2022年09月22日
縄文人の世界観 ~再生と甦りを象徴した蛇
前回は縄文人がなぜ「月」を信仰したのかを考察しました。
今回は「蛇」を深堀りしていきたいと思います。
■「蛇」へのこだわりとその理由
月は、その運行周期の同一性から女性と同格に位置づけられ、子宮あるいは女性器になぞらえられました。そして、人間だけでなく、いきるもののすべてが月の水によって生かされるのであり、その水を月からもたらすのが蛇だと考えられました。そして蛇は、形などから男根になぞらえられたのです。月(子宮)と蛇(男根)は「死なないもの=再生」の象徴の中核に置かれ、それにまつわるさまざまな事象とも関連づけられています。一つの体系をなしているのです。 「月と蛇と縄文人」大島直行著より
なぜ「蛇」にこだわるのか。それは蛇が脱皮と冬眠を繰り返し、死なない存在と考えられているからです。キリスト教では蛇は邪悪なものとされていますが、縄文文化のように多神教で、しかも農耕社会に移行せず、長く狩猟採集により生活を維持した人々においては、蛇は死なないものの代表として、いろいろなものにシンボライズされていることを知る必要があります。
- posted by sai-nao at : 2022年09月22日 | コメント (0件)| トラックバック (0)