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2016年04月26日

チンパンジーと人類の違いから ~追求充足が進化の源泉~

1頭のチンパンジーが蟻塚の前で立ち止まり、小枝を拾った。そして、巣の入口を覆っている柔らかい土に小枝の片端を挿し込み、蟻塚の兵隊アリが攻撃してくるのを待った。アリの群れが小枝を10cm程登ってくると、チンパンジーは巣から枝を抜き、枝の向きを手際よく変えて巣に刺した片端を自分の口に向け、群がっていたアリを食べた。たらふく食べるまでその過程は繰り返される。
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チンパンジーは様々な道具を巧みに使う。石で木の実を割ったり、葉を使って木のうろにたまった水を吸い取ったり、棒で栄養価の高い植物の根を掘り出しできる。しかし、彼らはこの知識をもとに前進したり、もっと高度な技術を生み出したりはできないようだ。例えば、棒を使ったシロアリの狩猟法を仲間に教えることはできるが、別の物を挿し込んでみようということはなく、同じことを繰り返すだけだ。

一方、現生人類はそのような限界はない。実際、私たちは日常的に他人のアイデアを拝借し、それに独自の工夫を加えて改良し、最終的には新しくて非常に複雑なものにする。例えば、一個人だけではノートパソコンに投入されている複雑な技術のすべてを思いつくことはできない。そのような技術的偉業は何世代にもわたる発明の塗り重ねによって出来上がっている。

人類学者はは、私たち人類のこの特技を「分化の累積(カルチャル・ラチェッティング)」と呼ぶ。これには何よりもまず、ある人から別の人へ、あるいはある世代から次の世代へと、誰かが改良のアイデアを思い付くまで、知識を伝えていく能力が必要となる。

★何故、人類は知識の伝達・応用ができ、サルはできないのか?

2012年、英国の霊長類学者が、ある実験を行った。実験用パズルボックスを設計し、チンパンジーとオオマキザル、そして英国の幼稚園児の集団にやってもらった。このパズルボックスには難度レベルが3つあり、あるレベルの問題はその下のレベルの問題を解いた後でないと解けない仕組みになっている。

55頭のサルのうち最高レベルにたどりついたのは1頭のチンパンジーだけで、しかも30時間以上もかかった。
しかし、幼稚園児たちははるかに上手くやった。サルの集団と違って、園児の集団は話し合ったり、励ましたり、正しいやり方を教え合うなど協力して取組んだ。2時間半後、35人のうち15人が最高レベルに到達した。
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(写真はイメージです)

こうした認知能力と社会的スキルを私たちの祖先は、なぜ獲得することができたのか。前述の実験を受けて、ロンドン大学の進化遺伝学者たちは「人口密度」が関係しているのではないかという仮説を立てている。

集団規模が大きいほど、技術を進歩させるアイデアを誰かが思いつく可能性が高まる。さらに、隣接集団と接する可能性が高いほど程、新しい技術革新に触れる機会が高まる。しかし、文化的な革新には、個人どうしが密に結びついた特別な社会状況が存在していたのではないかと考えられている。

『追求のススメ(サルから人類へ:観念機能の創出)』
足の指が先祖返りして、それ以前の獣たちがそうであるように、足の指で枝を掴むことが出来なくなったカタワのサル=人類は、樹上に棲めるという本能上の武器を失った結果、想像を絶する様な過酷な自然圧力に直面した。とうてい外敵に対応できない原始人類は、洞窟に隠れ棲むしかなかったが、彼らは恒常的に飢えに苛まれていた。

彼らは常に生存の危機に晒されており、当然「どうする?」⇒「世界(自然)はどうなっている?」という未知への収束と追求回路に全面的に先端収束する。そして、人類は、直面する未知なる世界=不整合な自然世界を「なんとしても掴もう」と、自然を凝視し続けた。それは、生命の根源をなす適応本能(整合本能)と共認機能を深く結びつけることになった。そのようにして、みんなで毎日毎日追求し続ける、その中で、追求共認⇒追求充足の回路が、共認回路の奥深くに形成され、その共認充足が更に強く皆を追求に向かわせていった。

追求充足の回路が、共認回路の奥深くに形成されてきた結果、幼稚園児どうしがが話し合ったり、励ましたり、正しいやり方を教え合うなど協力して取組んだ実験結果に繋がっていると考えられます。
そのように考えると、追求共認⇒追求充足回路の獲得が、人類進化の源泉といえるのではないでしょうか。

【参考】「別冊日経サイエンス ~化石とゲノムで探る人類の起源と拡散』

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