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2017年10月12日

2017年10月12日

教育イノベーション事例~世界最難関・ミネルバ大学とは

創立4年目にしてハーバード大学を蹴ってまで行くというミネルバ大学とは?
キャンパスを持たずに世界7都市を渡り歩く大学とは?
100%アクティブ・ラーニングを提供する「未来の大学」とは?

話題のミネルバ大学について、この秋から初の日本人学生となった学生の記事から紹介。

 

「世界最難関・ミネルバ大学初の日本人学生として」 より

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はじめまして、日原翔です。この5月にカナダの高校を卒業して、9月よりミネルバ大学というアメリカの4年制大学へ進学します。この連載では、ミネルバ大での生活や仲間たちとの交流について共有していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

ミネルバ大学はキャンパスを持たず、授業はすべてオンラインですが、学生は4年間で世界の7都市を渡り歩いて寮で共同生活をします。創立4年目にして、多くの学生の人気を集め、いまやハーバード大学以上の難関ともいわれています。

ミネルバ大学では、私が初めての日本人学生になります。まだ日本語での情報があまりありませんので、このコラムで少しでも皆さんにミネルバ大学についてお伝えできればと考えています。

 

“知識”よりも”知恵”と”好奇心”
世の中は今、目まぐるしい速さで変化を遂げています。5年前の常識が、今日は通じない。今日の常識は、来年には通じていないでしょう。人工知能は次々と世界一のプロ棋士たちを破り、コンビニやファストフードなどでの会計も無人化されています。ポスト真実文化は急速に台頭し、世界中の政治に大きな波を起こしています。ネットショッピングの代名詞であったアマゾンも、高級食品スーパーのホールフーズを買収した今、リアル店舗での生鮮食品流通を制する日も遠くありません。

一方、変わり続ける社会の中で、教育というものはほとんど進化していません。学習効果の薄い講義型授業が未だに大部分を占め、生徒の考える力よりも詰め込んだ知識を大学は評価し続けています。皆さんも「日本の教育は遅れている」と一度は聞いたことあると思います。しかし、大学の講義風景(写真)を見ると、世界最高峰と言われているような大学とてこの例外ではないことが分かります。世界的に教育は社会の変化に取り残されてしまっています。

今日の常識は明日の常識ならず —- そんな世の中で大切なのは、上書きされ続ける一時的な”知識”以上に、”知恵”と、学び続ける”好奇心”ではないでしょうか。”Sapientia Critica(批判的知恵)”という校訓にもある通り、常に考え続ける力をミネルバ大学は重視しています。

 

才能が集まる仕組み
現在はどこの大学でも、世界中から才能と実力のある学生を集めたいと考えています。もちろん、ミネルバ大学も例外ではありません。しかし、ミネルバがこの点において既存の他大学と最も異なるのは、それを文字通り実行しているという点です。次回詳しく紹介いたしますが、ミネルバ大学への出願には人種や国籍以外にも、学生の多様性を確保するための仕組みが凝らされています。一般学生には無関係なスポーツチームや、無駄な施設などの費用をかけず、学費を抑えていることも学生の多様性に繋がっています。

 

世界中を旅するカリキュラム
ミネルバ大学のカリキュラムでなんといっても魅力的なのは、4年間かけて文字通り世界中を渡り歩くという点でしょう。学期が変わるごとに生活も変わり、学びも変わる。そんな刺激的な環境で成長することができます。常識に挑戦し、変化を先導せんとするミネルバ生にはもってこいのカリキュラムだと思います。

1年目 – サンフランシスコ (米国)
2年目 – ソウル (韓国)、ハイデラバード (インド)
3年目 – ベルリン (ドイツ)、 ブエノスアイレス (アルゼンチン)
4年目 – ロンドン (英国)、 台北 (台湾)

また、都市ごとに学びのテーマがあり、抽象論ではなく実際に各都市で学ぶ事柄は大きく変わります。これらの異文化を移り渡ることで実際に世の中の複雑さを学び、そこでどのように問題解決していくか、という力をミネルバ生は身につけていきます。

同級生たちとは寮生活を共にし、一緒に動き回る4年間を通して、大学ならではの絆や友情は十分育まれます。授業も知らない人と一方的な講義を受けるのではなく、互いによく知っている学生同士の少人数ゼミなので、効果的なディスカッションが行えるのです。

 

駆け足になってしまいましたが、ミネルバ大学の魅力、少しは伝わりましたでしょうか。多様な生徒達に囲まれ、世界中を旅しながら知恵を学ぶ。私はそこに惹かれました。卒業生もまだいない大学なので、ミネルバへの進学を”リスク”と捉える方も多いでしょう。むしろそれが多数で、普通だと思います。

しかし私には、これが”リスク”よりも”チャンス”に感じられました。何より、そんな”リスク”をとってしまうような人達と一緒に学んだらどんな刺激があるのか、今からワクワクしています。

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