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2007年02月01日

ブータンでは「結婚」という意識が薄い?

前回、チベットの父系制特殊婚姻形態の紹介がありましたが、チベット自治区より南側の隣国である「ブータン」も多様な婚姻様式を持つ国の様です。
その婚姻様式は母系制「一夫多妻」と「一妻多夫」であり、チベットの婚姻様式に近いパターンもある事が分かります。
😀 😀
これから紹介するのは、青年海外協力隊としてプータンで生活をされた方が、色んな項目毎にその様子を記録されたHPであり、その中の「結婚など」という項目に絞って紹介します。「ブータンの生活紹介」
64.jpg
宜しくどうぞ・・・

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「一夫多妻」と「一妻多夫」はどの様に成立したか・・・。
Bhutan0092.jpg
水田

一つ目は、農村型。
<中略>
家が広い土地・多くの家畜を持ち、女の子の子供が少なかった場合、その子が婿をもらうときには、一人の婿では全ての土地・家畜を管理し切れなくなります。それで、その家に複数の婿が来て、一妻多夫となります。
逆に、広い土地を持たずに、女の子の子供が多い場合、その子達が婿をもらうとき、一人一人が別の婿をもらってもその全家族を養うだけの土地・家畜が無い。生活できないと言うことになります。その場合、一人の婿にその家の姉妹が複数結婚することになります。または、一人一人の姉妹の家は別々であっても婿は一人で、複数の家を一人の婿が巡るということもあるようです。(一夫多妻)
二つ目は、遊牧民型。
若い女性と長距離を動き回れるくらいの子供などは、春から秋にかけて黒テントと家畜(ヤク・羊など)とともに牧草地で生活し、冬の間だけ本拠地の家に戻ります。
この黒テントの遊牧、男性が同行することはあまり無いようで、男は何をしているかと言うと、大きなヤクを数頭つれてチベットに行ったり、南の標高の低いところに行ったりして商売していることが多いようです。この商売の旅、かなりの長期間を要する事も多いようで、場合によっては半年ごとに2箇所の拠点間を行き来する生活スタイルになることもあるようです。
そうなると、どこが本拠地なのか分からない、本拠地となるような家が二つあるような状況が出来てくることになり、それぞれの家でそれぞれの家の持ち主の女性と結婚しているというような一夫多妻の状況になる場合があるようです。
また、女性側が冬にだけ本拠地の家にいれば冬の間にその地にいる男とのみ結婚しているような形になりますが、そうでない場合は冬の婿と夏の婿、のような感じで、それぞれの違う婿に違う時期に同じ居場所を提供する形で一妻多夫となります。

上記のように婚姻形態は多様である事が分かりますが、興味深いのはそれを決めるのは親や近所が認知された時点となる様です。
さらには、その「結婚」に対して儀式や披露宴が無く、私達からみれば単なる「同棲」に見えるだけの様です。(現代の事実婚に近いかも知れません)
この事から、ブータンの人々から見ればそれはごく普通の集団の形態であって、私達から見れば、婚姻様式を勝手に当てはめているだけかも知れません。
PS:「ブータン王国の婚姻法」
1980年制定。基本的には「単婚」であるが、配偶者の同意があれば「複婚」も認められている。(証人の立ち会いの下で、婚姻証明書の取得義務)

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