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2007年02月02日

ブータンの男女関係は、私達と違う?!

「国民総幸福量」で有名なブータンの婚姻制は,とても示唆に富んでいると思いました。 🙄
Cf)ジグメ・センゲ・ワンチュック国王が主張する、ブータンの国是とも言える概念が「国にとって大切なのはGNP(Gross National Product:国民総生産量)ではなく、GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)である」という宣言。
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写真は「熟年ー旅の達人」より

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婚姻制を考える前に,ブータン現状を再考すると、
①ブータンが貧しいとはいえ、自給自足が成り立っており、生活に困った人が居ない⇒外圧が低い
②インドと中国に挟まれた、九州ほどの小さな国であります。人口は、おおよそ、63万人位で、国王に圧倒的信頼がある⇒国とは言え、日本での県レベルの大きさの本源社会が、残存している
③これまで他の国の影響を受けてこなかった(北はヒマラヤの高地、南は熱帯ジャングルに挟まれていたという地理的理由と、鎖国政策を採ってきた)⇒市場経済社会に犯されなかった。
松下政経塾 塾報 ブータン:龍王の選択 大串正樹
註)最近は、「緩やかな近代化」を進めてきた結果,少なからず近代化の弊害が発生しているという報告もあります。
その結果、外圧が低く,市場経済(≒私権意識)に犯されない本源社会であるブータンの婚姻制は、近代社会の私権意識に犯される前の,自然な男女関係が残っていると考えられます。
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写真は「熟年ー旅の達人」より

「ブータンにおける結婚は、結婚式や披露宴のような、それに伴うセレモニーのようなものも無く、男女が一緒に住みだして両親や近所からそのことが認知された時点で結婚が成立すると言うような感じです。」
「ブータンの生活紹介」による

このレポート報告から、彼らにとって「結婚」は男女が一緒に生活するだけの普通の出来事です。近代社会人に見られる、自分の人生を賭けての「恋愛」とか、一生を左右する相手を探す(つまり,どれだけ良い条件を獲得するかという私権競争としての結婚)という力みが全く感じられません。
逆に考えると、近代人が恐ろしいほどに私権意識に犯されている事実が見えます。私権執着がない本源的な男女関係とは、このような自然な関係じゃないかと思わせます。
さらに考えさせられるのは,彼らは婚姻形式にも固執していないという点です。
ブータンに於ける、農村の,一妻多夫や、遊牧の一夫多妻など環境に適応して多彩な婚姻形式を取っています。本源的な男女関係には,様式は関係無いと言ったところでしょうか。私権的結婚でなければ、外圧や生産様式に則して,婚姻様式も自由変化でよいではないかと語っているように思えます。
現在の行き詰まった男女関係の日本でこそ、私権意識から開放されて、もっと本源的な男女関係,婚姻形態の模索が必要であると言えるのではないでしょうか。

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