2018年07月31日
「オニババ化」しないために・・・
「オニババ化する女たち」(光文社新書)三砂ちづるさんの本を読んで。リンク リンク
更年期からが実は女盛り☆、出産は辛いのではなく至高の喜び☆etc…、素直に体の声を聞くこと、女としての性を知ることで、固定観念に縛られて硬くなっていた心と体がほぐれる感覚になります。
希薄になってきている男女関係の再生を考える上でも大切な認識を教えてくれています。
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■更年期は「喜び」
あるブラジル人の女性人類学者が、インディオの出産を学ぶために、アマゾンでフィールド調査をしました。その調査で発見したことに、その女性人類学者は大変驚いたそうです。 そのインディオの村では、女性は閉経すると、とても喜ぶのだそうです。なぜか? その理由は、妊娠する心配がなくなったから、子どもを気にせずにセックスを楽しめるようになるから。実際、この村では、閉経後に、セックスがますます活発になっているのだとか。
現代社会では、閉経を向かえた女性は、もう女ではなくなった、というような偏見があります。また、更年期というのは、体の調子が崩れる、まさに「悪いもの」という見方が一般的です。実際、マスコミでは、このような意見、論調が垂れ流されつづけています。 しかし、インディオ社会のように、更年期自体が肯定視されていて、セックスが閉経後も盛んに行われているならば、おそらく女性ホルモンの力によって、女性の肉体は年を経ても活性化していくでしょう。
また、なにより性の充足を存分に味わえる期間として、更年期を迎えるのが楽しみになるのは、不思議なことではないと思います。
■月経は女性が「生まれ変わる」こと。
北部アメリカのアメリカインディアンたちは、女性が初潮を迎えると、お祝いと同時に、こう伝えるのだそうです。
>「ああ、これであなたも毎月生まれ変わるチャンスができた、女はいつでも変わることができる、毎月、月経を通じて生まれなおしができるのだよ」 誰でも、日々、生きていく中で、つらいことがある。しかし、女性は、毎月、月経が来るたびにすべて流してしまえる、生まれ変わることができる、という発想なのです。
現代社会でも、例えば日本では初潮にはお赤飯を炊いて、一応お祝いらしきことはするでしょう。 そのとき、本人や母親の心の中には、何か面倒なものがはじまった、という否定視の意識がよぎることが多いのではないでしょうか。
現在の学校教育の現場では、ジェンダーフリー教育の結果、男女の役割分担が否定され、生理などに関する性教育も男女同時に行われることが多いのです。初潮は男女平等主義から見れば厄介なものでしかないでしょう。
初潮は子どもを産むことが可能になったことのサインです。
出産という、もっとも重要な能力の始まりに対して、プラスで見れるのか、マイナスで見れるのか、ということは非常に大きな影響を、女性の心理にあたえるのではないでしょうか?
■出産の至高体験
先進国では病院で出産することが当たり前になっています。が、日本にはまだ、助産婦さんが出産をケアする、助産所が(全国に約300箇所)存在します。
その助産所に残されている、出産を終えた妊婦たちによる手記を読むと、共通点があります。 それは至高体験です。 >「宇宙との一体感を感じた」 >「自分の境界線がないようだった」 >「大きな力が働いていてそれに動かされているようにゆだねていた」 といった肯定感、幸福感を経験しているのです。 上記のような出産がいかにすばらしい体験だったか、を伝える機会はあまりに少ないと思います。わざと隠されているのでは?と勘ぐりたくなるくらいです。
今の女性に、出産についての持つイメージを聞くと、「痛い」「苦しい」「つらい」といった反応が返ってくることが多いと思います。 実際、テレビのドラマや、学校の保健の授業で見せるビデオには、そうした「痛い」「苦しい」お産のシーンばかりが流れています。しかし、「痛い」「苦しい」と思わされてきたから、本当に「痛い」「苦しい」ものになった、とは言えないでしょうか? 更年期、初潮、出産に関する事例を紹介しましたが、マスコミ、学者・学校が、こぞって誤った事実認識=旧観念を撒き散らしつづけている例は他にも数多くあるように思います。 このことによって、性への肯定的な意識も、充足も破壊されてきたのではないでしょうか。
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- posted by TOKIO at : 2018年07月31日 | コメント (0件)| トラックバック (0)