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2016年01月26日

恋愛を脱し、「連帯結婚」を模索する若者たち

若者の恋愛観が激変している。

’90年代以降、「バブル崩壊と長引く不況」、「恋愛リスクの露呈とリスク回避」、「超情報化社会と行き過ぎたコミュニティ志向」、「男女平等社会と男女不平等恋愛」、その結果、

・「若者にとって、恋愛がとても『面倒』な時代になった」 (谷本奈穂・関西大学教授)
・「現20代にとって、恋愛は精神的に『思い』もの」 (高坂康雅・和光大学准教授)
・「現実主義者となった若者から見て、恋愛は『コスパ』に合わない」 (山田昌弘・中央大学教授)

昭和の「恋愛結婚」は、相手を見つけるのも、生活を始めて子作りするのも、別れるのも、すべて「本人の自由」だとする部分にメリットがあった。でも裏を返せば、自由の根底には「自己責任」が横たわる。

表面上は「誰と結婚してもいい」「いつ分かれてもいいんだよ」と言いながら、現実にはここ数年、生活保護や就学援助を縮小する自治体が相次ぐ一方で、不妊治療費の助成やシングルマザーへの支援など、「不妊」「離婚」へのバックアップはなかなか進まない。多少の婚活支援はしても、その後の生活は完全に「あなた任せ」、だから若者は「失敗したくない」と、恋愛や結婚に身構える。

また、これだけ結婚しない「おひとりさま」が増え、3組に1組が離婚する時代なのに、いまだに政府が税制等の標準モデルとするのは、夫婦に子ども2人の4人家族。2030年、日本の総人口の約半数(47%)は「おひとりさま」になる、との試算もある(野村総合研究所)。いったいいつまで、こんな時代遅れの制度を続けるのか。

いまの若者は、この国に期待していない。「日本はどうせ、こんなもの」と諦めている。ていのいい自己責任論を振りかざし、何もしてくれない大人にうんざりし、「せめてリスクだけは減らそう」と、恋愛にまで背を向け始めた。

一方で、そん彼らがまだ期待感を持っているのが、同棲や結婚だ。恋愛スルーの若者でも、9割は「いずれは結婚したい」と望んでいる。不安な時代だからこそ、誰かと連帯する経済的・心理的メリットを痛感しているから。

【結婚の利点についての意識調査】(社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」より)

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ならば、大人たちも「恋愛結婚が当たり前」ではなく、彼らが望む「連帯結婚」の在り方を具体的に支援すべきだ。
とはいえ、「21世紀型の結婚モデルは、○○です」と、親や大人がすべてお膳立てするのはおかしい。行き過ぎた先導は、若者に不信感を抱かせ、自立を妨げるだけ。大丈夫、いまの若者は我々が思うよりずっと賢い。潜在能力も多分にある。強引に既成概念を押し付けなければ、自分の力で、あらたな男女関係や結婚の姿を見出してくれるはずだ。
【参考】牛窪恵・著『恋愛しない若者たち』

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