [14]

 

◆なぜ性の充足を高めていったのか

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写真はこちらからお借りしました [16]

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写真はこちらからお借りしました [18]

オラウータンは雨を嫌がり、寝床に雨除けをつくることもあります。寝床はフカフカ、毎日ベッドをつくります。快・不快がハッキリと感じられます。

オランウータンは長い母子密着期間を通じて安心感だけでなく、快・不快といったここちよさを感じる肌に変容したのだと考えられます。性成熟したオス・メスは母親のもとを離れても、その肌感覚の充足は残り続けます。サル以降に獲得した同一視回路と肌感覚を、オランウータンは生殖行為に適応したのではないでしょうか。

『ここちよさ』を感じる肌感覚と、『自分が気持ち良ければ、相手も気持ちが良い』という同一視が相乗し、繁殖戦略としての生殖行為を、親和充足を高める性の交歓へと転換させたのだと考えられます。
http://bbs.jinruisi.net/blog/2021/10/5792.html [19]

 

◆心地良さの感度が上昇したら知能も進化した

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(写真はこちら [21]からお借りしました)

さらに肌感覚の充足度が高いことと、オランウータンの知能の高さが知能進化にもつながっています。

脳の本質は、判断を多様に柔軟に組み替えられるところにあります。その組み替えの起点となってくるのが、探索回路です。この「探索回路」と、「皮膚感覚の発達」が、密接に関わってくるのです!!

皮膚には様々な機能がありますが、その一つに「快(安心感や心地よさや一体感)」を感じる感覚があります。この「快」を感じる皮膚感覚が発達すると、「不快」や「違和感」に敏感になります。

すると、その「不快」や「違和感」の正体を探ろうと、探索回路が作動し始めます。

つまり、この快の感覚が発達」→「不快や違和感を察知」→「探索回路作動」→「脳の組み替え力アップ」が、知能を発達させていく構造だったのです!
http://bbs.jinruisi.net/blog/2021/11/5823.html [22]

 

樹皮を食べて大型化し、性闘争を緩和するため授乳期間を延長。結果、快・不快に敏感になり、オスメス相互の期待から性の充足を探索し、知能も進化させていったオランウータン。その後、予期せぬ悲劇により人類へつながる過酷な探索がはじまります。

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