2015年12月01日
母親による男の子の囲い込みが、オス性を去勢する
先ず、牛窪恵・著『恋愛しない若者たい』から、衝撃的なデータから紹介します。
東京都幼・小・中・高・心性教育研究会「児童・生徒の性に関する調査」(2014年)による、中学3年生を対象にした「性交願望の推移」です。
・中3男子の「性交(セックス)願望」は、1987年の86%をピークに、その後下がり続け、2014年には25.7%という結果になっています。
・また、中3男子の射精経験率についても年々減少し、2014年は調査を開始した2002から10ポイント減っています。
性を嫌悪する20代男性も年々増え、いまや男性5人に1人が、セックスを「汚らわしい」というニュアンスで見ています(2015年 日本家族計画協会)。
★なぜ、このような現象が起きているのか?
その要因に「母子密着」を上げる識者が多いのです。例えば、男子高生のセックス経験率。これを見ると、母親が「専業主婦(おそらく共働き母より息子と密着)」の場合、2005年(23%)をピークに経験率が急落し、2011年には8%まで下がっています。この下げ幅、共働き母をもつ男子高生や、女子高生の数値に比べ格段に大きいのです(2011年 日本性教育協会)。
「近年、親と10、20代男女の密着ぶりが顕著。高校生や大学生の一部が、まだ親と一緒にお風呂に入っている」と話しているのは、「尾木ママ」こと、法政大学・キャリアデザイン学部教授の尾木直樹氏。この現象が、子の性的欲求を封じ込める一因にもなってるのではないかと、尾木教授は指摘します。
★どうしたらいいのでだろうか?
そのヒントが、AV界の巨匠・代々木忠監督の記事にありました。
『オスがオスであるために』 (リンク)より
かつてヤップ島にハマッていたころ、帰国途中、グァムに2泊したことがあった。伸び放題だったヒゲを剃って、ビーチやプールサイドにいると「一人ですか?」とか「どれくらいいるんですか?」と女の子たちがやたら声をかけてきた。
グァムに寄る前、ヤップ島に1カ月ほど滞在していたと思う。だから僕はずいぶん日に焼けていた。だが、モテたのは日焼けのおかげでもなさそうだ。なぜなら、日に焼けている男たちなら他に何人もいたし、僕自身、グァムでもっと黒くしたこともあったが、そのときは何も起こらなかったからである。きっとこれはオスの匂いだろうなと僕は思った。五感でいう匂いではない何かをメスが嗅ぎつけてやってきている。そのとき僕は何かを発していたのだ。
今とは違い、当時のヤップはまだ未開の地で、海洋民族である島民たちは気性もなかなか荒かった。男はみな蛮刀を持っており、集落間の抗争で酋長の四男坊が殺されたとか、その報復には巻貝の毒が使われたとか……生々しい話し合いの場が持たれているときに滞在したこともある。さすがに日本人の僕らが抗争に巻き込まれることはないけれど、島全体の空気感というか緊迫感がミクロネシアの他の島々とは違うのだ。こういう所で1カ月も暮らしていると、野性が出てくるというか、おのずと本能的になってくるのだろう。
脳を、その進化になぞらえて3つに分ける考え方がある。(1)爬虫類の脳、(2)哺乳類の脳、(3)人間の脳などといわれる。(1)爬虫類の脳は、呼吸や心拍や血圧といった内臓器官を動かす、生命維持のための脳。(2)哺乳類の脳は、快や不快、恐怖や不安、怒りなどの情動をつかさどる脳。(3)人間の脳は、情報や知識を膨大に蓄え、それを論理的に組み立てる脳。先日、TOKYO МXテレビで戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長が石原慎太郎議員と対談をしていた。戸塚さんの持論は「脳幹論」というのだそうだが、対談においても盛んに「脳幹を鍛えなきゃいけないんだ」と言っていた。
脳幹は、前述の(1)爬虫類の脳に属する。要するに、生きものとして根っこの部分である。戸塚さんの「脳幹論」では、現代っ子はこの大事な脳幹を刺激されないまま成長しているがゆえに生命力が弱くなり、精神力も弱くなったという。
今、男の子に必要なことは、母親によって囲いこまれた【飼育】を脱し、脳幹を鍛えて【野性】を取り戻すことではないだろうか。
- posted by KIDA-G at : 2015年12月01日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
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