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2015年7月28日

2015年07月28日

江戸時代農村の婚姻(1) 十五で姐やは嫁に行く?

動揺『赤とんぼ』に、「十五で姐やは嫁に行き お里のたよりも絶えはてた」という歌詞があります。
赤とんぼ

晩婚化がいわれて久しい現在ですが、昔の日本(江戸時代くらい)の結婚年齢は何才くらいでだったのか?
『歴史人口学から見た江戸時代農村の結婚』(リンク)から、江戸時代農村の婚姻を紐解きます。

◆西高東低の初婚年齢
日本の農村における十八・十九世紀の平均初婚年齢は男25~28歳の間、女18~24歳の間で、夫婦の年齢差は5~7歳(男が年上であることが多い)。また平均初婚年齢は江戸時代を通じて上昇傾向にあり、時代を下るごとに晩婚化の傾向が強まります。

ただし、平均初婚年齢には地域差があり、東日本ほど早婚傾向が強く、西に行くほど晩婚傾向が強くなります。陸奥国仁井田村(福島県)の平均初婚年齢は男19.6歳、女15.0歳。これに対して美濃国西条村(岐阜県)の平均初婚年齢は男28.8歳、女22.5歳でした。
また平均初婚年齢の階層差も明確で、美濃西条村のデータでは、初婚年齢は地主層が男27.4歳、女21.6歳に対し、小作層は男27.9歳、女24.0歳となります。

江戸時代の結婚は早かったのか遅かったのか、という問いには農民層の場合は上記のように地域差があって、関東・東北は早婚、中部以西は晩婚の傾向が強く、階層差があります。また、出稼ぎ者が大多数を占める都市住民も、経済的状況や一旦故郷に戻る必要性などから晩婚化傾向は農村より強かったと考えられています。なので15~6で嫁入りしていたのは主に東北地方の人々で、西日本の農村の人々は平均22~3で嫁入りし、また出稼ぎ経験者は平均より3~5歳遅かった、となります。
(さらに…)

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