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2021年11月03日

『心地よさ』の感度が上がると知能が発達するのはなぜか

(図はこちらからお借りしました)

 

『心地よさ』の肌感覚を発達させると、なぜ知能が発達するのか。

それを解明する前提として「脳が発達するとはどういうことか」を簡単に押さえておきたいと思います。

 

一般的には、脳は、情報を集約して判断し指令するために作られたと言われています。
ただしその本質は、判断を多様に柔軟に組み替えられるところにあります。
コンピューターのように大量の情報を決められた通りに「処理」するだけではなく、状況に応じて(場合によっては極めて低い可能性に賭けて)、どの情報をどれだけどう取り入れどこに繋ぐかを「思考」できるのが、脳が脳たる所以です。
とりわけ、大脳新皮質の形成以降は、その役割がより顕著になってきます。

 

従って、脳が発達するとは、組み替えがより多様に柔軟にできるようになることだと言うことができますが、その組み替えの起点となってくるのが、探索回路です。

探索回路とは、文字通り、対象の正体が分からないときや、判断材料が足りないとき、あるいはそれに対応する行動が見つからないときに、それらを探索しようと作動する回路のこと。

 

そして実は、この「探索回路」と、「皮膚感覚の発達」が、密接に関わってくるのです!!

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(図はこちらからお借りしました)

 

皮膚には様々な機能がありますが、その一つに「快(安心感や心地よさや一体感)」を感じる感覚があります。
この「快」を感じる皮膚感覚が発達すると、「不快」や「違和感」に敏感になります。
すると、その「不快」や「違和感」の正体を探ろうと、探索回路が作動し始めます。

つまり、この「快の感覚が発達」→「不快や違和感を察知」→「探索回路作動」→「脳の組み替え力アップ」が、知能を発達させていく構造だったのです!

(※ちなみに、皮膚が感じる他の感覚には「痛み」や「熱さ」などもあるのですが、これらは危機を察知して避けるためのものであるがゆえに、「痛くない」「熱くない」から探索するということにはなりません。「快」という充足感覚だからこそ、「不快」を感じれば「快」を求めて探索が始まるという構造です。)

 

そしてその構造において、すでに、猿・オランウータン以前の哺乳類段階で、授乳・子育て等によって皮膚感覚を発達させた哺乳類は、他の生物に比べて大きく知能が進化しています。

それに加えて、長い母子密着期間を通じて『ここちよさ』を感じるほどに皮膚感覚を著しく発達させたオランウータンは、さらに著しく知能を発達させていきました。

また、オランウータンの皮膚感覚の進化は、「快」の感覚機能にとどまらず、相手の動きと一体化して自身の体の重心や力の入れ具合を変えるという、身体機能の一体化感覚を形成したと考えられます。
この「相手の力の流れや中心を掴む」感覚が、道具を自身の体の一部のように扱えるという知能進化に繋がったのではないでしょうか。

 

知能を進化させるには、「快」を感じる皮膚感覚を発達させること。
これは、子育てや人材育成においても重要な視点ですねicon_surprised.gif

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